昨季覇者ペレスと雪辱誓うフェルスタッペンのレッドブル独壇場となるか|F1第8戦アゼルバイジャンGP日程・放送予定・展望・天気情報

神宮泰暁 Yasuaki Shingu

昨季覇者ペレスと雪辱誓うフェルスタッペンのレッドブル独壇場となるか|F1第8戦アゼルバイジャンGP日程・放送予定・展望・天気情報 image

FIA(国際自動車連盟)F1(フォーミュラ1)世界選手権の2022年シーズン第8戦となるアゼルバイジャン・グランプリ(GP)が、日本時間6月10日(金)20時(決勝は12日20時)から行なわれる。前節モナコGPでは伏兵セルジオ・ペレスが1位、マックス・フェルスタッペンも3位に食い込み勢いの違いを示したレッドブル勢。アゼルバイジャンでは昨季覇者ペレスが連勝連覇するのか、フェルスタッペンが復調するのか、チーム内での競り合いが注目される。ほかのチームがそこに食い込めるのか、アゼルバイジャンGPの日程・放送予定・展望・現地天気予報などの情報を紹介する。

2022年F1第8戦アゼルバイジャンGP:レース概要

サーキットデータ

  • 名称:バクー市街地コース(アゼルバイジャン共和国バクー)

  • コース全長:6.003km

  • 周回数:51(時計回り)

  • コーナー数:20

  • 日本との時差:−5時間

  • 特徴:アゼルバイジャン共和国の首都バクー市街地を舞台にしたサーキット。古くからカスピ海の港湾都市として発展したバクーは、12世紀からの城壁が残る市街地とあって道幅の狭さから毎年のようにクラッシュや接触が起き、レース展開は荒れ気味になる。旧市街地エリアを回り込むセクター2は起伏があるうえ、ターン7から12までの曲がりくねった難所がある。セクター1、セクター3(からセクター1に戻る)の長いストレートはDRSゾーンを伴うベタ踏み区間になるため、バルテリ・ボッタスによる最高速度378km/hの記録から『世界最速の市街地コース』とも呼ばれるが、建物の間を抜けるコースレイアウトはただでも路面温度が上がりにくく、タイヤ温度が下がるロングストレートから突入する直角のターン1とターン3はコントロールを失いやすい。同じ市街地でもモンテカルロよりもオーバーテイクはしやすいため、ドラマティックなレースが期待できる。

直近の決勝成績(2021年6月6日)

  1. セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)3:33.686s
  2. セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)+1.385s
  3. ピエール・ガスリー(アルファタウリ)+2.762s

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2022年F1第8戦アゼルバイジャンGP:タイムテーブルと放送予定

2022年度の日本国内におけるF1中継は、「DAZN」か「フジテレビNEXT」のみとなる。インターネット動画配信サービスの「DAZN」はフリープラクティス1~3、予選、決勝までの公式映像の全セッションに加え、それぞれの別視点(メインフィード、オンボードカメラ、タイムフィード、ドライバートラッカー)の映像も配信。レース前後の水曜には特別番組(プレビュー、振り返り)が配信され、さらにF2、F3やWシリーズも網羅する。CS放送の「フジテレビNEXT」は、全セッションを放送するだけでなく、「FOD」か「SPOOX」のいずれかのプラットフォームの「フジテレビNEXTsmart」でインターネット視聴も可能だ。

6月10日(金):フリープラクティス(フリー走行)1/2

  • FP1:20:00~21:00(現地15:00~16:00)
  • FP2:23:00~24:00(現地18:00~19:00)

6月11日(土):フリープラクティス(フリー走行)3/予選

  • FP3:20:00~21:00(現地15:00~16:00)
  • 予選:23:00~24:00(現地18:00~19:00)

6月12日(日):本戦決勝

  • 決勝:20:00~22:00(現地15:00~17:00)

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2022年F1第8戦アゼルバイジャンGP:プレビュー・展望・現地天気予報

第7戦のモナコGP決勝(5月29日)では、ポールポジションのシャルル・ルクレールが今年こそモナコ人初の制覇を狙うも、フェラーリ陣営のピット戦略のミスが重なり失速、4位に沈み、『モナコの呪い』は解けなかった。ライバルのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)もフリープラクティス(FP)時点からペースが上がらず苦労したが、ぎりぎり3位に食い込んだ。結局、チェッカーフラッグを飾ったのはセルジオ・ペレス(レッドブル)で、2位はカルロス・サインツ(フェラーリ)と、気を吐いたのはセカンドドライバー勢だった。

ドライバーズランキングでも1位のフェルスタッペンが125点、2位ルクレールが116点、3位ペレスが110点となり、伏兵ペレスがルクレールに肉迫するどころか、同僚にも15点差に迫る状況となった。

そして、ペレスにとって第8戦アゼルバイジャンGPは縁起の良いレースだ。昨季はトップを走っていたフェルスタッペンが残り4周で左後輪のバーストによりリタイア。降車後に破裂したタイヤを蹴るフェルスタッペンの姿は印象的なシーンとして記憶されているだろう。ペレスは油圧システムトラブルでリタイア寸前の状態に陥りながらも、同僚の脱落もあってレッドブル移籍後初優勝をつかんだ。

レッドブルとの契約も2024年まで更新され、上り調子にある11年目のベテラン・ペレスと、「やり残したことがある」と意気込むエースのフェルスタッペン。両者のチーム内バランスをどう取るのか、陣営の手腕が問われるレースとなりそうだ。

アップデート面ではパワーユニット以外は各チーム小幅なものとなりそうで、フェラーリはイギリスGP(7月1~3日)まで温存すると報道されている。各チーム、規定予算の問題から開発規模も絞られるため、スペインGPでのアップデートをベースに捉え、適切なパフォーマンスを見出しにくい市街地コースでは現状維持を選ぶ傾向だ。直線に強いレッドブルはコーナー適正も上げてきており、ロングストレートを備えるコースレイアウト的にフェラーリにとっては苦しい展開が予想される。ポーパシング現象(激しい縦揺れ)解決にたどり着いたかにみえたメルセデスは、モナコGPでは低速コーナーでの弱さを露呈し、ジョージ・ラッセルは5位、ルイス・ハミルトンは8位と苦戦した。

日本人ドライバーの角田裕毅(アルファタウリ)は、モナコGPでは完走者中最下位という厳しい結果となったが、昨季のバクーでの走りは7位入賞と苦手意識はない。今季はさらに順位を上げたいところだ。

アゼルバイジャンGP開催中のバクー市街地コースの周辺の天気予報は、3日間とも降水率は低く、雨の心配はほぼなさそうだ。しかし、最高気温はいずれも30度以下となっておりタイヤ温度面で不安がでてくる。各車コーナーで苦労する可能性があり、タイヤマネジメントはより慎重さを求められることになりそうだ。

注目のF1アゼルバイジャンGPは、日本時間6月10日(金)20時からのフリープラクティス(フリー走行)1から開幕する。

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神宮泰暁 Yasuaki Shingu

神宮泰暁 Yasuaki Shingu Photo

日本編集部所属。ボクシング・格闘技担当編集者。