8台リタイアの大荒れ展開も、フェルスタッペンは貫禄勝利|F1オーストラリアGP 2023 決勝結果・再放送・見逃し配信

Sergio Rabinal

Sporting News Japan Staff

8台リタイアの大荒れ展開も、フェルスタッペンは貫禄勝利|F1オーストラリアGP 2023 決勝結果・再放送・見逃し配信 image

4月2日(日)午後、オーストラリアGP決勝がアルバート・パーク・サーキット(メルボルン)で行われ、3回の赤旗と8台がリタイアする大荒れのレースのなか、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが貫禄のポール・トゥ・ウィンを決めた。

先が読めない展開になった今季オーストラリアGP決勝を、本誌スペイン語編集部のセルジオ・ラビネルが伝える。そのほか日本国内向けの再放送・見逃し(アーカイブ)配信の情報についても紹介する。

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2023年のオーストラリアGP決勝はドラマティックなレースとなった。アルバート・パーク・サーキットに戻ってきたF1世界選手権は、緊張感、プレミア感、予測不能のシナリオ、そしてアクションの数々、すべてが揃っていた。

とくに残り2周で起きた多重クラッシュは、ルイス・ハミルトン(メルセデス)と2位を争っていたフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)と、それを追うカルロス・サインツ(フェラーリ)が接触する事態となり、レース展開を最後の最後に変えてしまった。

そもそもは、シャルル・ルクレール(フェラーリ)がスタートで脱落し、再開後にはアレックス・アルボンのクラッシュで最初の赤旗が振られるなど、まさに波乱の展開だ。この赤旗の影響でレースは大きく変わり、各チームはリスク回避のため戦略も平坦になり、サプライズの可能性はなくなり、マネージメントサンデーとなった。そしてレースが落ち着いたと思えば、残り5周でマグヌッセンがウォールに接触し2度目の赤旗、さらに、残り2周で3度目の赤旗が出された。この最後のクラッシュだけで、4人のリタイアと5人のドライバーが巻き込まれる大混乱となった。

この未曾有の事態にレースディレクターはクラッシュ前の順位に戻すことを決定。3度目の赤旗後の再スタートはパレードランとなり、フェルスタッペン1位、ハミルトン2位、アロンソ3位でレースを終了した。

予選でのマシントラブルで最後方のピットレーンスタートだったセルジオ・ペレスは、ファステストラップを記録して6位でフィニッシュ。表彰台には届かずとも見事な復活劇をみせたことはレッドブルにとっても幸いだった。ドライバーズ・オブ・ザ・デイ受賞も納得だろう。

一方、ジョージ・ラッセルの序盤離脱があったものの、ハミルトンが久々の2位で気を吐いたメルセデスや、3戦連続3位のアロンソと4位に食い込んだランス・ストロールのアストンマーチンにとっても手応えのあるレースとなった。日本人ドライバーの角田裕毅(アルファタウリ)も幸運に恵まれ、今季初のポイントを獲得した。

それに対してフェラーリにとっては散々だった。ルクレールのまさかのリタイアに加え、サインツは2度目の赤旗後の再スタート時の迂闊な行動により上位から転げ落ちた。最後のクラッシュを引き起こした責任として5秒のペナルティが科され、12位まで降格した。

荒れに荒れたオーストラリアGPを終えたF1はしばし小休止となり、次回は4月28日開幕アゼルバイジャンGPとなる。

2023年F1オーストラリアGP決勝結果・予選・最終順位表

順位 ドライバー タイム ポイント
1 マックス・フェルスタッペン(レッドブル) 2:32:38.371 25
2 ルイス・ハミルトン(メルセデス) +0.179 18
3 フェルナンド・アロンソ(アストンマーチン) +0.769 15
4 ランス・ストロール(アストンマーチン) +3.082 12
5 セルジオ・ペレス(レッドブル) +3.320 10+1
7 ランド・ノリス(マクラーレン) +3.701 8
8 ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース) +4.939 6
8 オスカー・ピアストリ(マクラーレン) +5.382 4
9 周冠宇(アルファロメオ) +5.713 2
10 角田裕毅(アルファタウリ) +6.052 1
11 バルテリ・ボッタス(アルファロメオ) +6.513 0
12 カルロス・サインツ(フェラーリ) +6.594 0
13 ピエール・ガスリー(アルピーヌ) DNF:58周目(事故) 0
14 エステバン・オコン(アルピーヌ) DNF:58周目(事故) 0
15 ニック・デ・フリース(アルファタウリ) DNF:58周目(事故) 0
16 ローガン・サージェント(ウィリアムズ) DNF:58周目(事故) 0
17 ケビン・マグヌッセン(ハース) DNF:48周目(事故) 0
NC ジョージ・ラッセル(メルセデス) DNF:18周目(PU不調) 0
NC アレックス・アルボン(ウィリアムズ) DNF:7周目(事故)  
NC シャルル・ルクレール(フェラーリ) DNF:1周目(事故)  
  • ファステストラップ:セルジオ・ペレス(ラップタイム=1:20.235、平均時速=236.814km/h)

関連記事:F1ポイントランキング2023:最新スタンディングとファステストラップをチェック

2023年F1オーストラリアGPの優勝者は?

2023年F1オーストラリアGPは、レッドブルのフェルスタッペンが優勝。ハミルトン、アロンソと並んで表彰台に上がり、オランダ人ドライバーはポールを勝利に結びつけ、無敵の3レース目を飾った。

レッドブルにとってはセバスチャン・ベッテル在籍時の2011年以来の同GP優勝で、チームとしても開幕3連勝は初となる。さらにフェルスタッペンはキャリア80回目の表彰台となり、アイルトン・セナの通算表彰台数に並んだ。

2023年F1オーストラリアGPの重要な瞬間

  • スタート:ジョージ・ラッセルが驚異的なスタートでファーストコーナーでイン側に飛び出し、トップに躍り出た。ハミルトンは果敢に攻め、フェルスタッペンも抑えてトップ2の座を手に入れた。
  • 1周目:シャルル・ルクレールはターン3でコースアウト、グラベルにはまりリタイア。
  • 7周目:アレックス・アルボンがターン6で壁に直撃し、かなり深刻なアクシデントに見舞われた。
  • 1度目の赤旗:アルボンのアクシデントによりレースは中断。セイフティカーが入ったことでサインツやラッセルにとってはかなりの痛手となったが、フェルスタッペン、ハミルトン、アロンソには恩恵があった。
  • 10周目(再スタート):クリーンな再スタートが切られ、フェルスタッペンがアロンソのアタックをかわしながらハミルトンが逃げ切る。ガスリーは見事なスタートで4番手に浮上。
  • 12周目:フェルスタッペンは驚異的なトップスピードにより、2つ目のDRSゾーンでハミルトンをあっさりパス。
  • 18周目:ラッセルはパワーユニット関連のメカニカルトラブルにより、好調だったはずのレースを早々に終えた。
  • レース後半、ハミルトン、アロンソ、サインツ、ガスリーは、2位から5位の間で静かな戦いを演じた。ハイペースにDRSゾーンも走り抜け、実質的に全員が同じラップタイムで走っていた。
  • 47周目:フェルスタッペンが最終コーナーでコースオフしたことで、ハミルトンに思わぬタイム差をつけられた。
  • 54周目、2度目の赤旗:ケビン・マグヌッセンが壁に接触して右リアホイールを破損したことで、セイフティカーが 導入された。このアクシデントは当初何でもないように見えたが、結局、赤旗となった。
  • リスタート時の混乱と災難:サインツがアロンソを道連れにしたことでクラッシュの連鎖を招いた。ペレスも衝突を避けてウィングを破損し、ストロールのマシンもダメージを負った。順調だったレースが悲惨な結末を迎えてしまった。
  • 引責罰:サインツには、クラッシュを招いた引責として5秒のペナルティが科せられた。
  • フィニッシュ3度目の赤旗後、残り1周はパレードランとなり、クラッシュ前の順位への再編成が行われた上でレース終了となった。

2023年F1オーストラリアGPでのフェルナンド・アロンソ

2023年F1オーストラリアGPでのアロンソのレースは完璧なものだった。常に順位を上げようと奮闘し、素晴らしいペースを発揮して2位まで迫った。結局3位でフィニッシュラインを通過し、キャリア101回目の表彰台を獲得した。サインツとの接触によって11位まで順位を落としたが、FIAの判断で赤旗中断前の順位を取り戻した。

3戦連続の3位入賞により、2013年以来となる45ポイントを獲得して年間ドライバーズランキングでも3位につけている。

F1オーストラリアGPの見逃し配信・再放送は?

オーストラリアGPをリアルタイムでチェックできなかった場合や、再度見直したいなら、再放送・見逃し(アーカイブ)配信をチェックしよう。

フジテレビNEXT

  • 再放送(予選・決勝のみ記載):
    • フジテレビONE
      決勝:04/03(月) 13:10~18:50
    • フジテレビNEXT
      予選:04/03(月) 19:00~23:10
    • フジテレビNEXT スポーツ
      決勝:04/03(月) 23:10~28:50
    • フジテレビNEXT スポーツ
      予選:04/04(火) 12:50~17:00
    • フジテレビNEXT スポーツ
      決勝:04/04(火) 19:00~24:40

フジテレビNEXTsmart

  • 再放送同時配信:上記同上
  • 見逃し配信:配信期限は約2週間

DAZN

  • 見逃し配信:配信期限は正式発表がないが1か月前後

※本記事はスペイン語記事を翻訳し、日本国内向け情報を加えた編集記事となる。


2023年シーズンも随時更新!

スポーティングニュース日本語版では、2023年もレース結果や放送配信予定に加え、英語記事だけでなく、F1人気が高い欧州の空気感を伝える本誌スペイン語記事の翻訳版など随時更新する予定だ。

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Sergio Rabinal

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Sergio es productor de contenido en las ediciones en español de The Sporting News. Desde 2018 desempeña las funciones de productor senior de contenido NBA. A lo largo de ese tiempo ha cubierto dos All-Stars, Basketball Without Borders y el NBA Paris Game, así como otros eventos. Pesimismo de la inteligencia, optimismo de la voluntad.

 

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日本を拠点に国内外の様々なスポーツの最新ニュースや役に立つ情報を発信しているスポーティングニュース日本版のスタッフアカウント。本家であるスポーティングニュース米国版の姉妹版のひとつとして2017年8月に創刊された日本版の編集部員が取材・執筆しています。