ルクレール、聖地のポール獲得で勝利なるか|F1イタリアGP予選結果&グリッド・決勝展望・天気予報・降格ペナルティ情報も

神宮泰暁 Yasuaki Shingu

ルクレール、聖地のポール獲得で勝利なるか|F1イタリアGP予選結果&グリッド・決勝展望・天気予報・降格ペナルティ情報も image

F1(フォーミュラ1)世界選手権2022年第16戦となるイタリア・グランプリ(GP)の決勝が、日本時間9月11日(日)22時から行なわれる。10日(土)の予選結果、決勝グリッド、降格ペナルティ、決勝レース展望、現地天気予報を紹介する。

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2022年F1第16戦イタリアGP:前節振り返り・降格ペナルティ・予選結果・決勝グリット

第15戦オランダGP振り返り:フェルスタッペン2連覇

前節のFIA(国際自動車連盟)F1(フォーミュラ1)世界選手権・第15戦オランダGPでは、メルセデス勢がフェラーリ勢を上回るパフォーマンスを発揮し、ポールシッターのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)を追い詰める展開となった。しかし、中盤に日本人ドライバーの角田裕毅(アルファタウリ)の2度にわたるバーチャルセイフティーカー導入、さらに終盤のバルテリ・ボッタスのセイフティーカー導入に救われ、フェルスタッペンがポールトゥウィン。母国での2連覇、今季10勝目をあげた。

メルセデスは後半、ルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセルで異なるタイヤ戦略を用いたが、フェルスタッペンを捉えきれなかった。この流れでメルセデス代表のトト・ウォルフが角田のVSC導入劇があまりにもタイミングが良すぎたとして陰謀説を指摘。ファンを巻き込んで騒動となった。

シャルル・ルクレール(フェラーリ)は3位に食い込んだが、宿敵フェルスタッペンとのドライバーズポイントの差は109点差に広がった。

第16戦イタリアGPのサーキット、モンツァ・サーキットの特徴

「スピードの神殿」「スピードの殿堂」とも呼ばれる超高速サーキットで、今年設立100年という節目を迎える長い歴史を持つ。正式名称に創業者の名も冠すイモラ・サーキット(第4戦エミリア・ロマーニャGP開催地)がフェラーリの「ホーム」であれば、モンツァはフェラーリがずば抜けて優勝回数が多く、とくに相性がいい「聖地」とされる。

三日月型のコースレイアウトは、長いストレートと急コーナーのエンジン性能とブレーキ制動がものをいうストップアンドゴータイプ。350km/hから70km/hまで減速し、再び一気に加速する。それ故に横Gのリスクも高いサーキットとして知られ、かつて使用されていたオーバルセクションのバンクでは大きな事故があった。

第16戦イタリアGPでのアップデート・PU/GB交換・降格ペナルティ

パワーユニットに関しては、後半戦に入り各車何かしら降格ペナルティが発生する状況だが、第14戦ベルギーGPでのペナルティ消化祭りがあったばかりながら、オーバーテイクチャンスが多いモンツァとあって、「戦略的降格」が大量発生した。ユニット毎に規定交換数が異なるが、いずれも最初の規定数超過は「10グリッド降格」、以降1基超過毎に「5グリッド降格」が基本となる。

レッドブル勢はICE(内燃エンジン)開封でフェルスタッペンは5基目の5グリッド降格、セルジオ・ペレスは最初の規定数超過(4基目)で10グリッド降格となった。このほかボッタス、エステバン・オコン(アルピーヌ)が5グリッド、ミック・シューマッハ(ハース)は15グリッド降格になっている。

15グリッド以上の降格罰がついたハミルトン、カルロス・サインツ(フェラーリ)、角田(PU超過分+戒告処分累積)は最後尾スタート(最終グリッドは予選結果で決定)になった。

なお、アレックス・アルボン(ウィリアムズ)は虫垂炎によりFP3から緊急離脱。代役としてニック・デ・フリースがシートに座る。

第16戦イタリアGP予選結果/決勝グリッド

現地時間9月10日の予選は、Q1でフェルスタッペンがトップに立ったものの、やはり聖地で強いのはフェラーリだった。Q1、Q2と2番手タイムだったルクレールが、最終Q3でトップタイムを刻み、4戦ぶりのポールポジションを獲得。サインツもQ2でトップを飾るなど3番手の好タイムだった。ただし、PU交換降格罰により18番手スタートになる。

フェルスタッペンは2番手タイムとなったが、こちらも降格ペナルティにより7番手スタートになった。

メルセデス勢はラッセルが予選6位からフロントロウの2番手発進に昇格したが、ハミルトンは5位タイムから降格罰で19番手と厳しいスタートとなる。

昨年の1−2フィニッシャーのマクラーレン勢は周囲の降格罰の影響でランド・ノリスが3番手、ダニエル・リカルドが4番手に繰り上がっており、レースをかき回す存在となるか注目される。

第16戦イタリアGP予選結果

  1. シャルル・ルクレール(フェラーリ)Q1=1:21.280 / Q2=1:21.208 / Q3=1:20.161
  2. マックス・フェルスタッペン(レッドブル)Q1=1:20.922 / Q2=1:21.265 / Q3=1:20.306
  3. カルロス・サインツ(フェラーリ)Q1=1:21.348 / Q2=1:20.878 / Q3=1:20.429
  4. セルジオ・ペレス(レッドブル)Q1=1:21.495 / Q2=1:21.358 / Q3=1:21.206
  5. ルイス・ハミルトン(メルセデス)Q1=1:22.048 / Q2=1:21.708 / Q3=1:21.524
  6. ジョージ・ラッセル(メルセデス)Q1=1:21.785 / Q2=1:21.747 / Q3=1:21.542
  7. ランド・ノリス(マクラーレン)Q1=1:22.130 / Q2=1:21.831 / Q3=1:21.584
  8. ダニエル・リカルド(マクラーレン)Q1=1:22.139 / Q2=1:21.855 / Q3=1:21.925
  9. ピエール・ガスリー(アルファタウリ)Q1=1:22.010 / Q2=1:22.062 / Q3=1:22.648
  10. フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)Q1=1:22.089 / Q2=1:21.861
  11. エステバン・オコン(アルピーヌ)Q1=1:22.166 / Q2=1:22.130
  12. バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)Q1=1:22.254 / Q2=1:22.235
  13. ニック・デ・フリース(ウィリアムズ)Q1=1:22.567 / Q2=1:22.471
  14. 周冠宇(アルファロメオ)Q1=1:22.003 / Q2=1:22.577
  15. 角田裕毅(アルファタウリ)Q1=1:22.020
  16. ニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)Q1=1:22.587
  17. セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)Q1=1:22.636
  18. ランス・ストロール(アストンマーチン)Q1=1:22.748
  19. ケビン・マグヌッセン(ハース)Q1=1:22.908
  20. ミック・シューマッハ(ハース)Q1=1:23.005

第16戦イタリアGP決勝グリッド

  1. シャルル・ルクレール(フェラーリ)予選1位(-)
  2. ジョージ・ラッセル(メルセデス)予選6位(+4)
  3. ランド・ノリス(マクラーレン)予選7位(+4)
  4. ダニエル・リカルド(マクラーレン)予選8位(+4)
  5. ピエール・ガスリー(アルファタウリ)予選9位(+4)
  6. フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)予選10位(+4)
  7. マックス・フェルスタッペン(レッドブル)予選2位(-5)
  8. ニック・デ・フリース(ウィリアムズ)予選13位(+5)
  9. 周冠宇(アルファロメオ)予選14位(+5)
  10. N.ラティフィ(ウィリアムズ)予選16位(+6)
  11. セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)予選17位(+6)
  12. ランス・ストロール(アストンマーチン)予選18位(+6)
  13. セルジオ・ペレス(レッドブル)予選4位(-9)
  14. エステバン・オコン(アルピーヌ)予選11位(-3)
  15. バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)予選12位(-3)
  16. ケビン・マグヌッセン(ハース)予選19位(+3)
  17. ミック・シューマッハ(ハース)予選20位(+3)
  18. カルロス・サインツ(フェラーリ)予選3位(-15)
  19. ルイス・ハミルトン(メルセデス)予選5位(-14)
  20. 角田裕毅(アルファタウリ)予選15位(-5)

決勝展望:ポールのルクレール、聖地で久々の勝利をつかめるか

ルクレールにとっては、フェラーリの聖地で久々のポールシッターとなったが、オーバーテイクが容易なモンツァ・サーキットにおいてフェルスタッペンの7番手発進は依然脅威になることは間違いない。今のフェラーリのマシン『F1-75』は直線向きの特性ではないため、2番手ラッセルの存在も無視できない。

もっともラッセル車はデプロイメントに問題を抱えているとされ、パフォーマンス総合力に不安があるようだ。対して、フェルスタッペンは予選段階から5グリッド降格を見込んだ走り方を確認したと発言しており、決勝での巻き返しに余念がない。

2022年F1第16戦イタリアGP:モンツァ・サーキットの天気予報

  • 決勝スタート:現地時間9月11日(日)15:00(日本時間22:00)

イタリアGP・決勝当日のモンツァ・サーキット周辺の天気予報は、スタート時間の気温は27℃、空は晴れ模様で夕方に降雨率5%とされている。横Gの強いコースだけにデグラデーションは厳しく、気温も相まって損耗率は高まる可能性がある。

注目のF1イタリアGP決勝は、日本時間9月11日(日)22時からスタートする。日本国内向けの中継はフジテレビNEXTDAZNで視聴できる。

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神宮泰暁 Yasuaki Shingu

神宮泰暁 Yasuaki Shingu Photo

日本編集部所属。ボクシング・格闘技担当編集者。