フェルスタッペンがポール獲得で年間王者に王手|F1日本GP2022予選結果・決勝グリッド・展望・降格ペナルティ情報

神宮泰暁 Yasuaki Shingu

フェルスタッペンがポール獲得で年間王者に王手|F1日本GP2022予選結果・決勝グリッド・展望・降格ペナルティ情報 image

F1(フォーミュラ1)世界選手権の2022年シーズン第18戦となる日本グランプリ(GP)の予選が、8日(土)15時から三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットで実施され、年間王者確定が期待されるレッドブルのマックス・フェルスタッペンがポールポジションを獲得した。9日(日)14時から行われる決勝に向けた展望(プレビュー)のほか、予選結果、決勝グリッド、降格ペナルティ情報なども紹介する。

▶3年ぶり! F1日本GPを観るならDAZNで。スマホやTVでスポーツをいつでも楽しもう

第18戦日本GP予選結果:年間王者目前のフェルスタッペンがポール獲得

FP3に続いて曇り空ながら雨もなく、気温は約20℃、路面は26℃後半というベストなドライコンディションとなり、各車はスリックタイヤを履いて走り通した。ジュニア時代から勝手知ったる鈴鹿サーキットとあってか、初凱旋となった角田裕毅(アルファタウリ)が先陣を切ってQ1ラップタイムを記録すると、各車も続々とアタックを開始した。

日本GPでの年間王者確定には、ポールポジション獲得が欠かせないフェルスタッペンは、ソフトを履いて軽く流しながらもトップタイムでクリアし、カルロス・サインツ、シャルル・ルクレールらフェラーリ勢、アルピーヌのベテラン、フェルナンド・アロンソも続いた。僚友ピエール・ガスリーがブレーキ不調を訴えながら脱落も、角田は12番手でQ2に進んだ。

全体的に調子をあげ始めたQ2は、新品ソフトを履いたセルジオ・ペレス(レッドブル)が1:29.925でトップタイム。鈴鹿を走り込んでいるベテランのアロンソも2番手に食い込んだ一方で、フェルスタッペンとフェラーリ勢は様子見タイムで通過。今季限りでF1引退のセバスチャン・ベッテルはQ2脱落となったが、大好きな鈴鹿サーキットへの感謝をインラップ中の無線で「ありがとうございます。鈴鹿」と日本語で伝え、手を振った。角田は健闘したものの、前回2019年日本GP覇者のバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)に次ぐ、13番手となった。

Q3では、フェルスタッペンが最初のアタックで1'29.304を記録。そして2度目のアタック前のアウトラップ中に低速で準備していたが、後方からマクラーレンのランド・ノリスが接近してきたのと同時に、フェルスタッペンも加速したことで熱の入っていないタイヤでスリップ。それを避けたノリスがコースアウトして芝生のうえを走ることになった。結局フェルスタッペンは2度目のアタックで更新はできず、フェラーリ勢も同様で、ルクレールはわずか0.010秒差で2番手、サインツも0.057秒差で3番手に収まった。

久々のポールポジション獲得となったフェルスタッペンだが、ノリスへの進路妨害が審議対象入りし、暫定となっていたものの、戒告処分に留まりポールが確定した。予選直後のインタビューでは、「ポールを獲得できて嬉しいけど、それ以上にここ(鈴鹿)に戻ってこれたことが嬉しいね」と喜び、決勝の天気を気にしながらも、「車は仕上がっているし、明日が楽しみ」とコメントしていた。

フェルスタッペンのポール維持が決まり、決勝スターティンググリットも確定した。ニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)は予選でも最下位となったが、それ以前に前節シンガポールGPにおいて、周冠宇(アルファロメオ)に対する接触原因を作ったとして5グリッド降格が決まっていた。

第18戦日本GP予選結果/決勝スターティンググリッド

  1. マックス・フェルスタッペン(レッドブル)Q1=1:30.224 / Q2=1:30.346 / Q3=1:29.304
  2. シャルル・ルクレール(フェラーリ)Q1=1:30.402 / Q2=1:30.486 / Q3=1:29.314
  3. カルロス・サインツ(フェラーリ)Q1=1:30.336 / Q2=1:30.444 / Q3=1:29.361
  4. セルジオ・ペレス(レッドブル)Q1=1:30.622 / Q2=1:29.925 / Q3=1:29.709
  5. エステバン・オコン(アルピーヌ)Q1=1:30.696 / Q2=1:30.357 / Q3=1:30.165
  6. ルイス・ハミルトン(メルセデス)Q1=1:30.906 / Q2=1:30.443 / Q3=1:30.261
  7. フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)Q1=1:30.603 / Q2=1:30.343 / Q3=1:30.322
  8. ジョージ・ラッセル(メルセデス)Q1=1:30.865 / Q2=1:30.465 / Q3=1:30.389
  9. セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)Q1=1:31.256 / Q2=1:30.656 / Q3=1:30.554
  10. ランド・ノリス(マクラーレン・メルセデス)Q1=1:30.881 / Q2=1:30.473 / Q3=1:31.003
  11. ダニエル・リカルド(マクラーレン)Q1=1:30.880 / Q2=1:30.659
  12. バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)Q1=1:31.226 / Q2=1:30.709
  13. 角田裕毅(アルファタウリ)Q1=1:31.130 / Q2=1:30.808
  14. 周冠宇(アルファロメオ)Q1=1:30.894 / Q2=1:30.953
  15. ミック・シューマッハ(ハース)Q1=1:31.152 / Q2=1:31.439
  16. アレックス・アルボン(ウィリアムズ)Q1=1:31.311
  17. ピエール・ガスリー(アルファタウリ)Q1=1:31.322
  18. ケビン・マグヌッセン(ハース)Q1=1:31.352
  19. ランス・ストロール(アストンマーチン)Q1=1:31.419
  20. ニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)Q1=1:31.511

第18戦日本GP:PU/GBアップデート・降格ペナルティ

鈴鹿サーキット特有のテクニカルなコースレイアウトに加え、決勝でのウエットコンディションが予想されるなかではオーバーテイクチャンスは厳しいこともあり、今回も多くが各種アップデート(交換)を回避。予選終了時点でグリッド降格ペナルティを受けた者はいないが、前述通り、ラティフィに関しては前節での接触行為へのペナルティで5グリッド降格が決まっていた。

パワーユニット周りではアルファタウリのピエール・ガスリーと角田裕毅がエキゾースト7基目を開封した(規定は8基まで)。ギアボックス周りはランス・ストロール(アストンマーチン)車が2箇所のユニットを交換したが、超過ギリギリの4基目となっている。

第18戦日本GP決勝展望:フェルスタッペンは年間王者は意識せずも「完璧なレース」狙う

鈴鹿で(レッドブルとしても)初のポールポジションからスタートすることになったフェルスタッペン。金曜の段階では、年間王者確定は「あまり考えていない」と答え、「勝つためには完璧なレースが必要」と話していたが、前節シンガポールGPであったようなマシンの不調や燃料不足など不運なトラブルもなかった。日本GPでの年間王者確定は、ファステストラップとセットでの優勝が必要となるが、予選後に車の状態は問題ないとコメントしており、少なくとも準備は「完璧」となった。

ただし、フェルスタッペンが気にしていたように、決勝の天気に関しては雨模様になるのは避けられそうにない。国内予報機関でブレがあるものの、決勝レースの14時から16時の間は、ほぼ100%雨の予報がでている。

気象庁では12-18時帯において降雨率70%で、三重県内全体で雷を伴った激しい雨が降る場所もあるとしている。日本気象協会(tenki.jp)では12-18時帯において降雨率100%、降水量(6時間)21mmだとし、ウェザーニュースにおいては午後の降雨率は90%、降水量は14時台が2mm、15時台が5mm、16時台が6mmと予想している。基本的には日が暮れる程雨脚が強くなる予報だ。

一貫してドライコンディションだった予選とは全く異なるタイヤ戦略とセッティングが必要となり、前節シンガポールGP同様に荒れ模様になる可能性も否めない。テクニカルで狭い路面のセクター1からセクター2の危険度は増し、ホームストレートからのコーナー1、130R(コーナー15)、そしてシケイン(コーナー16~18)ではオーバーテイクを狙ってのミスが危惧される。

ただ、初凱旋の角田裕毅は予選前には「雨の鈴鹿」に臆する素振りもなかった。結局13番手となったが、本番のロングレースで走り慣れた鈴鹿サーキットの経験値の高さを発揮してくれることを期待したい。

6番手のルイス・ハミルトン(メルセデス)は、これまで5度日本GPを制しており、優勝すればミハエル・シューマッハの6回と並ぶだけに、鈴鹿サーキットを知り尽くすダークホースとして見逃すことはできないだろう。そのハミルトンに次ぐ4度の優勝経験を持つベッテルも鈴鹿ラストランでどこまで食い込めるか注目だ。

3年ぶりの日本GP決勝は10月9日(日)14時からスタートとなる。日本国内向けの中継はフジテレビNEXT(CS放送・ネット配信)、DAZN(ネット配信)で有料視聴できる。

▶3年ぶり! F1日本GPを観るならDAZNで。スマホやTVでスポーツをいつでも楽しもう

神宮泰暁 Yasuaki Shingu

神宮泰暁 Yasuaki Shingu Photo

日本編集部所属。ボクシング・格闘技担当編集者。