[2022年版非公開]セナ、シューマッハ、ハッキネン、ハミルトンらが制覇してきた日本グランプリ、歴代優勝者・最多優勝・最速ラップは?|F1日本GP特集

神宮泰暁 Yasuaki Shingu

[2022年版非公開]セナ、シューマッハ、ハッキネン、ハミルトンらが制覇してきた日本グランプリ、歴代優勝者・最多優勝・最速ラップは?|F1日本GP特集 image

10月7日のフリー走行から9日の決勝まで、3年ぶりとなるF1日本グランプリ(正式名称:2022 F1 Honda 日本グランプリ)が開催される。正式にF1世界選手権のカレンダー入りを果たした1976年から遡り、アイルトン・セナやミハエル・シューマッハ、ミカ・ハッキネン、ルイス・ハミルトンなど、日本GP歴代の優勝者、最多優勝および複数回優勝者、最速ラップを紹介する。

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紆余曲折の日本グランプリの歴史

本田技研工業(Honda)創業者である本田宗一郎が1962年、三重県鈴鹿市に鈴鹿サーキットを建設した翌年に「日本グランプリ」が誕生。富士スピードウェイとの2軸開催、ツーリングカー時代、国内フォーミュラカー時代を経て、1976年10月24日、「F1世界選手権イン・ジャパン」として初めてF1カレンダー入りした。ニキ・ラウダとジェームズ・ハントの年間王者決着戦となったことでも知られ、のちに映画『ラッシュ/プライドと友情』でも再現されている。

同年の全日本F2000選手権に「日本グランプリ」の名称が優先使用されていたため、翌1977年からF1世界選手権「日本グランプリ」として改められたが、痛ましい観客死傷事故や売上低迷もあって、富士スピードウェイでのわずか2大会をもって、F1カレンダーから撤退した。

その10年後、関係各所の地道な活動により1987年から復活した「日本グランプリ」は、アイルトン・セナ、アラン・プロスト、ナイジェル・マンセル、デイモン・ヒル、ミハエル・シューマッハ、ミカ・ハッキネン、キミ・ライコネンといった世代ごとの類まれなドライバーや日本人初のF1フルタイムドライバーとなった中嶋悟の存在によって大きな人気を博し、日本におけるF1ブームを生んだ。

富士スピードウェイでの開催は、1976~1977年、2007~2008年(鈴鹿サーキット大規模改修のため)の4大会のみで、ほかの年度はすべて鈴鹿サーキットで開催されている。過去に「日本グランプリ」が休止されたのは、撤退期の1978〜1986年、コロナ禍の影響による2020〜2021年となり、3年ぶりの2022年は計36度目の開催となる。

歴代F1日本グランプリ優勝者

ここでは、1976年以降のF1世界選手権日本グランプリとしての歴代優勝者を紹介する。FS=富士スピードウェイ、SC=鈴鹿サーキットとなる。特記はしないものの、各年天気等により規定周回に達していない場合や、決勝タイムが大幅に遅い場合がある。

  1. 1976年10月24日:第16戦 / FS / マリオ・アンドレッティ(ロータス・フォード)/ 1:43:58.860 / 73周
  2. 1977年10月23日:第17戦 / FS / ジェームス・ハント(マクラーレン・フォード)/ 1:31:51.680 / 73周
  3. 1987年11月01日:第15戦 / SC / ゲルハルト・ベルガー(フェラーリ)/ 1:32:58.072 / 51周
  4. 1988年10月30日:第15戦 / SC / アイルトン・セナ(マクラーレン・ホンダ)/ 1:33:26.173 / 51周
  5. 1989年10月22日:第15戦 / SC / アレッサンドロ・ナニーニ(ベネトン・フォード)/ 1:35:06.277 / 53周
  6. 1990年10月21日:第15戦 / SC / ネルソン・ピケ(ベネトン・フォード)/ 1:34:36.824 / 53周
  7. 1991年10月20日:第15戦 / SC / ゲルハルト・ベルガー(マクラーレン・ホンダ)/ 1:32:10.695 / 53周
  8. 1992年10月25日:第15戦 / SC / リカルド・パトレーゼ(ウィリアムズ・ルノー)/ 1:33:09.553 / 53周
  9. 1993年10月24日:第15戦 / SC / アイルトン・セナ(マクラーレン・フォード)/ 1:40:27.912 / 53周
  10. 1994年11月06日:第15戦 / SC / デイモン・ヒル(ウィリアムズ・ルノー)/ 1:55:53.532 / 50周
  11. 1995年10月29日:第16戦 / SC / ミハエル・シューマッハ(ベネトン・ルノー)/ 1:36:52.930 / 53周
  12. 1996年10月13日:第16戦 / SC / デイモン・ヒル(ウィリアムズ・ルノー)/ 1:32:33.791 / 52周
  13. 1997年10月12日:第16戦 / SC / ミハエル・シューマッハ(フェラーリ)/ 1:29:48.446 / 53周
  14. 1998年11月01日:第16戦 / SC / ミカ・ハッキネン(マクラーレン・メルセデス)/ 1:27:22.535 / 51周
  15. 1999年10月31日:第16戦 / SC / ミカ・ハッキネン(マクラーレン・メルセデス)/ 1:31:18.785 / 53周
  16. 2000年10月08日:第16戦 / SC / ミハエル・シューマッハ(フェラーリ)/ 1:29:53.435 / 53周
  17. 2001年10月14日:第17戦 / SC / ミハエル・シューマッハ(フェラーリ)/ 1:27:33.298 / 53周
  18. 2002年10月13日:第17戦 / SC / ミハエル・シューマッハ(フェラーリ)/ 1:26:59.698 / 53周
  19. 2003年10月12日:第16戦 / SC / ルーベンス・バリチェロ(フェラーリ)/ 1:25:11.743 / 53周
  20. 2004年10月10日:第17戦 / SC / ミハエル・シューマッハ(フェラーリ)/ 1:24:26.985 / 53周
  21. 2005年10月09日:第18戦 / SC / キミ・ライコネン(マクラーレン・メルセデス)/ 1:29:02.212 / 53周
  22. 2006年10月08日:第17戦 / SC / フェルナンド・アロンソ(ルノー)/ 1:23:53.413 / 53周
  23. 2007年09月30日:第15戦 / FS / ルイス・ハミルトン(マクラーレン・メルセデス)/ 2:00:34.579 / 67周
  24. 2008年10月12日:第16戦 / FS / フェルナルド・アロンソ(ルノー)/ 1:30:21.892 / 67周
  25. 2009年10月04日:第15戦 / SC / セバスチャン・ベッテル(レッドブル・ルノー)/ 1:28:20.443 / 53周
  26. 2010年10月10日:第16戦 / SC / セバスチャン・ベッテル(レッドブル・ルノー)/ 1:30:27.323 / 53周
  27. 2011年10月09日:第15戦 / SC / ジェンソン・バトン(マクラーレン・メルセデス)/ 1:30:53.427 / 53周
  28. 2012年10月07日:第15戦 / SC / セバスチャン・ベッテル(レッドブル・ルノー)/ 1:28:56.242 / 53周
  29. 2013年10月13日:第15戦 / SC / セバスチャン・ベッテル(レッドブル・ルノー)/ 1:26:49.301 / 53周
  30. 2014年10月05日:第15戦 / SC / ルイス・ハミルトン(メルセデス)/ 1:51:43.021 / 44周
  31. 2015年09月27日:第14戦 / SC / ルイス・ハミルトン(メルセデス)/ 1:28:06.508 / 53周
  32. 2016年10月09日:第17戦 / SC / ニコ・ロズベルグ(メルセデス)/ 1:26:43.333 / 53周
  33. 2017年10月08日:第16戦 / SC / ルイス・ハミルトン(メルセデス)/ 1:27:31.194 / 53周
  34. 2018年10月07日:第17戦 / SC / ルイス・ハミルトン(メルセデス)/ 1:27:17.062 / 53周
  35. 2019年10月13日:第17戦 / SC / バルテリ・ボッタス(メルセデス)/ 1:21:46.755 / 52周
  36. 2022年10月09日:第18戦 / SC / 開催前
Valtteri Bottas, Sebastian Vettel and Lewis Hamilton celebrate on the podium during Japan GP 2019
Getty Images

F1日本グランプリ複数回優勝ドライバー&コンストラクター

ここでは、1976年以降のF1世界選手権日本グランプリとしてのドライバーおよびコンストラクター(チーム)優勝回数を紹介する。

なかでもミハエル・シューマッハは最多となる6度の優勝を飾っている。ルイス・ハミルトンは5回となっており、2022年に優勝を飾ればタイ記録に並ぶことになる。コンストラクターにおいてはマクラーレンが、ジェームズ・ハント、アイルトン・セナ、ミカ・ハッキネン、キミ・ライコネンといったスーパースターがそれぞれの世代で優勝を重ね、最多の9回を記録している。日本のF1ブームのなかでもマクラーレンの存在は特筆すべきものになった。

なお、ダブルネームチームの場合、車体製造(コンストラクター)側でカウントしている。エンジンメーカーでの優勝回数はメルセデスの11回が最多。ホンダは1988年と1991年の2回になっている。

F1日本GP複数優勝ドライバー

  1. 6回:ミハエル・シューマッハ(1995 / 1997 / 2000 / 2001 / 2002 / 2004)
  2. 5回:ルイス・ハミルトン(2007 / 2014 / 2015 / 2017 / 2018)
  3. 4回:セバスチャン・ベッテル(2009 / 2010 / 2012 / 2013)
  4. 2回:ゲルハルト・ベルガー(1987 / 1991)、アイルトン・セナ(1988 / 1993)、デイモン・ヒル(1994 / 1996)、ミカ・ハッキネン(1998 / 1999)フェルナンド・アロンソ(2006 / 2008)

F1日本GP複数優勝コンストラクター

  1. 9回:マクラーレン(1977 / 1988 / 1991 / 1993 / 1998 / 1999 / 2005 / 2007 / 2011)
  2. 7回:フェラーリ(1987 / 1997 / 2000 / 2001 / 2002 / 2003 / 2004)
  3. 6回:メルセデス(2014 / 2015 / 2016 / 2017 / 2018 / 2019)
  4. 4回:レッドブル(2009 / 2010 / 2012 / 2013)
  5. 3回:ベネトン(1989 / 1990 / 1995)、ウィリアムズ(1992 / 1994 / 1996)
  6. 2回:ルノー(2006 / 2008)

歴代F1日本グランプリ最速ラップ

Ayrton Senna and Alain Prost in Suzuka 1988
Getty Images

ここでは、1976年以降のF1世界選手権日本グランプリとしての歴代ファステストラップを紹介する。FS=富士スピードウェイ、SC=鈴鹿サーキットとなる。

なお、サーキットは鈴鹿に限らず時期によっては改修が行われ、コース距離なども変わるため、絶対的な最速ラップは一概に言い切れない。現在の鈴鹿サーキットのコース仕様における決勝コースレコードは、2019年のルイス・ハミルトンが叩き出した1'30.983となっているが、タイム的には予選時のセバスチャン・ベッテルの1'27.064がより速い。富士スピードウェイのコースレコードは2008年大会予選Q2時におけるフェリペ・マッサの1'17.287となっている。

  • 1976年: FS / ジャック・ラフィット(リジェ・マトラ)/ 1:19.970 / 70周目
  • 1977年: FS / ジョディ・シェクター(ウルフ・フォード)/ 1:14.300 / 71周目
  • 1987年: SC / アラン・プロスト(マクラーレン・タグ)/ 1:43.844 / 35周目
  • 1988年: SC / アイルトン・セナ(マクラーレン・ホンダ)/ 1:46.326 / 33周目
  • 1989年: SC / アラン・プロスト(マクラーレン・ホンダ)/ 1:43.506 / 43周目
  • 1990年: SC / リカルド・パトレーゼ(ウィリアムズ・ルノー)/ 1:44.233 / 40周目
  • 1991年: SC / アイルトン・セナ(マクラーレン・ホンダ)/ 1:41.532 / 39周目
  • 1992年: SC / ナイジェル・マンセル(ウィリアムズ・ルノー)/ 1:40.646 / 44周目
  • 1993年: SC / アラン・プロスト(ウィリアムズ・ルノー)/ 1:41.176 / 34周目
  • 1994年: SC / デイモン・ヒル(ウィリアムズ・ルノー)/ 1:56.597 / 26周目
  • 1995年: SC / ミハエル・シューマッハ(ベネトン・ルノー)/ 1:42.976 / 32周目
  • 1996年: SC / ジャック・ビルヌーブ(ウィリアムズ・ルノー)/ 1:44.043 / 34周目
  • 1997年: SC / ハインツ=ハラルド・フレンツェン(ウィリアムズ・ルノー)/ 1:38.942 / 48周目
  • 1998年: SC / ミハエル・シューマッハ(フェラーリ)/ 1:40.190 / 19周目
  • 1999年: SC / ミハエル・シューマッハ(フェラーリ)/ 1:41.319 / 31周目
  • 2000年: SC / ミカ・ハッキネン(マクラーレン・メルセデス)/ 1:39.189 / 26周目
  • 2001年: SC / ラルフ・シューマッハ(ウィリアムズ・BMW)/ 1:36.944 / 46周目
  • 2002年: SC / ミハエル・シューマッハ(フェラーリ)/ 1:36.125 / 15周目
  • 2003年: SC / ラルフ・シューマッハ(ウィリアムズ・BMW)/ 1:33.408 / 43周目
  • 2004年: SC / ルーベンス・バリチェロ(フェラーリ)/ 1:32.730 / 32周目
  • 2005年: SC / キミ・ライコネン(マクラーレン・メルセデス)/ 1:31.540 / 44周目
  • 2006年: SC / フェルナンド・アロンソ(ルノー)/ 1:32.676 / 14周目
  • 2007年: FS / ルイス・ハミルトン(マクラーレン・メルセデス)/ 1:28.193 / 27周目
  • 2008年: FS / フェリペ・マッサ(フェラーリ)/ 1:18.426 / 55周目
  • 2009年: SC / マーク・ウェバー(レッドブル・ルノー)/ 1:32.569 / 50周目
  • 2010年: SC / マーク・ウェバー(レッドブル・ルノー)/ 1:33.474 / 53周目
  • 2011年: SC / ジェンソン・バトン(マクラーレン・メルセデス)/ 1:36.568 / 52周目
  • 2012年: SC / セバスチャン・ベッテル(レッドブル・ルノー)/ 1:35.774 / 52周目
  • 2013年: SC / マーク・ウェバー(レッドブル・ルノー)/ 1:34.587 / 44周目
  • 2014年: SC / ルイス・ハミルトン(メルセデス)/ 1:51.600 / 39周目
  • 2015年: SC / ルイス・ハミルトン(メルセデス)/ 1:36.145 / 33周目
  • 2016年: SC / セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)/ 1:35.118 / 36周目
  • 2017年: SC / バルテリ・ボッタス(メルセデス)/ 1:33.144 / 50周目
  • 2018年: SC / セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)/ 1:32.318 / 53周目
  • 2019年: SC / ルイス・ハミルトン(メルセデス)/ 1:30.983 / 45周目
  • 2022年: SC / 開催前
Michael Schumacher and Mark Webber

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日本編集部所属。ボクシング・格闘技担当編集者。