スプリントはラッセルが制する波乱の展開に|F1ブラジル(サンパウロ)GP 2022 予選&スプリント結果・決勝グリッド・展望・降格ペナルティ情報

神宮泰暁 Yasuaki Shingu

スプリントはラッセルが制する波乱の展開に|F1ブラジル(サンパウロ)GP 2022 予選&スプリント結果・決勝グリッド・展望・降格ペナルティ情報 image

F1(フォーミュラ1)世界選手権の2022年シーズン第21戦となるサンパウロ・グランプリ(昨季よりブラジルGPから改称)の予選(日本時間11月12日)、スプリント(同13日)がインテルラゴス・サーキットで実施され、決勝グリッドのフロントロウは意外な顔ぶれとなった。同14日(月)午前3時から行われる決勝に向けた展望(プレビュー)のほか、予選結果、決勝グリッド、降格ペナルティや天気情報なども紹介する。

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第21戦サンパウロGP予選結果

サンパウロGPは、今季最後のスプリントフォーマットでの開催となるため、現地金曜日のFP1後の予選で大会ポールポジションとスプリントのグリッド争いが行われたが、世界王者マックス・フェルスタッペン(レッドブル)を抑えて、ハースのケビン・マグヌッセンが今GPのポールを獲得する波乱の展開が起きた。

ベテランに差し掛かったマグヌッセンとしても、2016年から参戦のハースとしても、初のF1ポールポジション獲得という歴史的な日となった。

サンパウロGP 2022 予選結果

  1. ケビン・マグヌッセン(ハース)Q1=1:13.954 / Q2=1:11.410 / Q3=1:11.674 26
  2. マックス・フェルスタッペン(レッドブル)Q1=1:13.625 / Q2=1:10.881 / Q3=1:11.877
  3. ジョージ・ラッセル(メルセデス)Q1=1:14.427 / Q2=1:11.318 / Q3=1:12.059
  4. ランド・ノリス(マクラーレン)Q1=1:13.106 / Q2=1:11.377 / Q3=1:12.263
  5. カルロス・サインツ(フェラーリ)Q1=1:14.680 / Q2=1:10.890 / Q3=1:12.357
  6. エステバン・オコン(アルピーヌ)Q1=1:14.663 / Q2=1:11.587 / Q3=1:12.425
  7. フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)Q1=1:13.542 / Q2=1:11.394 / Q3=1:12.504
  8. ルイス・ハミルトン(メルセデス)Q1=1:13.403 / Q2=1:11.539 / Q3=1:12.611
  9. セルジオ・ペレス(レッドブル)Q1=1:13.613 / Q2=1:11.456 / Q3=1:15.601
  10. シャルル・ルクレール(フェラーリ)Q1=1:14.486 / Q2=1:10.950 / Q3=DNF
  11. アレックス・アルボン( ウィリアムズ)Q1=1:14.324 / Q2=1:11.631
  12. ピエール・ガスリー(アルファタウリ)Q1=1:14.371 / Q2=1:11.675
  13. セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)Q1=1:13.597 / Q2=1:11.678
  14. ダニエル・リカルド(マクラーレン)Q1=1:14.931 / Q2=1:12.140
  15. ランス・ストロール(アストンマーチン)Q1=1:14.398 / Q2=1:12.210
  16. ニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)Q1=1:15.095
  17. 周冠宇(アルファロメオ)Q1=1:15.197
  18. バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)Q1=1:15.486
  19. 角田裕毅(アルファタウリ)Q1=1:16.264
  20. ミック・シューマッハ(ハース)Q1=1:16.361

第21戦サンパウロGPスプリント結果

土曜日のスプリントでもさらなる波乱が起きた。2番手発進のフェルスタッペンは、一時はマグヌッセンを抜いてトップを走るも、メルセデスのジョージ・ラッセルとのバトルでは劣勢を強いられ、容易にオーバーテイクを許した。伏兵カルロス・サインツ(フェラーリ)、元世界王者ルイス・ハミルトン(メルセデス)もジリジリと順位をあげた。

レース自体は荒れ気味となり、フェルナンド・アロンソのエステバン・オコンへの接触、ランス・ストロールのセバスチャン・ベッテルへの幅寄せなど、アルピーヌ、アストンマーチンの僚友同士のインシデントが頻発した。アロンソは5秒ペナルティ、ストロールには10秒ペナルティに加え、次戦3グリッド降格など大量のペナルティが課され、スプリント順位も決着後に変動した。

24周終了でラッセルがスプリントを初制覇。サインツ、ハミルトンに遅れを取る、4位でフィニッシュしたフェルスタッペンは、ミディアムタイヤのデグラデーションに苦しんだことを明かしている。約100kmの短距離レースとなるスプリントは、セッティングミスをリカバリーする余裕もない。日本人ドライバーの角田裕毅もグリップ不足に悩まされ、15位で終えた。

さらにサインツがICE(内燃エンジン)交換で5グリッド降格が決まっているため、決勝レースのグリッドは、ラッセル1番手、ハミルトン2番手となった。メルセデス勢のフロントロウ独占は、2021年サウジアラビアGPとなる。初ポールのマグヌッセンは8番手となった。

スプリントは1位にドライバーズポイントが8点付与され、2位以降8位まで1ポイントずつ減っていき、9位以降は0点となる。決勝スターティンググリッドは以下のスプリント結果に加えてグリッド降格ペナルティを反映したものになる。

サンパウロGP 2022 スプリント結果

  1. ジョージ・ラッセル(メルセデス)24周 / 30:11.307 / 8点
  2. カルロス・サインツ(フェラーリ)24周 / +3.995s / 7点
  3. ルイス・ハミルトン(メルセデス)24周 / +4.492s / 6点
  4. マックス・フェルスタッペン(レッドブル)24周 / +10.494s / 5点
  5. セルジオ・ペレス(レッドブル)24周 / +11.855s / 4点
  6. シャルル・ルクレール(フェラーリ)24周 / +13.133s / 3点
  7. ランド・ノリス(マクラーレン)24周 / +25.624s / 2点
  8. ケビン・マグヌッセン(ハース)24周 / +28.768s / 1点
  9. セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)24周 / +30.218s / 0点
  10. ピエール・ガスリー(アルファタウリ)24周 / +34.170s / 0点
  11. ダニエル・リカルド(マクラーレン)24周 / +39.395s / 0点
  12. ミック・シューマッハ(ハース)24周 / +41.159s / 0点
  13. 周冠宇(アルファロメオ)24周 / +41.763s / 0点
  14. バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)24周 / +42.338s / 0点
  15. 角田裕毅(アルファタウリ)24周 / +50.306s / 0点
  16. ランス・ストロール(アストンマーチン)24周 / +50.700s / 0点
  17. エステバン・オコン(アルピーヌ)24周 / +51.756s / 0点
  18. フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)24周 / +53.985s / 0点
  19. ニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)24周 / +76.850s / 0点
  20. アレックス・アルボン(ウィリアムズ)12周 / DNF / 0点

第21戦サンパウロGP:PU/GBアップデート・グリッド降格ペナルティ

現地土曜日段階のFIA公開ドキュメント(Decision Documents)によると、パワーユニット(PU)関連では、ハースのマグヌッセン、ミック・シューマッハ、フェラーリのサインツがエキゾーストを交換。規定ギリギリの8基目となりいずれも罰則はない。また、前述通りサインツはさらに6基目のICE(内燃エンジン)開封(規定4基まで)により5グリッド降格となっている。

ギアボックス(GB)関連では、フェルスタッペン、ピエール・ガスリー、角田裕毅のマシンが手を入れているが、ペナルティはない。

スプリントでは、ハミルトン、ダニエル・リカルド(マクラーレン)、周冠宇(アルファロメオ)にグリッドからはみ出ていた疑惑があったが、グリッドラインが規定よりも狭くなっていたことなどからおとがめなしとなった。年間累積ペナルティポイントが10点に達し、あと2点で出場停止危機にあったガスリーに違反行為の審議があったものの、こちらも回避した。

第21戦サンパウロGP:決勝スターティンググリッド

サンパウロGPはスプリントフォーマットのため、スプリント結果と各種グリッド降格ペナルティを反映した決勝スターティンググリッドは以下となる。前述通り、サインツの5グリッド降格により、メルセデスが1-2グリッドを独占した。

サンパウロGP 2022 決勝スターティンググリッド

  1. ジョージ・ラッセル(メルセデス)予選3位 / スプリント1位
  2. ルイス・ハミルトン(メルセデス)予選8位 / スプリント3位
  3. マックス・フェルスタッペン(レッドブル)予選2位 / スプリント4位
  4. セルジオ・ペレス(レッドブル)予選9位 / スプリント5位
  5. シャルル・ルクレール(フェラーリ)予選10位 / スプリント6位
  6. ランド・ノリス(マクラーレン)予選4位 / スプリント7位
  7. カルロス・サインツ(フェラーリ)予選5位 / スプリント2位
  8. ケビン・マグヌッセン(ハース)予選1位 / スプリント8位
  9. セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)予選13位 / スプリント9位
  10. ピエール・ガスリー(アルファタウリ)予選12位 / スプリント10位
  11. ダニエル・リカルド(マクラーレン)予選14位 / スプリント11位
  12. ミック・シューマッハ(ハース)予選20位 / スプリント12位
  13. 周冠宇(アルファロメオ)予選17位 / スプリント13位
  14. バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)予選18位 / スプリント14位
  15. 角田裕毅(アルファタウリ)予選19位 / スプリント15位
  16. ランス・ストロール(アストンマーチン)予選15位 / スプリント16位
  17. エステバン・オコン(アルピーヌ)予選6位 / スプリント17位
  18. フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)予選7位 / スプリント18位
  19. ニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)予選16位 / スプリント19位
  20. アレックス・アルボン(ウィリアムズ)予選11位 / スプリント20位(DNF)

第21戦サンパウロGP決勝展望:予選とスプリント同様、波乱の展開となるか?

予選でマグヌッセンがポールを奪い、スプリントではラッセルが初制覇と、ここまで好調を極めていた王者フェルスタッペンが苦戦を強いられるまさかの展開を迎えている。

スプリントフォーマットにおいてはマシン調整の時間も必然的に短くなるため、通常GPよりもパフォーマンスバランスが難しい面がある。フェルスタッペン自身は、ミディアムタイヤからソフトに換えたところで4位は変わらなかったという旨の発言もしており、マシンの状況は万全とはいえないようだ。

僚友のセルジオ・ペレスもメルセデスとフェラーリに比べて不安定なパフォーマンスに懸念を表明しており、やはりデグラデーションが酷いと述べている。パルクフェルメ規定ですでにマシンセッティングも再調整できないため、決勝でもレッドブル勢の苦戦は免れない可能性が高い。

一方でメルセデスの勢いは本物だ。シーズン中盤までのポーパシング問題に悩まされていた頃とは打って変わり、後半戦で眼を見張るようなパフォーマンスを発揮していたが、ついにラッセルのスプリント制覇という形で実を結んだ。ラッセル自身も今季は好調にあり、頼れる僚友ハミルトンに先んじて表彰台にのぼることも多くなっていたが、サンパウロの地で決勝初勝利も見えてきた。

フェラーリ勢はシャルル・ルクレールが低調だが、サインツは安定しており、7番手発進になっても依然脅威となるだろう。

サンパウロGP決勝は11月14日(月)午前3時からスタートとなる。日本国内向けの中継はフジテレビNEXT(CS放送・ネット配信)、DAZN(ネット配信)で有料視聴できる。

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日本編集部所属。ボクシング・格闘技担当編集者。