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今シーズンも多くのルーキー達が一軍での出番を勝ち取った。結果を残した選手がいる一方で、「プロの壁」に跳ね返された選手もいた。しかし、まだ1年目。うまくいったことも、そうでないことも、すべて経験となるはずだ。
★ポイント1:新人王は当確?DeNAのエース格となった東克樹
1年目からもっともチームに貢献したのが横浜DeNAベイスターズの東克樹だ。立命館大からDeNAへと入団した左腕は、先発ローテーションに入り11勝をマーク。防御率2.42は読売ジャイアンツの菅野智之に次ぐリーグ2位と、堂々の成績を残している。
チームがクライマックスシリーズ出場となれば、第1戦の先発もあり得るほどの活躍ぶりだ。170センチ、76キロと小柄ながらそれを感じさせないピッチングで、K%(打席に対する奪三振の割合)は24.4%と、菅野の25.1%に次いでセントラル・リーグ2位の数値を残している。
東は150キロを超える剛速球を持っているわけではない。チェンジアップを交え、緩急をつけたピッチングで三振を量産しているのだ。
すでに規定投球回にも到達しており、新人王に選ばれるのは間違いないだろう。DeNAには、今シーズンは奮わないものの今永昇太、濵口遙大、石田健大と強力な左腕が多い。まずは新人王の勲章を手に入れ、来シーズンは先輩たちと強力左腕ローテを形成したいところだ。
★ポイント2:清宮、安田、村上ら大砲候補の高卒組はそろって一軍で本塁打
北海道日本ハムファイターズの清宮幸太郎、千葉ロッテマリーンズの安田尚憲、東京ヤクルトスワローズの村上宗隆ら3人の高校生ドラフト1位たちはすでに一軍で本塁打を放っている。
清宮は、憧れでもある王貞治氏の1年目と同じ7本塁打を放ち、大器の片鱗をみせた。一方で、180打席60三振と、打席数の33.3%が三振で打率は.200とまだまだ確実性は低い。来シーズンに課題を克服したい。
高校時代、清宮のライバルと称された安田は、ここにきてスタメンでの出場機会が増えてきた。6月の「仮昇格」では打率.050(20打数1安打)と結果が出なかったが、9月末からは打率.233(30打数7安打)を記録し、少しずつではあるが成績を伸ばしてきた。10月2日の福岡ソフトバンクホークス戦ではファン待望のプロ入り初ホームランも放っている。来シーズンから本拠地・ZOZOマリンスタジアムには、ラッキーゾーン的なホームランラグーンシートが設置される。安田の本塁打増加に期待したい。
ファームで圧倒的な成績を残して一軍に昇格してきた村上は、初打席初本塁打というド派手なデビューを飾った。しかし、それ以降当たりは出ず。打率.083(12打数1安打)と低迷し、二軍降格を喫した。フェニックスリーグ、秋季キャンプで鍛え直し、来シーズンはレギュラー争いに加わりたい。
★ポイント3:なにごとも経験!来季以降の飛躍へ
その他の新人選手では、オリックス・バファローズの田嶋大樹が前半戦で結果を残した。先発ローテーションに加わった田嶋は6月末までに6勝(3敗)をマークしている。しかし、その後は疲労もあり登録抹消。シーズン中の復帰はならなかった。来シーズンは年間を通して働きたいところだ。
埼玉西武ライオンズの齊藤大将は中継ぎとして起用され、15試合に登板した。防御率5.27と結果は出ていないが、最終戦の先発にも抜擢されており、その期待値は高い。
一時は抑えに抜擢された中日ドラゴンズの鈴木博志は、不振による登録抹消期間が1カ月以上もあった。それにも関わらず、登板数は50試合を超えた。来シーズンは抑えの座を争いたい。
また、読売ジャイアンツの鍬原拓也、阪神タイガースの馬場皐輔、東北楽天ゴールデンイーグルスの近藤弘樹と大卒組は一軍出場を果たしているが、目立った結果は残せていない。また、ソフトバンクの吉住晴斗、広島東洋カープの中村奨成は高卒ということもあり、ファームで奮闘中だ。
それぞれの1年目がまもなく終わる。ルーキーということで大目に見てもらえるのは今シーズン限り。来シーズン以降は確固たる戦力としてチームに貢献できるような活躍に期待したい。
★おまけ:2017年ドラフト1位選手の成績
<野手>
選手名 | 所属 | 試合数 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | 三振 | 四球 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
清宮幸太郎 | 日本ハム | 53 | .200 | 7 | 18 | 0 | 60 | 16 | |
安田尚憲 | ロッテ | 16 | .160 | 1 | 7 | 0 | 17 | 7 | |
村上宗隆 | ヤクルト | 6 | .083 | 1 | 2 | 0 | 5 | 2 | |
中村奨成 | 広島 | 一軍出場なし | - | - | - | - | - | - |
<投手>
選手名 | 所属 | 試合数 | 勝 | 敗 | S | H | 投球回数 | 防御率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
東克樹 | DeNA | 23 | 11 | 5 | 0 | 0 | 149 | 2.42 | |
田嶋大樹 | オリックス | 12 | 6 | 3 | 0 | 0 | 68.2 | 4.06 | |
齊藤大将 | 西武 | 15 | 1 | 2 | 0 | 1 | 13.2 | 5.27 | |
鈴木博志 | 中日 | 53 | 4 | 6 | 4 | 12 | 49 | 4.41 | |
近藤弘樹 | 楽天 | 9 | 0 | 2 | 0 | 0 | 29 | 6.83 | |
鍬原拓也 | 巨人 | 6 | 1 | 2 | 0 | 0 | 27.2 | 6.83 | |
馬場皐輔 | 阪神 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | 8.2 | 5.19 | |
吉住晴斗 | ソフトバンク | 一軍出場なし | - | - | - | - | - | - |
※数字は2018年10月5日終了時点
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