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今シーズンも多くの新外国人選手達が日本にやってきた。MLBでの実績もある超大物や、ジャパニーズドリームを掴むためにやってきた若手など、その背景は様々だ。それは結果についても同様だ。大活躍を見せた選手がいる一方で、思うような成績を残せなかった選手もいる。
★ポイント1:圧倒的な本塁打率を記録したネフタリ・ソト
もっとも活躍した、あるいはインパクトを残した新外国人選手は、横浜DeNAベイスターズのネフタリ・ソトだろう。その活躍はまさに特A評価と言っていい。
実は、ソトは昨シーズンオフにテスト入団でDeNAに加入しており、いわゆる超大物として迎え入れられたわけではない。また、DeNAはホセ・ロペス、ジョー・ウィーランド、スペンサー・パットン、エドウィン・エスコバー、エディソン・バリオスと外国人選手が多く、事実上、5番手ないしは6番手として考えられていたのである。
開幕こそ一軍で迎えたが故障もあり、試合に出場することなくファームへ降格してしまう。デビュー戦はゴールデンウィーク終盤の5月6日だった。その試合で本塁打を含むマルチ安打と上々のデビュー戦を飾ると、そこから4試合連続マルチ安打を記録する。その後ももシーズンを通して打ちまくり、107試合の出場で打率.310、41本塁打、95打点の成績で本塁打王を獲得した。
とくに本塁打率10.15(416打数41本塁打)は、パシフィック・リーグ本塁打王である埼玉西武ライオンズの山川穂高(541打数47本塁打)の11.51をしのぎ12球団トップの数字である。
すでに来シーズンはDeNAでプレーすることが決まっており、球団からも発表があった。シーズンを通してどのような成績を残してくれるのか楽しみな存在だ。
<2018年成績>
ネフタリ・ソト(DeNA)
107試合/打率.310/41本塁打/95打点/0盗塁
★ポイント2:優勝へ大きく貢献した途中加入のセットアッパー
ソトほどのインパクトは残せなかったが、チームに欠かせない存在として奮闘した選手もいる。その筆頭格がヘロニモ・フランスアだ。育成契約として今シーズン海を渡ってきたフランスアは5月20日に支配下登録を勝ち取った。その後、中継ぎとして47試合に登板し、150キロを超えるストレートを武器にセットアッパーとして優勝に大きく貢献。防御率1.66もさることながら、65回を投げて81奪三振と、高い奪三振能力で幾多のピンチを救ってきた。
途中入団組では埼玉西武ライオンズのカイル・マーティンも結果を残した。西武は強力な打線をたずさえ首位を走っていたが、中継ぎ投手陣に不安があった。その不安を打ち消すためにやってきたひとりがマーティンだ。セットアッパーとして22試合に登板し、防御率2.08。不安のあった試合終盤を任せられる存在として重宝された。
このようにリーグ制覇を果たした広島、西武の両球団は「途中加入の外国人セットアッパー」がうまくはまったと言えるだろう。
<2018年成績>
ヘロニモ・フランスア(広島)
47試合/3勝4敗1S19H/65回/81奪三振/防御率1.66
カイル・マーティン(西武)
22試合/2勝1敗1S10H/21.2回/26奪三振/防御率2.08
★ポイント3:パ・リーグの先発投手が結果を残す
その他にも好結果を残した選手はいる。野手では中日ドラゴンズのソイロ・アルモンテがそうだ。ヒゲがトレードマークの新外国人は打率.321、15本塁打、77打点と下位に低迷するチームのなかで奮闘した。すでに離日しているが、「ドラゴンズブルーの血が流れている」とコメントしており、残留が濃厚。途中加入組では福岡ソフトバンクホークスのユリスベル・グラシアルも故障離脱したアルフレド・デスパイネの穴をみごとに埋めた。
投手陣ではパ・リーグの先発投手に活躍が目立った。北海道日本ハムファイターズのニック・マルティネス、オリックス・バファローズのアンドリュー・アルバース、千葉ロッテマリーンズのマイク・ボルシンガーらがエース級の働きを見せた。セ・リーグではオネルキ・ガルシアがシーズンを通して活躍している。
ここに名前を挙げた選手はA評価の成績を残したと言っていいだろう。
<2018年成績>
ソイロ・アルモンテ(中日)
132試合/打率.321/15本/77打点/1盗塁
ユリスベル・グラシアル(ソフトバンク)
54試合/打率.292/9本/30打点/1盗塁
ニック・マルティネス(日本ハム)
25試合/10勝11敗/161.2回/93奪三振/防御率3.51
アンドリュー・アルバース(オリックス)
19試合/9勝2敗/114回/83奪三振/防御率3.08
マイク・ボルシンガー(ロッテ)
20試合/13勝2敗/117.2回/84奪三振/防御率3.06
オネルキ・ガルシア(中日)
27試合/13勝9敗/168.2回/132奪三振/防御率2.99
★おまけ:苦しんだ選手も多い
一方で期待された成績を残せなかった選手も多い。阪神タイガースのウィリン・ロサリオもそのひとりだ。球団史上最高額となる3億4000万円の年俸でやってきたが、期待された本塁打は8本、打率.242と結果を残すことができなかった。来シーズンの契約は難しい状況だ。左の大砲としてやってきたオズワルド・アルシア(日本ハム)も苦しんだ。89試合で14本塁打を放ったが、打率は2割2分2厘と低迷した。
また、中継ぎとして期待のかかったニール・ワグナー(西武)も36試合に登板したが防御率4.22と不安定。シーズン最終盤に戦力外となり、優勝の輪に加わることはできなかった。
このように1年目から結果を残す選手がいる一方で、苦しんだ選手も多い。他国での実績だけでは、日本で活躍するかどうかわからない、ということが改めてよくわかる。それがまた、野球のおもしろさなのかもしれない。
<2018年成績>
ウィリン・ロサリオ(阪神)
75試合/打率.242/8本塁打/40打点/0盗塁
オズワルド・アルシア(日本ハム)
89試合/打率.222/14本塁打/43打点/0盗塁
ニール・ワグナー(西武)
36試合/2勝1敗1S9H/32回/24奪三振/防御率4.22
※数字は2018年シーズン終了時点
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