【ベラトールMMA】ミルコ vs. ネルソン! 2・17『ベラトール 216』ピックアッププレビュー

堀江ガンツ Gantz Horie

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日本時間2月16日(土)&17日(日)に米コネチカット州アンカスビルのモヒガン・サン・アリーナにて、メジャー格闘技イベント『ベラトール 215』『ベラトール 216』が開催される。今回は、特に日本のMMAファンにとって注目のミルコ・クロコップ vs. ロイ・ネルソン戦が行われる17日の『ベラトール 216』の見どころをプロ・格ライターのガンツ堀江が解説する。

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ミルコ vs. ネルソン、PRIDEレジェンド対決再び!

豪華3大注目カードが組まれた今大会。日本のMMA(総合格闘技)ファンにとって、まず目を引くのは、ミルコ・クロコップ vs. ロイ・ネルソンの一戦だろう。

両者は、2011年10月に『UFC 137』でも対戦済だ。この時は、ミルコの打撃をしのいだロイ・ネルソンが、3ラウンドにマウントパンチでTKO勝ち。試合後、ミルコは一度引退を表明するなど明暗を分けたが、現在の勢いは逆転している。

ミルコは2014年から再び日本を主戦場に移すと、アントニオ猪木が主宰するIGFで元柔道金メダリスト石井慧に連勝。さらに2016年にはRIZIN無差別級トーナメントに優勝するなど、現在9連勝中だ。

対するロイ・ネルソンは、2017年9月からベラトールに参戦し、緒戦こそジャビー・アヤラに勝利したが、その後は2連敗。直近の昨年10月には、セルゲイ・ハリトーノフにTKO負けを喫している。MMA界で屈指の打たれ強さを誇ったネルソンも、さすがにキャリアを重ねダメージが蓄積したためか、それも陰りが見え始めた格好だ。

はたして、7年半ぶりの再戦でネルソンはミルコを返り討ちにして、復活を遂げることができるのか。それとも、ミルコが2015年のガブリエル・ゴンザーガ戦に続き、リベンジを達成するのか。レジェンド同士の生き残りを賭けた闘いだ。

 

ヘビー級タイトル戦線を占う、元王者と古豪の激突!

続く、コ・メインイベント(セミファイナル)では、元ベラトール世界ヘビー級王者ヴィタリー・ミナコフが、古豪シーク・コンゴと対戦する。

ロシアの柔道ナショナル王者、サンボ世界王者の肩書きを持つミナコフは、2013年11月に、現UFCヘビー級トップ5ランカーであるアレキサンダー・ヴォルコフを1ラウンドTKOで破り、ベラトール世界ヘビー級王座を獲得。その後、2014年4月に今回対戦するシーク・コンゴに判定勝ちで初防衛に成功する。

しかしその後、主戦場を母国ロシアに移し、防衛戦を行う意思がないと判断され王座は剥奪されてしまう。それでもロシアでアントニオ・シウバやピーター・グラハムに勝利するなど連勝を続け、現在MMA21戦全勝。パーフェクトレコードのまま、約5年ぶりにベラトールに帰ってきた。

対するシーク・コンゴは、2007年9月にUFCでミルコを破ったことで知られているが、現在は円熟味を増し、ベラトールで7連勝中。MMA界の古豪として、前王者ミナコフのかませ犬になるつもりはさらさらないだろう。

足掛け2年にわたって行われた『ベラトール世界ヘビー級王座決定トーナメント』は、決勝でライアン・ベイダーがエメリヤーエンコ・ヒョードルを秒殺して幕を閉じたが、今回のヴォルコフ vs. コンゴの結果は、今後のベラトール・ヘビー級戦線を大きく左右することは間違いない。

 

メインイベントは3年越しの因縁バトル

そして『ベラトール 216』のメインイベントは、昨年9月に開幕したベラトール世界ウェルター級GP・1回戦として、“MVP”ことマイケル・ペイジとポール・デイリーが対戦する。

マイケル・ペイジはキックボクシングで数多くの結果を残し、MMAでは現在13戦全勝。2016年7月には、エヴァンゲリスタ・サイボーグを跳びヒザ蹴りでKOして、引退に追い込むほどの強烈な打撃の持ち主だ。対するポール・デイリーも、UFC、ストライフォースを経て、2013年からベラトールに参戦した英国屈指のストライカーとして知られる。

ペイジは、セミコンタクトのキック、空手の王者でもあり、距離を支配して相手の打撃を無力化しながら、トリッキーな打撃を叩き込んでいく独創的なファイターだ。一方のポール・デイリーは、アグレッシブに前に出て、打ち合い上等の闘いを見せるファイタータイプで、同じストライカーでも対称的なスタイルを持っている。

両者は2017年5月の『ベラトール 179』ロンドン大会から舌戦を展開。実に3年越しの因縁のカードは、無敗のMVPをデイリーが爆発力で打ち破るのか、それともマイケル・ペイジがその天才ぶりを改めて見せつけるのか。激闘必至のメインイベントだ。

 

『ベラトール 216』関連動画

 

『ベラトール 216』 概要

開催日:日本時間2月17日(現地16日) 正午からDAZNで独占ライブ配信予定
開催地:米コネチカット州アンカスビル「モヒガン・サン・アリーナ」

『ベラトール 216』メインカード

▽ベラトール世界ウェルター級王者決定トーナメント一回戦
マイケル・ペイジ vs. ポール・デイリー

▽ヘビー級
シーク・コンゴ vs. ヴィタリー・ミナコフ

▽ヘビー級
ミルコ・クロコップ vs. ロイ・ネルソン

▽ウェルター級
ヤロスラフ・アモソフ vs. エリック・シルヴァ

▽女子フライ級
ヴァレリー・ロウレダ vs. コルビー・フレッチャー

 

ベラトールMMAとは

「ベラトールMMA(Bellator MMA)」とは、UFCに次ぐアメリカの総合格闘技団体/イベントで、ロンダ・ラウジーを発掘したMMA団体StrikeForceの運営に携わったスコット・コーカー氏の手腕により、エメリヤーエンコ・ヒョードル、ミルコ・クロコップ、ヴァンダレイ・シウバなどMMA界のビッグネームを次々に獲得。2018年大晦日『RIZIN.14』にバンタム級王者ダリオン・コールドウェルを派遣。そのコールドウェルに勝利した堀口恭司(ほりぐちきょうじ)の参戦も期待されている注目のイベントだ。

 

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※記事はIOC公式サイト『 Olympic Channel 』提供

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堀江ガンツ Gantz Horie

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栃木県出身。プロレス・格闘技ライター。『紙のプロレスRADICAL』編集部を経て、2010年からフリーランスで活動。『KAMINOGE』を主戦場に『Number』『週刊プレイボーイ』『BUBKA』『昭和40年男』など、多くの媒体で執筆。『Number Web』ではコラムを連載中。主な著作に『闘魂と王道 昭和プロレスの16年戦争』(ワニブックス)がある。WOWOW『UFC-究極格闘技-』などテレビ解説も務める。