「何の意味もない」「サイテー」…NCAAのルール変更に批判殺到

Sean Deveney

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今年FBIの捜査が入ったスキャンダルを受けて、NCAA(全米大学運動協会)が発表した新しいルールは、このルールによってより厳しく監視されることになる人々から反発を買っている。プロ入り前に大学生選手と契約することになるエージェントたちだ。

「これは何の意味もない」とあるエージェントはスポーティングニュースに語る。

「これは最低だ。NCAAはただ、問題を他の誰かに押し付けて、責任逃れをしようとしているだけだ。NBAがどうにかしないといけない」

NBA入りを目指す選手たちにとって、特に影響の大きいルールは二つある。一つは、5月にNBAコンバイン(ドラフト候補選手の能力測定会)に招待されたもののドラフト指名を受けなかった選手たちは、復学することができるというもの。この恩恵を受ける選手は一握りであるものの、価値ある変更だ。

もう一つは、“エリート”と分類される選手たちが、エージェントと関係を持てるようになること。NCAAは、USAバスケットボール(米国バスケットボール協会)にどの選手がエリートなのかを指定するよう求めた。問題は、USAバスケットボールが必ずしもこの仕事を望んでいないことだ。さらに言うと、多くのエージェントたちは選手、あるいはその家族やコーチたちとすでに関係を持ち、選手たちの決断に関与している。

このルール変更は、NBAの『ワン・アンド・ダン』ルール(大学に1年だけ在籍したあとNBA入りすること。NBAは米国人選手のリーグ参加資格を19歳以上かつ高校卒業後1年経過していことを条件としている)がなくなってはじめて、意味あるものにある。

別のあるエージェントは「いくつかのステップは良いし、少なくとも正しい方向に向かっている。けれども、NBAがシステムを変えない限りは、何も変わらない。NCAAは額縁を塗りつぶしているようなものだ。NBAと選手会が、重い腰を上げなければならない」と言う。

「全てはよりGリーグ(NBAゲータレード・リーグ、NBA選手の育成を目的とするNBA直轄の下部リーグ)と密に関わる方向に向かっている」

5年以上にわたって議論されているこの計画では、大学進学を希望しない選手は、高校卒業後にGリーグで報酬をもらいながらプレーした後にNBA入りすることができ、大学に進学する選手は、定められたNCAAのシーズン(おそらく2シーズン)を経て、NBA入りすることができる、というものだ。

この計画はしかし、NBA全30チームがGリーグのチームを運営することになって初めて実現する。ポートランド・トレイルブレイザーズ、デンバー・ナゲッツ、ニューオーリンズ・ペリカンズの3チームは、Gリーグのチームを持っていない。ブレイザーズとペリカンズは、Gリーグのチームを持つ方向で動いている。そして選手のNBA入りに関するあらゆる変更は選手会の同意を得なければいけない。

つまり、NCAAのルール変更は全く意味がないのだ。オーナーたちと選手たちが共に賛成する代替案が見つからない限り、NBAはワン・アンド・ダンを変えないだろう。エリート選手たちがエージェントと交流できるようにするルールも、意味がない。もしNBAがルールを変えたら、全てのシステムは上書きされるからだ。

リーグ関係者によると、NBAはNCAAのルール変更について、NCAAからの十分な情報提供を求めている。しかし、NCAAが今回行なったルール変更の発表に、NBAは納得していない。あるいは、NCAAが単に問題を他者になすりつけたように見えることにも。

「NCAAがやっていることは無謀だ」とあるエージェントは言った。

「本当にルールを変えられるほど、彼らは組織として強くない。NBAは強い組織を望んでいるが、NCAAはそうなっていない」

「何にせよ、大きな変化はNBAからしか生まれない。彼らが席について必要なルール変更を行えるようになるまでには、あと数年ある。選手会が何を求め、何を譲歩するのかはわからない。とにかくNCAAのルール変更は、大して何も変えることはない」

原文:NBA agents blast NCAA rule changes: 'This is BS... They didn't do anything'
翻訳:Muneharu Uchino

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Sean Deveney

Sean Deveney is the national NBA writer for Sporting News and author of four books, including Facing Michael Jordan. He has been with Sporting News since his internship in 1997.