YouTuber対MMA戦士のボクシングマッチ再び…元UFC王者ウッドリーがジェイク・ポールと対戦決定

神宮泰暁 Yasuaki Shingu

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現地時間6月6日にボクシング界のレジェンド、フロイド・メイウェザーとエキシビションマッチで対戦する人気YouTuberのローガン・ポール。その試合の記者会見にも登場した弟ジェイクの次戦が元UFCウェルター級王者タイロン・ウッドリー(いずれも米国)に決まり、8月28日に開催される。ジェイクの新たな契約先で、試合を中継する米放送局『Showtime』が発表した。

兄ローガン同様にYouTuberであるジェイクは、2018年にYouTuber同士の試合でアマチュアボクシングデビューし、5回TKO勝ち。2020年1月にはプロライセンスを獲得した上でやはりYouTuberと対戦し、1回TKO勝利。同年11月にはマイク・タイソン対ロイ・ジョーンズ・ジュニアのエキシビションマッチが行われた大会で、元NBAのネイト・ロビンソンを2回TKOで下した。

格闘技界でジェイクが最も注目を浴びたのは、2021年4月17日のUFCなどで知られるベテラン総合格闘家ベン・アスクレンとの試合だろう。ジャッジに疑義はついたものの、1回TKOでアスクレンを撃破した。

当初、ジェイクはUFCのメガスターであるコナー・マクレガーとの試合を画策するも、UFC代表のダナ・ホワイト氏が猛反発。すると新たな相手を求め、ボクシング界のレジェンドやMMAファイターたちを挑発していった。そして、2019年秋に現役を引退しながらも、尚もUFC契約下にあったアスクレンが、ある種の"刺客"として送り込まれた形だったが、よもやのTKO負けでMMA業界に衝撃を与えることになった。

ポール兄弟による話題性重視のボクシングにMMAファイターが食い物にされた構図は、UFCのホワイト代表にとって好ましいものではなく、ジェイクの兄ローガンが元UFC二階級王者のジョルジュ・サン・ピエールとの対戦を目論むも、ホワイト代表が断固拒否するなどの動きがあった。

ジェイクの次戦についてもMMAファイターになるとされていたが、6月1日、試合を中継する『Showtime』からタイロン・ウッドリーになると正式発表された。ウッドリーは元UFCウェルター級王者で、レスリングではオールアメリカンの実力者であり、19勝中7KOと強烈なストライカーとして知られた。アスクレンの盟友でもあるため、まさしく仇討ちとなるとあって、Twitter上では「Woodley」がスポーツの米国トレンド1位になった。

しかし、米スポーツ専門誌『The Athletic』の編集長グレッグ・ローゼンタールは、ウッドリーが今年3月にUFCを離れる直近の試合で4敗しており、現在39歳という点を指摘。そしてキックやテイクダウンが使えない以上、ボクシングのプロではないウッドリーにジェイクが警戒することは少ないとし、このマッチアップがジェイクの今後のキャリアにとって理にかなったものだと冷静に分析した。

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神宮泰暁 Yasuaki Shingu

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日本編集部所属。ボクシング・格闘技担当編集者。