石田匠:プロ16年目、誰よりも長いキャリアを持つ男の夢は実現するのか|戦績・経歴|5.6 東京ドーム

神宮泰暁 Yasuaki Shingu

小座野容斉 Yosei Kozano

石田匠:プロ16年目、誰よりも長いキャリアを持つ男の夢は実現するのか|戦績・経歴|5.6 東京ドーム image

5月6日(月・祝)に東京ドームで行われる4大世界タイトルマッチ。井上尚弥の弟、井上拓真が保持するWBA世界バンタム級タイトルに挑戦するのが、石田匠だ。

今回4大世界戦に登場する日本人選手の中では、じつは最も長いキャリアを持つ石田とは、どんなボクサーなのか。そのプロフィールと戦績を紹介する。

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■井岡一翔に憧れてボクサーになった苦労人

1991年11月17日、大阪府堺市生まれ。井岡一翔に憧れて、井岡ジムでボクシングを始め、秋桜高校2年時の国体バンタム級で優勝した。

プロデビューは2009年2月、今年でプロ16年目となる。苦節◯◯年を地で行く苦労人だ。

初タイトル獲得は今から10年前。2014年8月11日、後楽園ホールで日本スーパーフライ級王者の戸部洋平に挑戦し、3-0の判定勝ちを収め王座を獲得した。

そこから、2016年4月の船井龍一戦まで5連続防衛。7月に日本スーパーフライ級王座を返上した。

2017年10月28日、英国ウェールズ・カーディフのプリンシパリティ・スタジアムでWBA世界スーパーフライ級王者のカリッド・ヤファイに挑戦し、0-3で判定負け。プロ25戦目で初の敗戦となった。

現時点では、これが唯一の世界戦となっている。石田は、その後も白星を重ねたが、やはり肝心な試合では敗れ、足踏み状態が続くことになる。

2019年12月には、IBF世界スーパーフライ級挑戦者決定戦を日本で戦ったが、イスラエル・ゴンサレスに1-2のスプリットデシジョンで判定負け。2021年12月にも、元世界3階級制覇王者の田中恒成に1-2で判定負けを喫した。その1年前に井岡一翔に惨敗した田中は、この再起戦を経て、2024年2月にWBO世界スーパーフライ級王座を獲得して史上最速4階級制覇を達成した。

■井上拓真への挑戦権獲得、東京Dで「ラストチャンス」へ

実力者・田中がその強さを認めながらも、勝負どころで勝てない石田だったが、再び世界戦が見えてきた。

2023年6月、地元・大阪で、WBA世界バンタム級挑戦者決定戦を行い、同級4位のビクトル・サンティリャンに2-1(116-112が2者、110-118)の判定勝ちを収め、井上拓真が保持している王座への挑戦権を獲得したのだ。

直近の試合は2023年12月10日。ジェームス・パガリンを3回TKOで破っている。

待ちに待った2度目の世界戦が、東京ドームという日本ボクシング界における最大の大舞台に決まった。タイトルマッチに向けて最初の世界戦の頃とは「別人になった」とメディアに答えたが、それを証明したのがパガリン戦だった。

オーソドックスの石田は、よく伸びる左のジャブで相手の動きを封じ、右のストレートやアッパーを突き刺すアウトボクシングがベースだ。だが、世界王者として技術で優る拓真に対してはそのスタイルでは後塵を拝する可能性が高い。だからこそ、これまでとは違う、接近戦での戦い方をパガリン戦で披露した。

7年ぶりの世界戦。今年11月に33歳になる石田にとっては、「ラストチャンス」かもしれない。小学校6年生でボクシングを始めて22年。人生の2/3はボクサーだった石田の夢「世界チャンピオンになること」は実現するのだろうか。

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■石田匠の実力は?

石田は現在、WBA世界ランキング1位で指名挑戦権を保持する。


■石田匠のプロフィールとプロ戦績

  • 本名:石田匠(いしだ・しょう)
  • ニックネーム:浪速のプリンス
  • 出身地:大阪府堺市
  • 生年月日:1991年11月17日(32歳)
  • 身長:172cm
  • リーチ:177cm
  • 総試合数:37
  • 戦績:34勝(17KO)3敗
  • 獲得タイトル
    • 第37代日本スーパーフライ王座(5度目の防衛後に返上)

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神宮泰暁 Yasuaki Shingu

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日本編集部所属。ボクシング・格闘技担当編集者。

小座野容斉 Yosei Kozano

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東京都出身 早稲田大学政治経済学部卒。1989年毎日新聞に入社、写真部のカメラマンとして、春・夏の高校野球、プロ野球、ラグビーなどを撮影。デジタルメディア局に異動後は、ニュースサイト編集の傍ら、「K-1」などの格闘技、フィギュアスケート、モータースポーツも撮影してきた。アメリカンフットボールは、個人のライフワークとして、トップリーグの「Xリーグ」を中心に年間約70試合を撮影・取材。2020年2月毎日新聞を退社後は、ウェブ「アメリカンフットボール・マガジン」で約700本の記事を配信した。また、「NFLドラフト候補名鑑」出版にも携わった。日本スポーツプレス協会(AJPS)会員。