試合に臨む中谷潤人(MT)は、常に喜びに満ちた表情を見せる。10月14日(月・祝)に東京・有明アリーナで開催される『Prime Video Boxing 10』DAY2のメインイベントとなるWBC世界バンタム級タイトルマッチでも、挑戦者のペッチ・ソー・チットパッタナ(タイ)を相手に見事防衛を果たすと予想されている。そのとき中谷は、きっと満面の笑みを浮かべていることだろう。
この試合を含む『Prime Video Boxing 10』DAY1ならびにDAY2の世界戦7試合、そして那須川天心の地域タイトル初挑戦の試合は、Amazonプライムビデオで独占ライブ配信される。
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中谷(28勝0敗、21KOs)は強烈なパンチを持つノックアウト・アーティストで、これまで3階級を制覇してきた。現在のボクシング界で最もエキサイティングなファイターのひとりと言っていい。直近の試合(2024年7月20日)ではビンセント・アストロラビオ(フィリピン)をボディショットで沈め、1ラウンドKO勝利を収めている。
対するペッチ・CPフレッシュマート、あるいはタッサナ・サラパットとして知られるタイのチットパッタナ(76勝1敗、53KOs)は、中谷戦で「+1600」のオッズを付けられるほど圧倒的劣勢を予想されており、もはや試合をするまでもないのでは、とすら思われている。キャリア通算77戦の実績はあるが、これまでに中谷レベルの対戦相手と拳を交えたことはなく、この試合では力の差を嫌というほど見せ付けられるだろうと考えられており、新たなKOリールの素材になりそうだ。
そこで、ここでは名門『The Ring』誌(リングマガジン)の元編集人で、現本誌格闘技部門副編集長のトム・グレイが、一足早くチットパッタナ戦の次の中谷の対戦相手としてクローズアップされる「あの兄弟」との対決を予想する。
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中谷潤人と井上拓真の対戦はあるか?
中谷潤人vs井上拓真の対戦は、3つの意味で実現の可能性がある。
まず、両者の試合がバンタム級の統一戦になるということ。そして、両者共に日本人であるのでマッチメイクがしやすいということ。最後に、パウンド・フォー・パウンド(PFP)1位を目指す上で、中谷が目標とする『モンスター』井上尚弥が、自分と戦いたいのであればまず弟の拓真を倒してからだと発言していることだ。
「彼(中谷)がそういうステージに上がってくれば、対戦相手候補に挙がってくるんじゃないですか。ただ、(まずバンタム級統一のために)そこ(井上拓真)の壁がデカいんじゃないか。井上拓真は結構くせ者ですよ」と、井上はTJ・ドヘニー戦後の記者会見で、中谷の前に立ちはだかる弟・拓真の存在について言及していた。
井上兄弟が所属する大橋ジムの大橋秀行会長も中谷の統一戦を避ける理由はないとしている。
WBA世界バンタム級王者の井上拓真は、中谷の試合の前日、10月13日(日)に『Prime Video Boxing 10』DAY1のメインイベントとして堤聖也を相手に防衛戦を行う。井上拓真が防衛に成功し、翌日の試合で中谷も防衛成功となれば、両者の対戦の可能性は俄然現実味を帯びてくるだろう。
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中谷潤人と井上尚弥の対戦はあるか?
すでに述べたように、すべては中谷vs井上拓真のバンタム級統一戦の結果次第となる。
井上拓真はWBA世界バンタム級王者であり、2019年11月以降は負けを喫していない。世界のボクシング界の中でも、ここ数年最も力をつけてきたファイターの一人と言っても過言ではない。
とはいえ、中谷はすでに世界トップクラスのボクサーであり、PFPランキングにも名を連ねる選手。パンチ力で井上拓真に勝るだけでなく、ボクシング・スキルの面でも優れていると考えられている。もし対戦が実現すれば、オッズはかなり中谷優勢に傾くだろう。
そして、もし中谷が井上拓真を倒してバンタム級王座統一を果たせば、中谷潤人vs井上尚弥の一戦には井上兄弟のリベンジマッチというストーリーも加わって、中谷vs井上尚弥戦の可能性はさらに高まってくるはずだ。日本のボクシング史上最大級の試合となることは間違いない。
中谷自身もアストロラビオ戦後の記者会見で、「多くの人にこの試合を期待してもらっている。もっと強くなって、いい準備をしていきたい」と発言。目標とするPFPトップの座を目指す上で井上尚弥戦を実現したいと口にしている。
中谷vs井上兄弟実現の期待を胸に、まずは『Prime Video Boxing 10』での中谷潤人、そして井上拓真の戦いぶりを見届けたい。
※この記事はスポーティングニュース国際版の記事を翻訳し、日本向けに一部編集を加えたものとなります。翻訳・編集: 石山修二(スポーティングニュース日本版)
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