延期の村田諒太vsゴロフキン、4月9日に正式決定

神宮泰暁 Yasuaki Shingu

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延期になっていたプロボクシングのWBA世界ミドル級スーパー王者・村田諒太とIBF世界同級王者のゲンナジー・ゴロフキンの王座統一戦を、4月9日、さいたまスーパーアリーナで開催すると帝拳ジムが発表した。昨年末、日本政府が発出したオミクロン株対策の外国人入国禁止措置の影響で延期になっていた。

村田が所属する帝拳ジムは3月3日、東京都内のホテルでの記者会見で、村田対ゴロフキンの統一戦の再スケジュールを発表し、4月9日、さいたまスーパーアリーナでの開催を改めて発表した。

当初試合が予定されていた昨年12月29日を前にした同3日、日本政府が新型コロナウイルスの変異種であるオミクロン株に対する水際対策で、新規の外国人の入国を原則禁止を決めた。公益を伴う場合の特例にも批准せず、同時期の多くのイベント同様に開催が困難となり、止む無く延期となっていた。

2月中の開催を模索したものの、その時点では入国規制の緩和が期待できず、一旦断念。しかし、2月17日、日本政府が3月1日からの新規入国制限の緩和を表明したことで開催の目処が立ち、改めて4月開催での交渉が進み、合意に至ったという。

会見で村田は「年末にこういう会見をしたのが遥か昔のよう。試合が飛んで(延期になり)本当に実現できるのかとガッカリした気持ちもあった。いちボクシングファンとしてはここにいるメンバーの試合が凄く楽しみだった」と話し、"座長"として、ほかのファイターたちにも気遣いをみせた。

同イベントでは、ダブル世界戦として行われる、WBO世界フライ級王者・中谷潤人vs同級2位・山内涼太の日本人対決、世界戦への復帰を目指す伊藤雅雪が、東洋太平洋&WBOアジアパシフィック・ライト級王者の吉野修一郎に挑むアジア2冠戦などを予定している。

ここに至るまで自身も耐え忍ぶしかなかった。延期から4か月、「気落ちする期間もあった。モチベーションを保てたかと言えばそうではない」と正直に語ると、「良くないときもあったけど、最終的にはすごくいい状態ができた。延期期間で自分を高められた」と話し、最終的にはプラスに切り替えることができたという。

かつて東京ドームでマイク・タイソン(米国)が1988年と1990年に行なったタイトル戦を上回るファイトマネーになるとされ、日本ボクシング史上最大級のビッグマッチと謳われる同カード。懸念としては、2019年12月以来2年半近く実戦から離れた状態で臨むことになるゴロフキン戦だが、年末年始にはスパーリングパートナーが日本に残り、休み返上でトレーニングに協力するなど、スタッフにも恵まれた。

「試合が実現できることに凄く感謝してます。ご尽力いただいた方に感謝して、試合で最高のパフォーマンスを発揮したい」と力強く宣言した。

対するゴロフキンも主催者を通じてコメントを寄せ、「ようやく日程が決まったことをうれしく思います。日本の主催者の懸命な努力と、統一戦への全面的な支援に感謝します」と謝辞を述べた。

また、「村田諒太は素晴らしいチャンピオン。世界中のボクシングファンが、この美しい国とエキサイティングなイベントを目にすることを信じています。リングに戻り、"ビッグドラマショー"を日本で披露することを楽しみにしています」と抱負を語った。

ゴロフキン陣営は、村田戦に勝利した暁には、今夏か今秋に宿敵サウル"カネロ"アルバレスとの3度目の対決に持ち込むことを想定している(カネロも5月7日のドミトリー・ビボル戦に勝つ必要があるが)。36歳の村田が39歳のレジェンドの青写真を打ち砕けるか注目となる。

村田対ゴロフキン戦を含む同イベントは、日本国内ではTV中継ではなく、インターネット動画配信サービス『Amazonプライムビデオ』(月額税込500円、年間税込4900円)で独占ライブ配信される。すでに同サービス会員であれば追加料金なしで視聴できる。

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神宮泰暁 Yasuaki Shingu

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日本編集部所属。ボクシング・格闘技担当編集者。