16歳の天才ボクサー、ザンダー・ザヤスとは何者?

Steven Muehlhausen

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若い有望なボクサーが現れるときには、プロモーターやジムのマネージャーたちはまるで獲物を狙うピラニアのようになる。誰もが次のフロイド・メイウェザー・ジュニア、マニー・パッキャオ、あるいはオスカー・デラホーヤを探している。

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いじめられっ子からエリートボクサーに

約2週間前、大手ボクシングプロモーション会社のトップランク社は、誰もが次のスーパースターと考える若きボクサーと契約した。彼の名はザンダー・ザヤス。16歳での契約はトップランク社が誇る長い歴史の中でも最年少だ。

高校2年生のザヤスはスポーティングニュースの取材に応じ、こう語っている。

「契約にサインしたことはとても素晴らしい気分です。皆がお祝いのテキストを送ってくれたので、僕のスマホはパンクしました。」

ボクシングを始める前、ザヤスは友達とおもちゃで遊ぶことが好きなごく普通の子供だった。だが、ザヤスが5歳になる頃にいくつかの不幸な出来事がこのプエルトリコのサン・フアン市に住んでいた少年の人生を変えることになる。

「僕が遊んでいると、他の子供達にいじめられるようになったんです。僕はそのうちに外に出て友達と遊ぶことが出来なくなりました。そこで母は僕がこれ以上いじめられないようにと、僕をボクシング・ジムに連れて行ってくれました」

「ジムに入ったその日から、僕はすぐにボクシングが大好きになりました。そこで母にボクシングを続けたいと言ったんです」

ザヤスは6歳で初めてアマチュアの試合に出ると、その後20連勝を飾った。そこから現在までにアマチュア選手としてのキャリアを118勝14敗まで伸ばした。プエルトリコと米国でアマチュア王座に輝くことは11回を数え、その中には2017年で125パウンド(56.7キロ)級、2018年に152パウンド(68.9キロ)級を制した全米アマチュア選手権王座も含まれる。ザヤスは2018年の同大会で最優秀ボクサー賞にも選ばれている。

 

最高のチームとともに目指すはカネロ、そしてコット

ところがその全米大会の後、ザヤスは難しい選択を迫られることになった。9月5日に17歳になるザヤスは2020年東京オリンピックの出場資格が得られる年齢に45日足りなかったのだ。2024年のオリンピックを目標にアマチュアに留まるか、あるいはわずか16歳でプロに転向するかの岐路に立ったザヤスだったが、彼の選択はプロボクサーになることだった。

「僕はボクシングが大好きなんです。これが僕の人生の全てなんです。家族にも良い生活をしてもらいたいですし、これが僕の将来にとってもベストな選択だと確信しています。僕は年齢の割には大人なのかもしれません。他の16歳の子供とは違うと思いますし、彼らのようには振舞えません」

ザヤスは17歳になるのを待って、ウェルター級でプロデビューをする予定だ。場所はネバダ州かテキサス州のどちらかになるだろう。17歳でプロボクシングの試合に出場することを許可しているのはこの2つの州だけだからだ。

この年齢ではプロアスリートとしてのプレッシャーに耐えれないだろうという批判も多くある。そのような批判を理解したうえで、ザヤスはその強大なプレッシャーに打ち勝つための充分なサポートを周囲から受けられると言う。彼の母親、義父、トレーナーのハビエル・センテーノ、マネージャーのピーター・カーンらがそのサポート・チームを構成するメンバーだ。

「僕にはすごいチームがついています。彼らはいつも僕のためにベストを尽くしてくれて、どんなときでも僕を助けてくれます。僕には僕にとって誰が良い人で誰が悪い人かよくわかります。何かを決めるとき、僕と僕のチームは正しい決断をできるんです。そして僕が正しいことをしているかチーム全員に注意してもらうように頼みます。もし僕がしなければ、母か義父が僕の代わりにそうするでしょう。僕は僕がするべきことに集中します」

ザヤスには大きな期待が寄せられている。すでに同郷プエルトリコ出身の元4階級チャンピオン、ミゲール・コット(現プロモーター)と比較する声もある。ザヤス自身にとってもコットは子供の頃から憧れの存在であったし、その後継者になることを夢見ている。だがその前に目指すべきは今日のボクシング界で最も注目を集めている、あの男だ。

「僕はカネロ・アルバレスのように1歩1歩着実にキャリアを積みたいと思っています。急いで結果を出したいとは思いません。ですが、最初の数年間は皆が僕のファイトを見たいと思うような存在にならないといけません。だからリングに上がるときはいつもビッグマウスでいこうと考えています」
 

 

ザバスがどれほどのキャリアを築くことになるかは現時点では未知数だ。はたしてメイウェザー、パッキャオ、アルバレス、コットのような伝説王者たちと肩を並べる存在になるだろうか? それはザヤス自身にもわからない。だが、彼はボクシングファンに2つのことを約束した。

「ファンは数多くの名場面を目にするでしょう。そして僕は複数階級で世界チャンピオンになります」


 

原文:Who is 16-year-old boxing phenom Xander Zayas?

訳:角谷剛
 

 


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※記事はIOC公式サイト『Olympic Channel』提供

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Steven Muehlhausen is a contributing writer for DAZN News. He writes features and news stories, and provides analysis relating to the world of boxing. Over the past five years, he has interviewed some of the biggest names in combat sports, including Conor McGregor, Daniel Cormier, Terence Crawford, Vasiliy Lomachenko and Bill Goldberg.