【ボクシング】カネロvsチャーロ 勝敗予想、オッズ|専門家が分析

Andreas Hale

一野洋 Hiroshi Ichino

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『カネロ』ことサウル・アルバレスが持つスーパーミドル級4団体統一タイトルを懸けて、スーパーウェルター級4団体統一王者のジャーメル・チャーロが挑むメガマッチが、日本時間10月1日に米ラスベガスのT-モバイル・アリーナで行われる。

男子では史上初となるアンディスピューテッド王者対決の結果について、大手ブックメーカーの参考オッズに加え、『The Ring』や『Boxing Scene』などで執筆し、識者として業界への造詣も深いアンドレアス・ヘイルが徹底分析。本誌としての予想を紹介する。

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男子初の4団体統一王者対決はどう決着するのか

ジャーメル・チャーロは、カネロ・アルバレスに挑戦するために2階級を飛び越える大胆な決断を下し、テレンス・クロフォードとクラレッサ・シールズと並び、4団体時代に2つの異なる階級でアンディスピューテッド王者になる可能性を秘めている(シールズが男女通して史上初、クロフォードが男子初の2階級4団体統一達成者)。

しかし、チャーロがそこにたどり着くためには、現在のボクシング界の顔であり、史上最も偉大なメキシコ人ボクサーのひとりであるカネロ・アルバレスを相手にしなければならない。

アルバレス(59勝2敗2分、39KO)は、2023年5月のジョン・ライダー戦で満場一致の判定勝利を収めたばかり。その前には、長年のライバルであったゲンナジー・ゴロフキンに対しても満場一致の判定勝利でトリロジーに終止符を打った。これは、カネロが2022年5月にディミトリー・ビボルに判定で敗れ、WBA世界ライトヘビー級(スーパー)タイトルを獲得する試みで失敗したあとのことだ。33歳のカネロはキャリアの下降線にあると考える人もいるが、メキシコの英雄はそれが事実ではないことを証明しようとしている。

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一方のチャーロ(35勝1敗1分、19KO)は、最後にリングに上がったのが2022年5月。その時に、ブライアン・カスターニョを倒してスーパーウェルター級アンディスピューテッド王者になった。この対戦は、2人が引き分けた試合からほぼ1年後に実現した。チャーロは2020年1月以降わずか3試合しか戦っておらず、その内訳はジェイソン・ロサリオに対するKO勝ち、カスターニョとの引き分けと勝利だ。

2つ階級を上げるとは言え、チャーロはカネロに対して身長で10センチ、リーチで6センチのアドバンテージを持っている。これはアンディスピューテッド王者同士の魅力的な対決であり、ここでは日本時間10月1日にカネロとチャーロが対決の結果を予想する際に役立つ、ベッティングラインとベストベットを解説する。

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カネロ vs. チャーロ予想オッズ

米国のブックメーカー「BetMGM」(※)によれば、カネロが-350の有利(フェイバリット)で、チャーロが+275の不利(アンダードッグ)で、カネロ優勢と予想されている。

※9月25日付のオッズ。

カネロ vs. チャーロのベッティングトレンド

米国のブックメーカー「FanDuel」(※)によれば以下のベッティングトレンドになっている。

  • カネロのKO/TKO勝ち:+280
  • カネロの判定勝ち:-120
  • チャーロのKO/TKO勝ち:+950
  • チャーロの判定勝ち:+480
  • 引き分け:+1800

※9月25日付のオッズ。

本誌専門家が考察:カネロ vs. チャーロの勝敗予想

この試合に向けて多くの変数が影響を与える可能性がある。カネロに挑戦するために2つの階級を上げたチャーロが、どのように振る舞うかがポイントだ。追加の14ポンド(約6.35キロ)が、チャーロのパンチを受ける能力や与える能力に影響を与えるだろうか。スピードは同じだろうか。その一方で、カネロがキャリアの下降線にあり、技術の衰えの兆候を見せているのかという疑問もある。

まずカネロについて考察すると、彼は直近の3試合で素晴らしいパフォーマンスを見せたとは言い難い。率直に言えば、カネロらしくなかった。彼はライトヘビー級でディミトリー・ビボルに敗れたが、その後の2試合でゲンナジー・ゴロフキンとジョン・ライダーに勝利した。

多くの人は、ゴロフキン(ノックダウンしない選手)とライダーの両方をKOするだろうと予想していたが、カネロは判定勝利に終わった。パンチ力が減退しているのは懸念すべき点だが、それだけでチャーロが優位になるほどではないだろう。

チャーロも比較的パンチを経済的に使うが、過去8年間でそのパワーは光り輝いた。2015年10月以来、チャーロの9つの勝利のうち8つはノックアウトで決まり、オースティン・トラウト戦だけが判定までもつれた。ただし、チャーロが判定に持ち込むと、トニー・ハリソンに敗れたり、ブライアン・カスターノと引き分けたりしており、その戦績は1勝1敗1分だ。

この点から判断すると、チャーロは勝利を収めるためにパンチ力を新たな階級に持ち込む必要があるだろう。身長とリーチでアドバンテージを持っているが、それはカネロがスーパーミドル級へ移行してからのものだ。

チャーロにとってノックアウトの決着となるだろう。

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ジャーメル・チャーロがKOで勝つオッズは現在+950で、大穴に近いオッズだ。彼の戦績を考えると、これ(KO)がチャーロの勝利で最もありそうなシナリオに思える。ただし、カネロはノックダウンされたことはなく、ましてやノックアウト(KO)されたことはない。カネロはウェルター級だった2010年のホセ・コット戦以来、試合でひどくふらついたことはない。彼のあごが劣化していない限り、ゴロフキンのようなハードパンチャーができなかったことをチャーロが実現する可能性は低いだろう。

カネロのラスベガスでの試合履歴から判断すると、ジャッジによって有利に評価されるだろう。彼はフロイド・メイウェザー、エリスランディ・ララ、ビボル、ゴロフキンとの試合で物議を醸したスコアカードの恩恵を受けたことがある。チャーロは判定で勝つために12ラウンド中10ラウンドをスコアで制する必要があり、それは非常に難儀だ。

そしてほぼ確実に、カネロは勝つ方法を見つけるだろう。彼は優れたカウンターパンチャーであり、上半身の動きが良く、素晴らしいボディ攻撃を持っている。チャーロはディフェンスに難があり、それをカネロが利用することができ、身長とリーチのアドバンテージを相殺するだろう。

そして、接戦の場合、おそらくカネロが有利になるだろう。それがここでは最も安全な賭けだ。

スポーティングニュースの予想:カネロの判定勝ち(-120)

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※本記事は一部国際版記事(著者Andreas Hale)から抜粋・翻訳し、編集した記事となる。翻訳・編集:一野洋、編集:スポーティングニュース日本語版編集部 神宮泰暁
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Andreas Hale

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Andreas Hale is the senior editor for combat sports at The Sporting News. Formerly at DAZN, Hale has written for various combat sports outlets, including The Ring, Sherdog, Boxing Scene, FIGHT, Champions and others. He has been ringside for many of combat sports’ biggest events, which include Mayweather-Pacquiao, Mayweather-McGregor, Canelo-GGG, De La Hoya-Pacquiao, UFC 229, UFC 202 and UFC 196, among others. He also has spent nearly two decades in entertainment journalism as an editor for BET and HipHopDX while contributing to MTV, Billboard, The Grio, The Root, Revolt, The Source, The Grammys and a host of others. He also produced documentaries on Kendrick Lamar, Gennadiy Golovkin and Paul George for Jay-Z’s website Life+Times.

一野洋 Hiroshi Ichino

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青山学院大学を卒業後、米軍厚木基地に就職。その後、NFLを題材にしたライターを目指して渡米。アメリカでは寿司職人を経て、日系フリーペーパーの編集者となりNFL、MLB、NBAなどを取材。帰国後はNFL日本語公式サイトのディレクション業務などに従事した。ライターとしてNFL、海外競馬、サーフィンをメインに扱い、これまでにスーパーボウル、凱旋門賞などの海外競馬、ジャパン・オープン・オブ・サーフィンなど取材経験あり。