ボクシングの主要団体のひとつであるWBA(世界ボクシング連盟)が、暫定王座の廃止決定を発表した。WBAは近年、同じ階級内に複数の王座が乱立していたことから、削減の意向を表明していた。
WBA interim championships will be vacated
— WBA Boxing (@WBABoxing) August 25, 2021
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現地時間の8月25日、WBAのヒルベルト・メンドーサ会長はオンラインで行われた会見で、暫定王座の即時廃止を発表。現時点の各階級暫定王者は、指名挑戦者の立場に移行する決定がなされた。選手権委員会による決議の結果だという。
管理団体によって王座のグレードが違うが、WBAではスーパー王座を最上位として、レギュラー(正規)王座、ゴールド王座、暫定王座の順に4つが存在していた。今回の決定で最下位の王座にあたる暫定王座が廃止される。さらにゴールド王座も保持する各選手とそのプロモーターへの通知が完了し次第、階級によっては廃止になる見込みだという。8月末の世界ランキングから暫定王者、ゴールド王者も消滅し、それぞれの本来の順位で表示されるようになる。
暫定王者は肩書だけではなくベルトが存在する。直近では、同ライト級の暫定王者ローランド・ロメロ(米国)が7月17日に、暫定王座のタイトルマッチを行い初防衛に成功したが、廃止に伴い、暫定王者ベルトは価値を失い、ロメロは指名挑戦者に移行する。
王座乱立による世界戦の乱発、それに伴って王座の価値が低下するなど、メディアやファンからの批判を受けてきたWBA。削減計画では、レギュラー王者を置かず、最終的にスーパー王者への一本化を目指す意向を示しているという報道があるが、このスーパー王者の認定基準も近年では曖昧になっており、確固たる実績もないまま認定されるケースが増えている。今後、何を持ってスーパー王者とするのかも課題となりそうだ。
業界内ではWBCでもWBAのスーパー王者と同義のフランチャイズ王者が誕生しており賛否が起こっている。また当然ながら、暫定王者の肩書を失うことでファイトマネーや観客動員・PPV購買数へのプレゼンス低下は避けられず、少なからず反発が予想される。権威復興に向けてさらなる改革が進むのか、経緯を見守る必要がありそうだ。
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