最強のヘビー級ボクサーは誰だろうか。アンソニー・ジョシュアは間違いなくその候補の中の一人である。しかしだからといって彼が完全無欠のファイターであるという事ではない。
実際には、ヘビー級のトップファイターと名高い選手は数人いる。しかしながらアンソニー・ジョシュアとジョセフ・パーカーの対決は、この議論に対する答えを与えてくれるかもしれない。
ジョシュアには別の難しいテストが待ち受けているが、彼がWBOヘビー級チャンピオンであるジョセフ・パーカーを倒し、負け知らずのまま新しいベルトを手にする事だって可能だ。以下の項目がキーポイントとなる。
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構え
かなり基本的な事ではあるが、ジョシュアのプレーに明らかな非があるとすれば、それはディフェンスだ。彼は頭を沢山動かすわけでは無いし、試合が進むにつれて手を下げてしまいがちだ。
直近の2試合ではそれが顕著に現れた。彼の名刺代わりであるウラジミール・クリチコとの対戦では、第6ラウンドで手を下げてしまい、マットの上に倒れこんでしまう事になった。カルロス・タカムとの試合では第6ラウンドから手が段々と下がっていた。それがタカムの力を過小評価したからなのか、疲れたからなのか、他に理由があったからなのかは分からないが、タカムはその隙をつこうとした。
パーカーよりも格上であるが、パーカーの激しいルーピングパンチをかわすためにも手を上の方でキープするべきだ。
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スタミナ問題
キャリアを通してジョシュアのスタミナは疑問視されてきた。
彼はウラジミール・クリチコ戦で最長11ラウンドを経験したが、それ以上長いラウンドをまだ経験していない。その試合では最初の第4ラウンドを通して3倍ものパンチを受け、第5ラウンドではクリチコからダウンを取ったが、自身もかなり疲れていて余裕がないように見えた。
タカム戦では、今までの対戦よりも苦しいものとなり、ラウンドが進むにつれて動きが鈍くなっていった。この事についてこんな疑問が投げかけられた。「鼻の負傷が原因で動きが鈍くなったのか?」「リングでのタカムの動きが原因か?」「彼は重すぎたのか?」
ジョシュアはその試合で決定的な危険にさらされる事こそ無かったが、ラウンドが進むにつれて明らかな疲労が見て取れた。ジョシュアは100%確実なチャンスが来ない限り、そのチャンスを利用しない方が良いと学んだ。試合が終わる前の11ラウンド目のクリチコに対する攻撃がそれを証明している。
人々が期待していたよりもタカム戦が苦しいものとなったが、ジョシュアは元々クブラト・プレフとの対戦が組まれており、それに向けて準備を進めていた。しかしプレフが怪我により代わりにタカムとの試合が組まれ直す事になった。
相手との距離は取るが、アグレッシブでいろ
ジョセフ・パーカーは相手との距離が詰まると、よく詰め寄ってホールドをする。リーチに関してはパーカーよりもジョシュアに利がある(ジョシュアのリーチは82インチ、パーカーのリーチは76インチ)。それ故、ジャブを使えばパーカーと距離を取りつつ有利に戦える。
相手に詰め寄った際にもジョシュアに利がある。カウンターに関してはジョシュアに分があるからだ。
ジョシュアが得点するためには、まずジャブを使う事だ。直近のタカムとの対戦ではそれがよくできていた。そしてチャンスがやってきたら、攻撃する。ジョシュアよりも背が低いパーカーにパンチを振り下ろす。パーカーが射程範囲に入ったら回転をかけたアッパーカットが有効になってくる。
原文:Joshua vs. Parker: Anthony Joshua's keys to victory
翻訳:Tatsuya Sato