地元フィリピンメディアがパッキャオの正式引退を報道…地方政党集会でも名言

神宮泰暁 Yasuaki Shingu

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フィリピン大統領選の出馬表明後、ボクシング引退を示唆していた元世界6階級制覇王者のマニー・パッキャオ(フィリピン)が、地元メディアの取材を受け、改めて自身の口で正式に引退したことを返答した。

パッキャオは9月21日にフィリピンの司会・女優・タレントのトニ・ゴンザガさんの公式YouTubeチャンネルのトーク番組に出演した際、「ボクサーとしてのキャリアは終わった」と話していた。その後、パッキャオが所属するプロモーターのMPプロモーションズ代表ショーン・ギボンズ氏が「正式な引退ではない。もう1つ(の試合)について話し合った」「彼の公式SNSで発表されない限り、公式な引退ではない」とし、引退を否定していた。

日本時間の9月28日19時現在、パッキャオの公式SNSに公に引退を表明する投稿はないが、地元紙『Philippine Star』は本人に改めて取材し、引退について確認すると「私は引退しました」と返答したと伝えた。

また、26日に行われた名誉会長を務める地方政党PROMDI(Probinsya Muna Development Initiative)の集会で「私はもう戦うことはありません。私はまだ動けますが、もう十分です。私はすでに長い間ボクシングをしましたから」と自ら説明したという。

フィリピンの英雄として知られるパッキャオだが、最大与党PDPラバンの一部派閥から大統領候補の指名を受け、2022年5月の選挙に向け出馬を表明した。ただ、政治家としてはレジェンド級という訳ではないようだ。米総合誌『TIME』は、政治的手腕はまだ未知数であり、フィリピン国内の世論調査では大統領候補としては5位でしかないと伝えている。

かつてはロドリゴ・ドゥテルテ現大統領と蜜月だったこともあり、パッキャオの政治家としての基盤は、ドゥテルテの選挙基盤であるミンダナオ島にあるという。与党ラバン党内でドゥテルテ派閥とパッキャオ派閥に分裂したなかで、同地区に限らず、国内の支持を取り付けることができるかだが、ドゥテルテ人気はフィリピン国内では未だに根強く、ボクシングとは違い、有利な流れに持ち込むことは簡単なことではないようだ。

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神宮泰暁 Yasuaki Shingu

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日本編集部所属。ボクシング・格闘技担当編集者。