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モハメド・アリには、研究の余地がたくさんある。ボブ・キャノビオとリー・グローブスによる「Muhammad Ali: By the Numbers」は、アリに関する最新著書だ。この本は、ボクサーとしてのアリを統計的に分析していると同時に、アリを研究する上で重要な情報を提供している。しかし、この本の長所と短所を見極める、つまりアリの評価についての信頼性を測るためには、まず「CompuBox」を理解する必要がある。
CompuBoxは、1985年にボブ・キャノビオとローガン・ホブソンによって開発された。その1年前、2人はスポーツデータを扱う会社で働いていた。そこで、テニスの試合で全てのショットを分析することができるコンピュータープログラムに出会った。それに着想を得た2人は、似たような技術をボクシングでも適用しようと考えたのだ。2人はコンピュータープログラムを設計し、1984年11月28日にニュージャージー州アトランティックシティで、テストを行った。
「トレバー・バービックが、ウォルター・サンテモアに10ラウンドで判定勝ちをした試合だ」ホブソンは当時を振り返った。「試合が終わった時、自分たちの集計結果と見比べたんだ。数字が持つ全ての意味は把握していなかったが、いい結果が出たことは分かったよ」。
その時から、CompuBoxによって、ファンやメディアの試合の見方は変わった。
生の試合を計測する上で、CompuBoxのシステムでは2台のコンピューターを利用する。2つのキーパッドを2人のオペレーターが操作するのだ。それぞれのオペレーターは、1人のボクサーの成果を記録する。パンチは、「ジャブ」と「パワーパンチ」(ジャブ以外の全てのパンチ)に区別される。CompuBoxはヒットしたジャブとミスしたジャブ、ヒットしたパワーパンチとミスしたパワーパンチを集計する。結果は、各放送局の要求する内容によって、「パンチスタッツ」、「パンチプロフィール」、あるいはその他の名前で体系化される。
今やCompuBoxは、年間約100試合の放送に、データを提供している。HBO、Showtime、ESPNやFOXなど、多くの放送局がそのクライアントだ。CompuBoxのデータベースには、およそ8000試合が蓄積されている。
CompuBoxの信頼性はいかほどか?
CompuBoxの開発により、ボクシングの試合分析に重要な新しいツールが加わった。しかし、パンチカウントがパンチの有効性を反映していない点で、現実とずれが生じてしまう。パンチがただ当たるのと、力強いパンチがクリーンに当たるのとでは、違いがあるのだ。「ジャブ」と「パワーパンチ」の区別は、時に意味がなくなる。「パワーパンチ」と呼ばれるパンチ全てが、ダメージを与えるわけではないからだ。
その点で、CompuBoxは試合を採点するものではないと、キャノビオは繰り返し述べている。むしろ、CompuBoxは試合の流れを分析し、アクションの詳細な記録に貢献するツールである。
メディアやファンは、CompuBoxの数字を額面通りに受け取る傾向にある。私を含む多くのライターは、試合後のレポートにこの数字を引用している。メディアやファンは、この数字をジャッジの判定を批判する上で利用することも多い。
しかし、CompuBoxの正確性については多少問題がある。CompuBoxに強豪相手がいないことがパンチカウントの精度を低下させているのではないかという問題だ。キャノビオは、誤差のマージンは2%だと述べているが、それは許容範囲であろう。しかし、この数字は本当に正しいのだろうか?
CompuBoxは特効薬ではない。このシステムは、コンピューター科学独特の雰囲気をまとっていたかもしれない。しかし実際には、データベースに打ち込む2人のオペレーターの存在がある。このオペレーターたちが見たもの(あるいは見たと思ったもの)をコンピューターに打ち込む、ほんの一瞬の判断力に頼った精度である。そして、リングのジャッジがそうであるように、CompuBoxも時に間違った判断をしてしまうのだ。
筆者が初めてCompuBoxを調査したのは、1999年3月13日、引き分けに終わったレノックス・ルイスとイベンダー・ホリフィールドとの試合直後だ。大方はルイスが試合を支配していた印象で、CompuBoxはルイスとホリフィールドのスコアを348対130とした。ルイスの成功パンチ数がホリフィールドのほぼ3倍というのは、私には高すぎるように思えた。そこで私は、自分自身で「パンチスタッツ」を集計することに決めた。
その試合のビデオを2度見た。1度目でルイスが成功させたパンチ数をカウントし、2度目はホリフィールドで同じことを行った。作業を終えた時、私はCompuBoxに感心した。彼らの数字と比べると、私の計算には小さな差異があった。しかし、一瞬のことなので、いくつかのエラーは避けられない。CompuBoxのオペレーターはリングサイドに座っており、私はビデオテープでパンチ数をカウントしていた。
それから13年後、私は全く異なる体験をした。2012年6月9日、ティモシー・ブラッドリーがマニー・パッキャオにスプリット判定で勝利した試合。この判定は物議をかもした。試合後は、ジャッジに対する批判の多くは、「決定的な証拠」と名づけられた第7ラウンドに集中した。CompuBoxの「パンチスタッツ」では、第7ラウンドのパッキャオは27対11でブラッドリーを上回っていた。しかし、3人のジャッジは全員、ブラッドリーにポイントを入れた。
その後、私は第7ラウンドのパッキャオとブラッドリーの動画を、あらゆる角度から、時にはスローモーションを使って研究した。
彼らの初戦第7ラウンドの結果は、16対12でブラッドリーがパッキャオを上回っていた。実際とCompuBoxの数字の間にはかなりの差がある。
この記事の読者たちには、YouTubeでその試合が見られるので、自分の目で判定してほしい。
キャノビオは、パッキャオ対ブラッドリー初戦第7ラウンドについて言及すると、いら立った。「もう過去のことだ」キャノビオは今月初めに筆者に語った。「パッキャオ対ブラッドリーのニュースは古い。私がこの仕事を初めてから33年が経つ。品質が悪かったら、クライアントは契約を継続していないはずだ」。
歴史的事実について、間違いが発覚した場合、優れた歴史学者なら自身の過ちを正すものだ。パッキャオ対ブラッドリー初戦第7ラウンド(おそらくそれ以外の試合でも)のCompuBoxによる「パンチスタッツ」の数字が大きくかけ離れていたなら、その数字は正されるべきである。私は、いくつかのパンチの食い違いについて話しているわけではない。重大なミスについて指摘しているのだ。
また、以前はCompuBoxのオペレーターは、毎試合のようにリングサイドに座っていた。今では、コスト削減のために、オペレーターは通常、テレビモニターの前で、データを入力している。このやり方は、2014年から始まった。
私はたくさんの試合を前方の席で観戦してきた。その視点からだと、テレビで観戦するよりも、どのパンチがヒットしたか、もしくはしなかったのか、より明確に見えるのだ。だからこそ、ジャッジはテレビモニター越しではなく、リングエプロンのイスに座って試合を見ているのだ。
テレビ画面で試合を見ると遠近感が失われる。ジャブがきちんとヒットしたのか、ダメージを与えずにかすめただけなのか、時に判断が難しい。その上、テレビモニター越しにパンチスタッツを集計することは、テレビ中継トラックのディレクターの意向に、パンチ数のカウントが左右される可能性もある。
キャノビオは、現場以外の場所でデータを集計するやり方を擁護している。「遠隔地で作業を行う件数が多いほど、リングサイドで作業する場合とモニター越しで作業する場合の誤差は少なくなっている」と彼は述べた。
しかし、誤差は存在する。CompuBoxが遠隔地で集計を行うということは、オペレーターとテレビ視聴者が見ているものは同じだということだ。つまり、少しの練習をすれば、ファンもCompuBoxと同じくらい信頼性のある「パンチスタッツ」を集計できるということになる。
再び、マニー・パッキャオの対戦を引き合いに出す。2017年7月2日に開催された、マニー・パッキャオ対ジェフ・ホーン戦のスタッツをCompuBoxはテレビモニター越しに集計し、第1ラウンドは10対9の僅差、トータルでは182対92でパッキャオがホーンを上回ったと報告した。
パッキャオ対ホーン戦の翌日、ボクシング専門ウェブサイトのトム・グレイがこのような記事を書いている。「第1ラウンドは、ホーンがパッキャオを支配していた。ホーンはボディにパンチを決めて、上体にも何発か入っていた。パッキャオは、何発かかわしたが、ホーンより多くのパンチを受けた。CompuBoxの数字はジョークに過ぎず、ボクシングでの合法性は失われた」。
もう一度言うが、読者のみなさんは、YouTubeを見て、自らの判断を下してほしい。
CompuBoxとアリ
「Muhammad Ali: By the Numbers」に話を戻そう。この本は、アリのプロで戦った全61試合のうち47試合の総パンチ数を網羅している。残りの14試合については、完全な映像が入手できないのだ。この本のフォーマットは、チャプターが各試合で構成された物語形式で、アクションの説明、ジャッジのスコアカード、そしてCompuBoxの完全なスタッツが記載されている。
総パンチ数は、リー・グローブスがアリの474ラウンドを分析し集計したものだ。グローブスは、ボクシングコミュニティにおいて、尊敬されるメンバーである。彼は2004年、CompuBoxで非常勤として働き始め、2007年から常勤となった。
「私はアリの全試合を2度見た」グローブスは語った。「1人ずつだから、2度見たんだ。作業を始めてすぐ、私が行っていることは歴史的価値のあることだと感じたよ。ボクサーとして、アリがどのように評価されるか、そこに新しい次元を加える作業になると思った」。
グローブスは、物語形式にするために、膨大な時間を費やした。
CompuBoxは、アリのキャリアを4つのフェーズに分けている。
若き日のクレイ
カシアス・クレイ(アリの改宗前の本名)対アロンゾ・ジョンソン戦からヘンリー・クーパーとの初戦までの全6試合
アリの全盛期
クレイ対ソニー・リストン第1戦からアリ対ゾラ・フォーリー戦までの全10試合
復帰の数年間
これには少し疑問が残る。アリの「復活」は1970年のジェリー・クオリー戦に始まり、その4年後、ジョージ・フォアマンからヘビー級王座を取り戻すまでだ。しかし、この本では「復帰の数年間」が、アリ対クオリー第1戦から、マニラで開催されたアリ対フレージャー第3戦までの21試合に延長されている。その上、アリ対ジミー・エリス戦からアリ対フレージャー第2戦までの13試合は、1つのチャプターにまとめられている。また、判定勝ちしたルディ・ルバース戦については、完全な映像が入手できないため、データが何もない。
全盛期を過ぎたアリ
アリのプロ人生最後の10試合
「Muhammad Ali: By the Numbers」は、最初から最後まで順番に読む必要はない。この本は、試合ごとのリファレンスガイドとして役に立つ。著者による結論は次の通り。全盛期(クレイ対ソニー・リストン第1戦~アリ対ゾラ・フォーリー戦)であっても、我々が思っているほど、アリの成績は良くはなかった。キャノビオとグローブスは、アリは全盛期であっても、「敵のパンチの高い成功率」が証明するように、アリの防御力は「驚くほどもろかった」と断言している。
「全盛期でも、敵はアリに届く範囲にいた」と著者は書いている。「このスタッツは、全盛期のアリが防御に優れていたという神話を打ち砕く。この情報を踏まえると、アリの一番の長所はどこなのか、史上最高のボクサーと称するに値するかどうかについて再考すべきだと言い出す専門家もいるかもしれない」。
グローブスは最近、このテーマについて、詳しく説明してくれた。「過去のアリを見ていたら、私の目は常に彼の魅力に引きつけられた。私は対戦相手も見なければならなかったが、彼らが何度もアリのディフェンスを突いていたことにショックを受けた。アリは、アマチュアのマジシャンのようだった。そして、アリはリング上で、見事なイリュージョンをやってのけた。相手からパンチを受けても、アリはそれを表情に出さず、すぐに反撃することで、攻撃された記憶を消し去ることができた。いかにアリがパンチを受けていたのかを知り、驚いたよ」。
「Muhammad Ali: By the Numbers」では、「リング上で見るアリは偉大で、ロープの外までうわさはとどろいていたが、数字を見る限りは、アリは最も偉大なボクサーではなかった」とつづられている。
CompuBoxが持つアリの数字
CompuBoxによれば、47試合トータルのアリの成績は、7953対7010で対戦相手を上回っている。特にヒットしたジャブ数は、3749対1892で、対戦相手を大きく凌駕している。しかし、ヒットしたパワーパンチ数は、5118対4204と振るわない。
さらに、「Muhammad Ali: By the Numbers」では、CompuBoxのプラスマイナス・スケールを-1.7としている。アリのキャリア最後の9試合が、数字を悪くしているのだ。しかし、もしアリが「スリラー・イン・マニラ」のあとに引退していたとしても、アリのプラスマイナス・スケールは+0.4(アリ34.9%、対戦相手34.5%)とわずかに改善するだけだ。さらに、アリのパワーパンチの精度(アリ39.3%、対戦相手41.7%)は依然、マイナスである。
さらに、この「プラスマイナス」スケールに関して言えば、ジョー・ルイスからウラジミール・クリチコまでのCompuBoxが「12人の有名なヘビー級王者」と定義づけるボクサーたちのデータを入手可能な映像から分析したものだ。CompuBoxの計算によれば、アリは最下位で、ジョー・ルイスが6位、そして首位はジョー・フレージャーだ。
CompuBoxによれば、アリの47試合で、対戦相手のヒットしたパンチ率は、トータルが34.2%、パワーパンチは41.8%であった。一方、ジョー・フレージャーの対戦相手のヒットしたパンチ率は、トータルが29.7%、パワーパンチは38.5%にとどまっている。
言い換えれば、CompuBoxによると、アリはジョー・フレージャーに比べると、より簡単にパンチできるということだ。
私は、そうは思わない。
さらにCompuBoxは、アリはロッキー・マルシアノよりパンチを受けやすいと主張している。ここで注目すべきは、マルシアノが飛行機事故で死亡する2日前の1969年8月29日、彼はアリに関してこう語っている。「自分が知る限り、今まで戦ってきた誰よりも、アリは優れていると思う。どうやって彼を倒せばいいのか、本当に分からない。もし彼に負けたとしても、最善を尽くした上でのことだと思う」。
「Muhammad Ali: By the Numbers」には、細かい誤りがたくさんある。例えば、1961年2月21日、カシアス・クレイはドニー・フリーマンと対戦(アリのプロとしての5戦目)しているが、この本の著者はこれを「アリにとって、初めてのメインイベント」だと記している。これは間違いだ。アリは、タニー・ハンセカーとのプロデビュー戦で、メインイベントを経験している。これは細かい誤りだ。しかし、このような誤りによって、CompuBoxの数字そのものが信頼できるのかどうか、という問題が持ち上がる。それについては、のちほど詳しく説明する。
また、彼らの数字自体が誤解を招く可能性がある。
「Muhammad Ali: By the Numbers」によれば、「全盛期のアリ」は、クレイ対リストン第1戦で、ソニー・リストンに攻め込まれ、彼らの2度目の対戦では、リストンにパンチを何発か決められていたとされている。しかし、本書も認めている通り、クレイ対リストン第1戦では、リストンが103対95でアリを上回っているが、これは第5ラウンドでクレイの目が見えなくなったことで、37対1と大きくリストンに離されたことが原因である。そして、パンチ数に関係なく、リストンは第6ラウンド後にイスに座って試合を放棄したのだ。これはイリュージョンではない。
アリ対リストン第2戦は、1ラウンドKOでアリが勝利したことは言うまでもない。
次にアリ対ゾラ・フォーリーだ。「Muhammad Ali: By the Numbers」は、フォーリーが66対61でアリを上回っていると主張している。しかし、アリはその夜、試合の主導権を完全につかんで、7ラウンドでフォーリーにKO勝ちしている。
その対戦のあと、フォーリーはアリのことを「史上最高のファイター」と呼び、こう力説した。「あの男は自分のスタイルを持っている。今のファイターたちの先を行っている。デンプシーやタニーや他の選手には無理だ。ルイスはチャンスすらない。彼は遅すぎる。マルシアノはアリにおよばず、彼のジャブを避けることはできない。アリと同じように、自分を鍛えることはできないんだ。彼の動き、スピード、パンチ、スタイルを変化させる方法はマネできない。何の前触れもなく、アリの右手からパンチが繰り出される。どこからともなく、右手が飛んでくるんだ。態勢が悪い時でも、アリはいつでも打ってくる。あんなことができる選手を他に知らない。アリのKOパンチは早すぎて、見えないんだ。アリのパンチは力強く、当たると頭がクラクラする。アリは、今まで見た中で一番やせたファイターだ。アリと対戦すれば、それが分かるはずだ」。
フォーリーの言葉は、CompuBoxの数字で最下位にされた選手ではなく、史上最高のボクサーを形容している。そして、アリ対フォーリーの試合をビデオで確認したところ、フォーリーの有効パンチ数は66より少ないと私は思う。
「Muhammad Ali: By the Numbers」には、「アリのネガティブな要素として、ラウンドで1つもパンチが成功しなかったことが7回もある」と記されている。しかし、それはリンゴと芽キャベツを一緒にするようなものだ。アリ対ラリー・ホームズ戦の第10ラウンドとアリ対フロイド・パターソン初戦の第1ラウンドの間には、合理的な相関関係は何もないのだ。
アリ対パターソン初戦の第1ラウンドで、アリはパターソンをもてあそんだ。たくさんフェイントをかけるも、本気のパンチは1つも繰り出さなかった。解説者ドン・ダンフィーは、その様子を見てこう言った。「カシアス・クレイは、動いてるだけで満足のようだ。道化師のように振る舞っている」。
「Muhammad Ali: By the Numbers」は、アリが「第1ラウンドをパターソンに譲り」、アリの12個のパンチのうち1つを除いては「スピードが半分のジャブ」だったことを認めている。アリは、第1ラウンドでパターソンに対し、少なくとも1個はパンチを打っていた。
さらに、アリのプロボクサー人生を全体的に見れば、彼のジャブの中には、鋭く、切れがあり、痛みを伴うものもあった。それ以外のジャブは、相手と距離を取り、試合のペースをつかむため、少し離れた位置から打っていた。後者のジャブの場合、ヒットするかどうかは、二の次で良かったのだ。
最終的な疑問はもちろん、「CompuBoxの数字はどれくらい正確なのか」ということだ。
1966年11月14日にクリーブランド・ウィリアムスを3ラウンドKOで下した試合は、しばしばアリのプロキャリアにおいて、最高のパフォーマンスとして引用される。CompuBoxは、ウィリアムスは10個のパンチを成功させていると述べているが、果たしてこの数字は正しいのか?
数十年前に、ビル・ケイトン(アリの試合の映像権利をほぼ全て所持)とスティーブ・ロット(ケイトンの元で働いている)は、アリの数試合の映像を見て、ウィリアムスがアリに対してヒットしたパンチは3つだと判断した。YouTubeでアリ対ウィリアムスを最近見返してみたが、3という数字の方がより正確なようだ。
1965年5月25日、アリが1ラウンドでソニー・リストンをKOした試合は、長い間論争の渦中にある。CompuBoxは、リストンはその夜、4つのパンチを成功させたと言っている。ケイトンとロットは、2つと言っている。YouTubeで確認したところ、ケイトンとロットが正しかったようだ。
CompuBoxは、レオン・スピンクスはアリとの初戦で、419のパンチをヒットさせたと言っているが、ケイトンとロットによれば482だ。これは、かなり大きな違いである。この試合に関して、私はカウントをしていないので、どちらが正しいのかは分からない。
アリ対ラリー・ホームズ戦でも、同じようなことが起きている。CompuBoxは、ホームズのパンチは340だが、ケイトンとロットは320だと言っている。
「私はこの仕事に何年も携わっている」とグローブスは最近、筆者に対し述べた。「パンチをカウントする能力には自信がある」。
もう一度言うが、この記事の読者は、YouTubeを見て、自分自身で判断してほしい。
CompuBoxはこれまで、ボクシング界に大きく貢献してきた。しかし、彼らのツールは改良されるべきである。
原文:How reliable is CompuBox in its portrait of Muhammad Ali and today?
翻訳:Atsuko Sawada
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