マイク・タイソンが明らかにしたロイ・ジョーンズJr戦に備えた非正統的な調整方法:「私は大麻を吸うことだけはやめられない」

Tom Naghten

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15年振りにリングに戻ってきた54歳の元世界ヘビー級統一王者マイク・タイソン。ロイ・ジョーンズJrとのエキシビション・マッチでは、現役時代を彷彿させる破壊力抜群のパンチだけではなく、引き締まった身体と2分8ラウンドを戦い抜いたスタミナも披露した。それ以上に試合後のインタビューでの謙虚で穏やかな語り口に、「タイソンは確かに変わった」と言う印象を受けた人は多いだろう。しかし、タイソンらしい奔放なライフスタイルも伺わせた──

マイク・タイソンがロイ・ジョーンズJr戦の前に大麻タバコを吸っていたことを明らかにした。

11月28日(日本時間29日)ボクシング史上に残る2人の偉大な元ボクサーがロサンゼルスでエキシビション・マッチを行った。判定はコミッションによる公式なものではなかったが、WBCのゲストはこの試合をドローとした。

54歳のタイソンはかつての破壊的な威力の片鱗をリング内で見せつけ、ジョーンズもまたいくつかの見せ場を作った。試合後の記者会見において、タイソンはまるで哲学を語るような穏やかな口調で、彼の人間的な成長とそして大麻への愛情について語った。

「私はペットの鳩ときれいな服が好きです。それ以外のものはもはや私の人生において望んでいません。もちろん、私の子供たちと妻も愛しています。鳩と服、それと大麻ですね」とタイソンは報道陣に語りかけた。

15年振りの試合前に大麻を吸ったかどうかと尋ねられ、タイソンは「はい、もちろんです」と答えた。

「私は大麻を吸うことはやめられません。とにかく吸わなくてはいけないのです。申し訳ありませんが、それが私なのです。私は毎日大麻を吸います。今までやめたことはありません。私にとって、大麻を吸うことにネガティブな要素はひとつもありません。それはただ私が行うことであり、私という人間を作りあげたものであり、そして私はそうして死んでいくでしょう」

タイソンは大麻に関するポッドキャスト『Hotboxin』を主宰し、さらに月収1億円を超えると報道された大麻農場を経営している(編集部注:農場のあるカリフォルニア州など、米国では多くの州で大麻が合法化されている)。

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対ジョーンズ戦に備えて、タイソンは50キロ近い減量をして、身体を作り上げたと報じられている。そしてタイソンは今後もチャリティのために戦い続けることを望んでいると言った。

「私はある目的のためにここにいます。自分の欲のためではありません。以前の私の欲と言えば、大金を稼いで、自家用飛行機や豪邸を買って、大勢の女性を相手に乱痴気騒ぎをするような類いのことでした。今の私はそうではありません。かつての私は今ある本当の自分になるための踏み台であったにすぎないのです」

タイソンはかつての自分自身のことを人間として好きではないと言い、2度と昔の「太っちょ」で「コカイン中毒」のマイク・タイソンには戻りたくないとも言った。

“戦い”については、この元世界ヘビー級統一王者はその称号に相応しいだけの力量が健在であることを見せつけた。タイソンは理想的には「2か月に1回」エキシビション・マッチを戦いたいと言う。

「私は幸いノックアウトされませんでしたし、ダメージも負っていません。次の試合ではもっと良い自分になれると思います」

「私は2度と対戦相手のことを悪く言いません。私は若く愚かでした。そのことを認めます。今回のイベントによって、私は自分が本当に何者であるかを見つけることができました。それはトレーナーたちが容赦なく私を鍛えてくれたからです」

ジョーンズはタイソンの有名なパワーを体感し、タイソンの体調の良さには感心するしかなかった。

「マイクが今の体調を維持して、トレーニングを続けるなら、誰とでも戦うことができますよ。8ラウンドをあの調子で戦い続けることができることに驚きました。」

「タイソンと対戦したら、誰もが最初の数ラウンドを持ちこたえるのに苦労するはずです。それが私にとっても、もっとも困難な部分でした。」

タイソンは距離を取ることを集中して練習したと言った。

「私は今では時間をかける練習をしています。以前の私は相手を早くノックアウトすることしか頭にありませんでした。ただ若かったのです。54歳になった今、私はチャンピオンだった頃は無知だったことを知りました。私の体調は今とても良いです。これをもっと高めていきたいと思っています」

(翻訳:角谷剛)

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Tom Naghten is a senior editor at The Sporting News Australia where he's been part of the team since 2017. He predominantly covers boxing and MMA. In his spare time, he likes to watch Robbie Ahmat's goal against the Kangaroos at the SCG in 2000.