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人種差別的な罪で有罪判決を受けた、初の黒人ヘビー級王者ジャック・ジョンソンを完全赦免することを検討すると、ドナルド・トランプ大統領が4月21日(日本時間22日)に発言した。
トランプ大統領は、映画『ロッキー』でボクサーを演じた俳優のシルベスター・スタローンとの会話でジャクソンのことを知ったとツイートしている。
Sylvester Stallone called me with the story of heavyweight boxing champion Jack Johnson. His trials and tribulations were great, his life complex and controversial. Others have looked at this over the years, most thought it would be done, but yes, I am considering a Full Pardon!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2018年4月21日
「シルベスター・スタローンが電話でヘビー級王者ジャック・ジョンソンのストーリーを教えてくれた。彼の幾多の試練は凄まじいものであり、彼の人生はとても複雑で物議を醸すものだ。長年検討されてきたこの自体は、私は完全赦免を検討している!」
ジョンソンは1908年に史上初の黒人ヘビー級王者となったが、有名なのは1910年にジム・ジェフリーズに勝利した試合だ。ジョンソンが白人ボクサーのジェフリーズに勝利したことで、いくつもの暴動に繋がった。
1913年に、ジョンソンはガールフレンドを別の州に「わいせつ」目的で連れ出したとされ、陪審員が全員白人の法廷で、マン法のもと有罪判決を受けた。同法は人身売買を抑止するためのもののはずだったが、アフリカ系アメリカ人に対して不当に適用されてきたという批判の声も多い。
ジョンソンは陪審員が「証拠を確認する前から、11人が終身刑、残りは絞首刑を望んでいた」と話している。
ジョンソンは1年間の懲役を受け、そのキャリアは台無しとなった。1946年、68歳のときに交通事故で亡くなっている。
世紀の変わり目頃から、彼の死後赦免を求める動きは常にあったが、赦免されるまでには至っていない。
2016年にはジョン・マケイン上院議員、ハリー・リード上院議員(当時)、ピーター・キング下院議員、グレゴリー・ミークス下院議員などによって構成されたグループが、ジョンソン死後70周年ということもあり、当時のバラック・オバマ大統領に赦免を求める嘆願を行なっている。2017年3月にはコーリー・ブッカー上院議員が同グループに加わっている。
当時マケイン上院議員は「この決議はアメリカ連邦議会で可決されているものの、まだ赦免されていない」と語っている。
「トランプ大統領がこの素晴らしいアスリートのレガシーを守るためにも、正しいことをしてくれることを望んでいる」。
もし赦免されれば、ラテン系アメリカ人に対して人種差別的な取り締まりをしていたことで有罪判決を受けたアリゾナ州のジョー・アルパイオ保安官、潜水艦の禁止区域で撮影したことで有罪判決を受けたクリスチャン・ソーシアー船員、CIAエージェントの名前をリークしたことで有罪判決を受けたブッシュ政権時のルイス・"スクーター"・リビー補佐官とともに、トランプ大統領に赦免された人物となる。
原文:Donald Trump considering pardon for boxer Jack Johnson
翻訳:Reo Onishi