日本時間9月18日(現地時間17日)、米ネバダ州ラスベガスのT-モバイル・アリーナで、カネロことサウル・アルバレス(メキシコ)とGGGことゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)の4年越しの第3戦が行われ、カネロが3-0の全会一致で判定勝ち。WBAスーパー・WBC・IBF・WBO世界スーパーミドル級統一王座の防衛に成功し、長年のライバル闘争に終止符を打った。
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業界関係者カネロの勝利より、ゴロフキンの衰えに衝撃?
2017年9月16日の第1戦、2018年9月15日の第2戦から続くトリロジーの決着戦となる第3戦が、4年を経てついに実現した。初戦の不可解な引き分け判定、第2戦前のカネロのクレンブテロール陽性反応発覚や、第2戦の悔しい敗戦と、ゴロフキンにとっては清算しなければならないライバル関係であったことは想像に難くない。
対するカネロは1勝0敗1分で終わりにしたかったが、今年5月にWBA世界ライトヘビー級スーパー王者ディミトリー・ビボル(ロシア)に敗れたこともあって、復活の起爆剤としてゴロフキンとのライバル闘争に決着をつける気になった。
WBAスーパー・WBC・IBF・WBOおよびThe Ring誌認定世界スーパーミドル級統一王座戦として行われる決着戦の舞台は、これまでの2試合同様、カネロにとって第2のホームといえるT-モバイル・アリーナ。場内の支持率も現在ロサンゼルスを拠点に置く挑戦者ゴロフキンよりも、王者カネロ寄りの印象だった。ビッグマッチ特有の高揚感のなか、3度目の戦いは始まった。
🛎️ #CaneloGGG3
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試合の焦点としては、ゴロフキンは40歳という年齢とキャリア初のスーパーミドル級(168ポンド=76.204kg以下)での戦いになる点だ。ファーストラウンドは、お互いに様子見といった形で、この階級で戦い慣れているカネロは身体を振ってゴロフキンのパンチをかわした。2ラウンド目ではアウト気味のゴロフキンの動きに合わせてカネロが強烈な左フックを浴びせれば、ゴロフキンも同様にやり返した。
12ラウンド以内でKOすると宣言した通り、カネロはこれまでの2戦よりも手数を出した。逆にゴロフキンは慎重さを崩さなかったが、4ラウンドを迎える頃には、その顔は赤く腫れ始めていた。左のジャブが冴えわたるカネロは、右ストレート、右ボディなどパワーショットを要所で放ち始める。5ラウンド目には右ボディを食らったゴロフキンが脚をもつれさせる場面もあった。
ゴロフキンは有効打を与えられないまま、6ラウンドを折り返したが、カネロの堅いガードを射抜くようにジャブや右ストレートを当てていく。8ラウンドになるとゴロフキンが手数を増やし、カネロをロープに押し込んだ。エンジンがかかり出したゴロフキンがロープ際でコンビネーションを浴びせれば、カネロもインファイトで強打を放つ。10ラウンドは猛打戦となり、クリンチでもつれる場面も多発。レフェリーに引き離されたゴロフキンがなにか言葉を発する瞬間もあった。
ゴロフキンがラウンドを重ねるほど勢いを増し、最終ラウンドに突入したが、クリンチが頻発したこともあり、打ち合いでもつれながら最終ゴングが鳴り響いた。
After 36 rounds... The respect is there 🤝#CaneloGGG3 pic.twitter.com/DVEZ12m9U9
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ゴングが鳴った直後、どちらかが勝利をアピールするでもなく、額と額を突き合わせながらお互いに言葉をかけあった両者。結局、フルラウンドの判定となったが、217発中85発の強打をヒットさせたカネロが116-112、115-113、115-113の全会一致で勝利し、5本のベルトを防衛した。宣言通りKO決着とはならなかったものの、全体を通しても、9つのラウンドでヒット数で上回るなど、これまでの懐疑的な判定結果とは違う、確固とした内容だった。
👑 AND STILL!@Canelo beats Golovkin 116-112, 115-113, 115-113 to retain his Undisputed crown and settle the score once and for all! #CaneloGGG3 pic.twitter.com/r2XBtUiYFC
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Canelo had a 85-46 edge in power punches landed, landing the harder punches all fight. Canelo landed 39% of his power shots, while GGG landed just 4 of 14 power punches per round after landing 10 of 28 in their first 2 fights. #CaneloGGG3 pic.twitter.com/RsiE7NR869
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判定結果を聞いたゴロフキンは悔しがるでもなく笑みを浮かべた。これまで罵り合う関係だったが、インタビューでは「彼とリングをともにすることができて嬉しかった」と敬意を評したカネロ。ゴロフキンもカネロを改めて称賛し、握手をかわした。ゴロフキンは観客に感謝するように挨拶すると、リングを降りたあとも晴れやかな表情を浮かべ、足掛け6年のライバル対決の決着を受け止めていた。
"I'm glad to share the ring with him" #CaneloGGG3 pic.twitter.com/mPloGXJrRp
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That settles it 🤝 #CaneloGGG3 pic.twitter.com/I9fosVbJv9
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2勝0敗1分の結果でライバルとの遺恨関係に終止符を打ったカネロは、晴れてビボルへの雪辱戦に挑む。
"I will beat him (Bivol)" 🗣#CaneloGGG3 pic.twitter.com/ZAVOYoIwhe
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