エロール・スペンス・ジュニアが8月21日(日本時間22日)に予定されていたマニー・パッキャオ戦を辞退することが決まった。スペンスが左目に網膜裂孔を患っていることが分かったからだ。
8月9日(同10日)にネバダ州アスレチック・コミッションによって行われた試合前の健康診断で、医師団がスペンスの故障を発見した。現在IBFとWBCでウェルター級のチャンピオン・ベルトを保持するスペンスは11日(同12日)に目の手術を受ける。
「8月21日にマニー・パッキャオと戦えなくなったことをとても残念に思っています。私はこの試合とイベントを心待ちにしていました。残念なことに、医者たちは私の左目に網膜裂孔を発見しました。私は1日も早く手術を受ける必要があり、この目の状態ではリングに上がることは不可能です」とスペンスはスポーツ専門局『ESPN』に語った。
27勝0敗21KOの戦績を誇るスペンスは後に自身のツイッターを更新し、「もっと悪い状況からカムバックしたこともある」と述べ、さらにパッキャオ対ウガス戦の勝者と戦うことは「間違いない」と続けた。
パッキャオ(62勝7敗39KO)はスペンスの代わりにヨルデニス・ウガス(キューバ)と対戦する。パッキャオは2019年7月にキース・サーマンを破ってWBAウェルター級スーパー王座を獲得したが、その後長く試合を行わなかったため、WBAはウガス(26勝4敗12KO)を同級王者に認定している。パッキャオにとっては失ったベルトを取り戻す戦いになる。
ウガスは元々パッキャオ対スペンス戦のアンダーカードに出場する予定だったが、対戦相手のファビアン・マイダナが9日(同10日)にスパーリングで負った怪我のより欠場が決まったばかりだった。ESPNは代わりの試合を用意し、ペイパービューで予定されている4試合を行うと発表した。
「偉大な複数階級王者のマニー・パッキャオと対戦できることを名誉に思います。このような挑戦の機会を逃さない準備はできています。パッキャオ選手のことはとても尊敬していますが、私はあくまでも勝つためにリングに上がります」とウガスは言った。
もしパッキャオがウガスに勝ったとしても、パッキャオ対スペンス戦が実現するとは限らない。パッキャオ自身が来年5月のフィリピン大統領選で現職のロドリゴ・ドゥテルテ氏に挑むと見られているからだ。どちらにしても、パッキャオはスペンスに同情の意を表し、早い回復を祈るコメントを発表した。
「世界タイトルを獲得するための適切な、そして唯一の方法はリングの中で勝つことだ。エロール・スペンス・ジュニアが一日も早く、そして完全に回復することを、私は世界中の人たちと一緒に祈りたい。もっとひどいダメージを負うことになる前に、彼の目の状態が検査によって明らかになったことは幸運だった」とパッキャオは言った。
(翻訳:角谷剛)
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