エディ・ハーン、ジョシュア対ワイルダー延期の経緯を語る「全くナンセンス」

Steven Muehlhausen

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WBAは先週初め、ヘビー級王者アンソニー・ジョシュアに対し、アレクサンドル・ポベトキンと指名試合を行うよう取り決めた。指示に従わなければ、ジョシュアはタイトルを剥奪されることとなる。 

この指名試合のために、開催が待ち望まれているジョシュアとWBC王者デオンテイ・ワイルダーとの対決は、延期されることが決定した。 

ワイルダーは先日、ネット配信の『Below the Belt』という番組のインタビューで、対戦はなくなったが、報酬配分は50%対50%でいいと語った。 

ボクシング界が疑問に思っているのは、なぜこの対決が実現しなかったのか、ということだ。 

「この対戦について、我々は8カ月ほど話し合いを重ねてきた」ジョシュアのプロモーター、エディ・ハーンはSporting Newsに対し述べた。「我々が最初にオファーをした。カネの話はしたくないが、イギリスでアンソニー・ジョシュア戦を開催する場合、我々が提示した報酬額は1250万ドルだ」。 

「アメリカ開催なら、より多くの報酬額が望めるという事実はありがたく思う。しかし、ジョシュアのイギリスでの功績や、ファンのサポートを考えた時、また、この試合が後世に語り継がれるような対戦となることを鑑みると、イギリスで開催したいんだ。おそらく、ファイトマネーはアメリカ開催に比べて、30%ほどになるだろう。彼らから、拒否されることはなかったが、何の返事もなかった」。 

「ジョシュアはインタビューで、皮肉を込めてこう言った。『この対戦に1億ドルの価値があるなら、5000万ドルくれれば戦ってやるよ』たぶんそれがまずかったんだ。ワイルダーはジョシュアに、彼らが5000万ドル払うという内容のメールを送ってきた」。 

「ファイターとしてはユニークな対応だ。ワイルダーをバカにするわけじゃないが、彼は5000万ドルも持っていないだろう。私はシェリー(・フィンケル)に対し、実に興味深いから、会って話し合わないかと言ったら、シェリーは『まずはこの対戦を受け入れろ』と言ってきたんだ」。 

「私は『興味を持ったと言ったんだから、十分だろう?オファーの詳細を知る必要がある』と言った。アンソニー・ジョシュアほどの選手の場合、我々は詳細も知らずにオファーを受け入れることはできない。すると彼は『会って話し合うことが生産的だとは思わない。まずは、オファーを受け入れるべきだ』と言ってきた」。 

「私は奇妙だと感じた。5000万ドルものオファーは、簡単に口に出せないものだ。この件について、アンソニーに話すと、彼も興味を示した。我々は、契約内容について精査したいという共通認識を持ったんだ。そこで、先方に再び『契約内容を見せてほしい』と連絡した」。 

「彼らは、資金源を証明すると言ってきた。全くナンセンスだよ。結局、何も提示しなかった。もちろん契約書もだ」。 

ハーンは、ジョシュアに見せる契約書を手にしていなかったが、統一世界ヘビー級王者ジョシュアは、それでもワイルダーとの一戦を望んでいた。 

「トレーニングチームとアンソニーとともに話し合った」ハーンは続けた。「この対戦は、やはりイギリスで開催するべきだと決めた。そこで、我々は再びワイルダー陣営に連絡を取り、オファー金額を、おそらく彼の最高報酬額の7倍にあたる1500万ドルに増額した。その後1カ月近く、彼からの連絡はなかったんだ」。 

「ポベトキンとの指名試合の件で、いろいろと忙しかった。指名試合については、WBAから2カ月前から言われていたものだ。彼らの手紙には、交渉期限は28日間、それを超えた場合は入札となる、と書いてあった。交渉期限を迎えてしまったので、ワイルダーとの対戦を実現させるために、6~7日引き延ばしてもらうよう掛け合った」。 

日を追うごとに、ポベトキンとの対戦がより現実的となり、ワイルダーとの頂上決戦が実現する可能性は薄れていったが、一筋の光が差し、実現の可能性が再び浮上した。 

「我々がオファーを提示した1カ月後に、彼らから『1500万ドルで君たちのオファーを受け入れる。契約しよう』と回答があった。それが月曜日のことだ。私は、『問題ない。金曜日までに契約書を送る』と言った」。

「当初とは状況が変わっていた。会場もキャンセルしていたし、9月にアルバレスとゴロフキンとの再戦が開催されると発表されたことで、同じ9月に開催することが難しくなった。放送局の予算がないからね。だから、金曜日に契約を結ぶことができなかった」。 

「私は(ワイルダーのマネージャーである)シェリー(・フィンケル)にメールを送り、月曜日に契約書を用意すると言った。すると彼から『大丈夫だ。どうぞごゆっくり』と返信があった」。 

「だから、私は月曜日に契約書を送り、10月か11月で日程を決めようと提案した。すると彼が『これは、ジョシュアの次の対戦という認識でいいのか?』と聞いてきたので、『そのようにする』と私は答えた」。 

全てが動き始めていた。残すはワイルダーのサインだけだった。ボクシング界最大の対戦が組まれようとしていた。フィンケルがサインを渋っていることがハーンの頭をよぎり、今回はこの対戦が実現しないことを彼は悟った。 

「その後日曜日に、彼らからメールが来て、6日後の金曜日に契約書を送り返すと言われた。その日は、我々が契約書を送ってから2週間だ。我々がWBAから毎日プレッシャーをかけられ、そのたびに交渉期限を延長してもらっていたことをワイルダー陣営も分かっていた」。 

「フィンケルはメディアに対し、契約の中で2点、修正が必要だと明らかにしている。金曜日に修正した契約書を送る予定だ。この対戦を実現させたいなら、もう少し待ってほしい。WBAもおそらくインタビューを見ており、この件に関しては飽き飽きしている。次戦はポベトキン戦だから、契約書にサインして送り返してほしいと言っていた」。 

ボクシング界が待ちわびている対戦が、今年実現する可能性はないが、この交渉はまだテーブルに乗っていると、ハーンは述べた。契約に必要なものは、ワイルダーのサインだけで、対戦は実現するはずだ。 

「契約はまだ生きている」ハーンは感情的に述べた。「何も変わっていない。契約を受け入れるべきだ。オファーはまだ有効なんだ。彼らが納得していないのは、2点のみということは明らかだ」。 

「1点目は、再戦についてだ。既に彼らは書面では同意しているが、それを公然のものとしたいようだ。もう1点は、日程についてだ。ここで公言する。来年4月13日、イギリスのウェンブリー・スタジアムで開催する予定だ」。 

「あとは先方のサインを待つのみだ」。 

原文:SN Exclusive: Eddie Hearn reveals why Deontay Wilder-Anthony Joshua isn't happening in 2018
翻訳:Atsuko Sawada

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Steven Muehlhausen is a contributing writer for DAZN News. He writes features and news stories, and provides analysis relating to the world of boxing. Over the past five years, he has interviewed some of the biggest names in combat sports, including Conor McGregor, Daniel Cormier, Terence Crawford, Vasiliy Lomachenko and Bill Goldberg.