富永啓生(ネブラスカ大)「3ポイントだけじゃないプレイヤーに」|米大学バスケ男子NCAA開幕戦後一問一答

大柴壮平 Sohei Oshiba

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日本時間11月8日(現地7日)、富永啓生が所属する米大学バスケットボールNCAAディビジョン1(1部)のネブラスカ大学が2022-23シーズンの開幕戦を行い、メイン大学を相手に79-66で勝利した。3ポイントショット3本成功を含む19得点でチームの勝利に貢献した富永が、記者会見後に単独取材に応じた。

以下、その抜粋をお届けする。

ディフェンスでいいプレイができたことで、オフェンスも乗っていけた

――試合の率直な感想を教えてください。

富永:とりあえず開幕戦を勝てたことと、自分の得意な3ポイントを決めることができたのが良かったです。

――記者会見でフレッド・ホイバーグ・ヘッドコーチから「冷静にさせるために一度ベンチに下げたが、もう一度出して以降は素晴らしい活躍だった」というコメントがありました。富永選手本人もその自覚はありますか?

富永:そうですね。開幕戦という気負いもあって、最初のほうは自分のタイミングではないシュートを何本か打ってしまったかなと思います。二度目に出たときは、まずディフェンスからしっかり入ろうと思っていました。ブロックなどディフェンスでいいプレイができたことで、オフェンスも乗っていけたと思います。

――会見でも触れていましたが、スリーだけではなく積極的にドライブを狙っているのが印象的でした。試合前から今日はドライブを狙おうと考えていたのでしょうか? それとも調子が上がって自然に出たのでしょうか?

富永:試合前から考えていましたし、もっと言えば3ポイントだけじゃないプレイヤーになることは、ずっと前からの自分の目標です。今日は最初からスリーが決まっていたので、(相手の)ディフェンスもだんだんとスリーを警戒する付き方に変わってきました。代わりにドライブレーンが空いたので、積極的にドライブを狙うことができました。

ベンチスタートでも試合の終盤にコートに立てるほうが、自分としては何倍もいい

――今日はベンチからの起爆剤として使われましたが、ベンチ起用に慣れてきましたか? それともスタートで出ることにこだわりはありますか?

富永:もちろんスタートで出るほうがやりやすいと思います。でもそれはチームの考えですし、任された場面でエナジーを出して自分のプレイをしようと思っています。そうすることによって、スタートかどうかにかかわらずプレイタイムも伸びてくると思うので。スタートで出て終盤ベンチにいるよりは、今日のようにベンチスタートでも試合の終盤にコートに立てるほうが、自分としては何倍もいいことだと思っています。

――会見でサム・グリーセル(この日チーム最多22得点)が、試合中に何度もハドルを組んでディフェンスの原則などを確認し合ったと話していました。昨シーズンのチームとは雰囲気が違いそうですね?

富永:ハドルを組んで本当に細かいことを確認しますし、みんなが言うべきことをちゃんと声に出すので、そこは去年と全く違いますね。それに、エナジーと気迫を持った選手が揃っているので、これからケミストリーができてくればいいチームになると思います。

もっと自分らしいプレイをして、チームを勝利に導けるように

――去年よりパスが回っているように見えましたが、それもお互いの意見を口に出せる環境がいい方向に働いているのでしょうか?

富永:そもそも去年より個人技に走るタイプの選手が少ないです。それに、去年は1on1の繰り返しで勝てないシーズンだったので、今シーズンはホイバーグHCもそういったプレイを禁じています。

――いい方向に向かっているようで何よりです。それでは最後に日本のファンに一言お願いします。

富永:今日は開幕戦に勝つことができました。これからもっともっと自分らしいプレイをして、チームを勝利に導けるようにがんばりますので、応援よろしくお願いします。

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大柴壮平 Sohei Oshiba

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バスケ雑誌『ダブドリ』編集長。NBA Rakutenにて「大柴壮平コラム」を連載していたほか、『ダブドリ』にて仙台89ERSを追うコラム「Grind」、富永啓生選手のアメリカ挑戦を綴る「姿勢」を執筆している。ポッドキャスター(Trash Talking Theory、Mark Tonight NTR)、YouTuber(Basketball Diner)、フォトグラファーとしても活動中。