女子日本代表が東京オリンピック前最後の強化試合でプエルトリコ代表に大勝

大西玲央 Reo Onishi

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7月17日、埼玉県さいたま市のサイデン化学アリーナにてバスケットボール女子日本代表国際強化試合 三井不動産カップ2021(埼玉大会)として、プエルトリコ代表(FIBAランキング23位)との一戦が行なわれ、日本(同10位)が94-59で大勝した。

日本の先発メンバーには長岡萌映子(#0/トヨタ自動車アンテロープス)、髙田真希(#8/デンソー・アイリス)、三好南穂(#12/トヨタ自動車アンテロープス)、町田瑠唯(#13/富士通レッドウェーブ)、赤穂ひまわり(#88/デンソー・アイリス)が名を連ねた。

試合開始17秒、赤穂がインサイドでショットをねじ込み日本が先制。さらに町田のドライブからのレイアップなど、日本が連続6得点で序盤の主導権を握った。

しかしプエルトリコも、ジェニファー・オニール(#0/Artego Bydgoszcz/ポーランド)のミドルレンジからのジャンプショットを中心に立て直す。接戦となった第1クォーターは、日本が18-14とリードした。

第2クォーターは、ベンチから出場した本橋菜子(#15/東京羽田ヴィッキーズ)が攻守で積極的なプレイを見せ、このクォーターだけで6得点の活躍を見せた。

オニールのオフェンスで反撃を狙うプエルトリコに1点差まで詰め寄られる場面もあったものの、馬瓜エブリン(#30/トヨタ自動車アンテロープス)のインサイドでの奮闘もあり、日本はリードを一度も失うことのないまま、39-31のリードでハーフタイムを迎えた。

後半に入ると、日本は三好に代えて東藤なな子(#20/トヨタ紡織サンシャインラビッツ)を先発メンバーに加えてスタートする。町田の巧みなゲームメイク、赤穂のオフェンシブリバウンド、髙田の堅実なプレイなどで数々のチャンスを生み出した日本は、第3クォーター開始5分で20点差のリードを作り、67-47と大きくリードした状態で最終クォーターに突入した。

第4クォーターは、オコエ桃仁花(#99/富士通レッドウェーブ)のスティールから赤穂が速攻でレイアップを決め、日本の得点でスタート。その後も攻撃の手を緩めることなく、林咲希(#27/ENEOSサンフラワーズ)が2本の3ポイントショットを決めるなどし、最後までリードを広げ続けた。

日本のトム・ホーバス・ヘッドコーチは試合後、「出だしはよくなかった」と勝利を振り返っている。

「前半はプエルトリコが好む遅いペースだったが、少しずつペイントタッチとローポストを攻めて良いリズムになった。一番大きかったのは、ここまであまり良いリズムでプレイができていなかった林、宮澤夕貴(#52/富士通レッドウェーブ)、本橋が良いプレイをできたこと」。

日本は林が6本中4本の3Pショットを決めてチーム最多の14得点、髙田が12得点、7リバウンド、本橋が11得点、赤穂が10得点、12リバウンドのダブルダブルをマークした。

敗れたプエルトリコは、オニールが21得点、タイラー・メレンデス(#1/Gigantes de Carolina/プエルトリコ)が8得点、ジャスモン・ワスミー(#24/GEAS Basket/イタリア)が6得点、5リバウンドを記録した。

試合のMVPには日本の髙田、MIPにはプエルトリコのオニールが選出されている。

MVPに選ばれた髙田は「オリンピックが1年伸びたことで出られなくなる選手もいれば、チャンスを掴む選手もいると思います」と語った。

「今はこのチームでしっかり集中して大会に臨みたいなという気持ちではあります。個人的には大崎(佑圭/引退)だとか渡嘉敷(来夢/右膝前十字靭帯断裂)だとかと一緒にやりたかったなという気持ちはありますが、そういった選手の気持ちを持って、自分たちはコートに立たなければいけない。それがオリンピックの12人に選ばれた一人ひとりの責任と覚悟だと自分は思っているので、しっかりそういった人たちの想いを背負って、コートで良いバスケットを発揮することが、重要だと自分は思っています」。

ボックススコア

大西玲央 Reo Onishi

大西玲央 Reo Onishi Photo

アメリカ・ニュージャージー州生まれ。国際基督教大学卒。NBA Japan / The Sporting Newsのシニアエディター。記事のライティング以外にもNBA解説、翻訳、通訳なども行なっている。訳書には『コービー・ブライアント 失う勇気』『レイ・アレン自伝』『デリック・ローズ自伝』「ケビン・ガーネット自伝』『ヤニス 無一文からNBAの頂点へ』。