女子日本代表がベルギー代表との強化試合に勝利、ゲームMVPには17得点の三好南穂が選出

大西玲央 Reo Onishi

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7月15日、埼玉県さいたま市のサイデン化学アリーナにてバスケットボール女子日本代表国際強化試合 三井不動産カップ2021(埼玉大会)として、ベルギー代表(FIBAランキング6位)との一戦が行なわれ、日本(同10位)が84-76でシーソーゲームを制した。

日本の先発メンバーには長岡萌映子(#0/トヨタ自動車アンテロープス)、髙田真希(#8/デンソー・アイリス)、三好南穂(#12/トヨタ自動車アンテロープス)、町田瑠唯(#13/富士通レッドウェーブ)、赤穂ひまわり(#88/デンソー・アイリス)が名を連ねた。

ジャンプボールを制したベルギーは、メスタフ・キム(#5/スキオ/イタリア)の3ポイントショットで先制。しかし日本も町田の鋭いドライブから得点機会を多く作り出し、連続11得点で17-7と早々に二桁リードを作った。

ベルギーもそこから連続8得点で反撃し、エマ・ミースマン(#11/UMMCエカテリンブルク/ロシア)を主軸に得点を重ねる。

第2クォーターを26-21のリードで迎えた日本だったが、同クォーター残り7分48秒にメスタフの得点でベルギーの逆転を許した。最大5点のリードを作られながらも、日本は終盤にかけて追い上げを見せ、前半終了間際に町田がスティールからそのままレイアップへと持ち込み、43-42と逆転した状態でハーフタイムに突入した。

後半も両チームとも同じメンバーでスタートすると、第3クォーターはリードの奪い合いとなった。日本が激しいプレスディフェンスからターンオーバーを誘って速い展開で攻めるのに対して、ベルギーは高さを利用してインサイドを攻め、65-65の同点で最終クォーターを迎えた。

第4クォーターに入ると、序盤から三好が連続で3ポイントショットを決め、日本が71-65とリードを作った。

その後、ベルギーはミースマンを中心に反撃を狙うも、日本が最終クォーターの出だしで作ったリードを最後まで守り切り、84-76で勝利を収めた。

日本のトム・ホーバス・ヘッドコーチは勝利について「うちのペースで試合ができればチャンスがあると思っていた」と話している。

「出だしがとても良かった。トラッピングディフェンスや、ディフェンスの速いローテーションなど、最初から最後まで自分たちのペースで試合ができたのが大きかった」。

日本は三好が3ポイントショット5本成功を含むチーム最多17得点をあげたほか、長岡、髙田、町田、オコエ桃仁花(#99/富士通レッドウェーブ)がそれぞれ10得点をマーク。町田は10アシストも加え、ダブルダブルを達成している。

3ターンオーバーを記録した町田は「相手の大きさだったり、手の長さでカットされていたので、その辺りをもう少し頭に入れて、タイミングなどを考えてパスをするべきだなと思いました」と、次の試合への課題を語った。

日本はベルギーから24ターンオーバーを引き出す積極的なディフェンスで、ターンオーバーからの得点でも相手の25-10と大きく上回った。

ベルギーはミースマンが30得点、8リバウンド、5アシスト、メスタフが19得点、4アシストを記録し、2019年にWNBAで優勝を果たした元ワシントン・ミスティックスのコンビが活躍した。

試合のMVPには日本の三好、MIPにはベルギーのミースマンが選出されている。

次戦、日本は17日にプエルトリコ代表と対戦する。

ボックススコア

大西玲央 Reo Onishi

大西玲央 Reo Onishi Photo

アメリカ・ニュージャージー州生まれ。国際基督教大学卒。NBA Japan / The Sporting Newsのシニアエディター。記事のライティング以外にもNBA解説、翻訳、通訳なども行なっている。訳書には『コービー・ブライアント 失う勇気』『レイ・アレン自伝』『デリック・ローズ自伝』「ケビン・ガーネット自伝』『ヤニス 無一文からNBAの頂点へ』。