オリンピックで活躍した選手&悔しい思いをした選手たち|パリ五輪2024

Stephen Noh

坂東実藍 Miran Bando

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パリオリンピック2024男子バスケットボールは、大会前の下馬評どおり、アメリカが金メダルを獲得して幕を閉じた。

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アメリカのロスターは、シンプルに強かった。だが、ここ2週間の大会で目立ったのは、アメリカの支配力だけではない。アメリカも含めた様々なチームの様々な選手たちが、個の面で素晴らしいパフォーマンスを披露している。

ここでは、パリオリンピック2024で活躍した選手、悔しい思いをした選手を振り返り、NBAの新シーズンに向けての意味をまとめていく。

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Stephen Curry USA Basketball
(Getty Images)

パリオリンピック2024で活躍した選手

ステフィン・カリー

おそらく、カリーが所属するゴールデンステイト・ウォリアーズは、来季のNBAで優勝できないだろう。だが、カリー自身はいまだNBAでトップクラスの選手であることを示した。オリンピック最後の2試合で36得点、24得点をあげたのだ。

決勝戦の最後の3分間で4本の3ポイントショットを沈めたことは、彼のキャリアでもトップクラスに位置づけられる出来事だろう。

カリーはいずれも接戦となり、アメリカが自分を必要とした2試合で見事な活躍を見せた。この夏、彼はそのレガシィ(遺産)をさらに増したのだ。オリンピックでの金メダルは、彼のトロフィーケースに唯一足りないものだった。

レブロン・ジェームズ

39歳という年齢にしてなお、ジェームズはアメリカ代表のベストプレイヤーだった。パスのビジョンは素晴らしく、決勝で見せたデビン・ブッカーへのビハインド・ザ・バックのパスは、まさにレブロンという典型だった。

そして、ジェームズはいまだ恐るべきスコアラーでもあることを証明した。彼が突破した時は誰も止めることができず、ポストではどの相手も力で上回ったのだ。

来季もジェームズはオールNBA級のプレイを見せるはずだ。ロサンゼルス・レイカーズのファンにとっては、アンソニ-・デイビスも守備で見事な活躍を見せたことがなお良かった。

ケビン・デュラント

デュラントは準々決勝でオリンピックにおけるアメリカ代表の通算最多得点記録を更新した。最も重要な局面のいくつかで、1on1では誰にも止められないということを思い出させた。

手に汗握る展開の末にセルビアを下した一戦で、デュラントが決めたアイソレーションからのジャンプショットは、この試合のアメリカで最も重要な得点だった。

ビクター・ウェンバンヤマ

フランスは決勝戦で敗れたかもしれない。だが、それはウェンバンヤマが原因ではない。彼はフィールドゴール成功率57.9%で試合最多の26得点をあげ、ところどころでまったく止められないかのようだった。

7フィート4インチ(約224センチ)の選手がこのように動くなど、説明不可能だ。

そしてウェンバンヤマが弱冠20歳にしてこれだけのことをしているのが素晴らしい。大会最高のディフェンダーであり、大会有数のスコアラーだった。

決勝の途中にジョーダン・クラークソンも投稿したが、ウェンバンヤマはいつかNBAのあらゆる賞を手にすることだろう。

ヤニス・アデトクンボ

アデトクンボは周囲に素晴らしいメンバーがそろっていなかった。それでも大会通算平均25.8得点をあげ、ギリシャを決勝トーナメントに導いている。FG成功率は67.8%と、ショットをまったく落とさないかのようだった。世界最高の選手のようで、ミルウォーキー・バックスにとっては素晴らしい知らせだ。

ガーション・ヤブセレ

ヤブセレは生涯語り継いでいくようなハイライトプレイで活躍した。決勝ではジェームズ相手にダンクを叩きこんでいる。ウェンバンヤマに続くフランス2番手のスコアラーとなり、そのサイズを生かしてあらゆる相手を苦しめ、決勝では20得点をマークした。

かつてボストン・セルティックスに在籍したヤブセレは、NBAでは続けることができなかった。だが、そのNBAの最高級の選手たち相手に渡り合えると示し、再び注目されるかもしれない。

Jamal Murray
(NBAE via Getty Images)

パリオリンピック2024で悔しい思いをした選手

ジャマール・マレー

カナダは今大会でアメリカの最大の挑戦者になると見られていた。だが、準々決勝でフランス相手に敗退を余儀なくされている。

彼らが苦しんだ根本的な原因のひとつが、FG成功率29.0%、平均6.0得点にとどまったマレーだ。フランス戦ではFG13本中3本成功にとどまり、ターンオーバーも3つだった。

マレーはこれ以上ないほど最悪のタイミングで苦しんだ。昨季のNBAプレイオフでも、何度か決勝点をあげたが大活躍できなかった。4年2億900万ドル(約307億2300万円/1ドル=147円換算)の契約を結べるが、一時は絶対と見られていたこの契約を結ぶべきか、デンバー・ナゲッツは慎重にならなければならないだろう。

ルディ・ゴベア

ゴベアはフランスで主役級になるはずだった。だが、ほとんど重要な存在になれなかった。

フランスの最後の3試合で、ゴベアの出場時間は合計21分間にとどまっている。決勝も出場12分で2得点という数字だった。彼の役割がこれほど小さなものになった理由は様々だ。ただ、最大の理由はシンプルに、ゴベア不在のほうがより良いプレイができるとバンソン・コレー・ヘッドコーチが考えたからである。

ゴベアは常にかなりの批判を浴びせられてきた。今大会の出来は、ヘイターたちに新たな攻撃材料を与えてしまったかもしれない。

ジェイソン・テイタム

テイタムは昨季のNBAで優勝し、オールNBAファーストチームに選ばれた選手だ。しかし、アメリカの6試合のうち2試合で出場機会すらなかった。

決勝戦ではもっと機会があったが、11分間のプレイで効率的でなく、スティーブ・カー・ヘッドコーチが下げざるを得なかった。守備で2つのファウルも犯し、攻撃では2得点にとどまっている。

今大会は、テイタムが年上の選手たちからバトンを引き継ぐのに役立つかもしれないとの声もあった。だが、彼は大半をベンチから見守ることになったのだ。

今では、テイタムがロサンゼルスオリンピック2028に出場するかも分からない。

原文:Olympics basketball winners and losers 2024: Stephen Curry cements legacy; Jamal Murray's worrying slump(抄訳)
翻訳:坂東実藍

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Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。