9月5日、日本バスケットボール協会の三屋裕子会長が、同日閉幕した東京2020パラリンピックに出場した車いすバスケットボール男女日本代表に向けて、声明文を通じてコメントを発表した。
三屋会長は、大会を大いに盛り上げた車いすバスケ日本代表チームについて、同協会が掲げる「バスケで日本を元気に」のスローガンを体現した「同じバスケ界の仲間」として、敬意を表している。
特に、今パラリンピックで史上初の銀メダルを獲得した車いすバスケ男子日本代表チームについて、先の東京オリンピックで銀メダルを獲得した5人制バスケ女子日本代表に倣って、「スーパーチーム」という言葉で称賛した。
「スーパーチーム」は、5人制バスケ女子日本代表のトム・ホーバス・ヘッドコーチがアメリカ代表とのオリンピック決勝戦後の記者会見で自分たちのチームについて「スーパースターはいませんが、スーパーチームです」と称えたことで話題となり、一種の流行語にもなっている。車いすバスケ日本代表チームが今大会を通じて見せた組織力、チーム一丸となって戦う姿勢は、三屋会長が言うようにまさに「スーパーチーム」と呼ぶにふさわしく、その活躍に対して最大限のリスペクトを示した格好だ。
以下、三屋会長のコメント全文(財団法人 日本バスケットボール協会発表資料より引用)。
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車いすバスケットボール日本代表の選手、コーチ・スタッフ、関係者の皆様、東京2020パラリンピックの戦いお疲れ様でした。同じバスケ界の仲間として、「バスケで日本を元気に」を体現してくださった皆様に敬意を表します。
女子代表は6位、男子代表は銀メダルを獲得と、大活躍の今大会でした。私も手に汗を握りながら、コート上で輝く選手の皆様を応援し、勝敗に一喜一憂していました。
特に、初めてのメダルを掴み取った男子代表チームの皆様、本当におめでとうございます。まさに「スーパーチーム」と呼ぶにふさわしいプレーの数々は、私だけではなく、日本中の多くの方々が皆様のエネルギーを感じられるものだったと思います。
このオリンピック、パラリンピックでのバスケットボール選手たちの活躍を通じて、体格差のある相手をも凌駕するプレー、想像を超える選手のパフォーマンスに、人間の可能性は無限であることを感じました。また、国籍や生い立ち、性差、年齢、障がいの有無等、結果のみにとらわれないさまざまな価値観に触れ、バスケットボールがダイバーシティー&インクルージョンを表現できる素晴らしいスポーツだと実感しました。
その素晴らしさをあらためて胸に刻むとともに、多くの方々から 「バスケは面白い」 とおっしゃっていただけたことを自信に、今後もバスケ界 「日本一丸」 となって、競技の発展に努めてまいります。
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車いすバスケ男子日本代表は、大会最終日の5日、決勝戦でアメリカ代表と接戦を演じた末に、男子としては史上初のメダル獲得かつ男女通じて過去最高位(2位)となる銀メダルを獲得。前回リオデジャネイロ大会(2016年)の9位、過去最高位だった7位(2008年の北京大会)を上回る大躍進となった。女子代表は、最終的に金メダルを獲得することになるオランダ代表に準々決勝で敗れ、続くカナダ代表との順位決定戦の末に大会を6位で終えている。