バスケ男子 ホーバス新HC率いる新生日本代表が中国に敗れるも新加入組がインパクト残す

及川卓磨 Takuma Oikawa

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ホーバス新HCの初陣飾れず

11月27日、FIBAバスケットボール ワールドカップ2023アジア地区予選ウィンドウ1の中国代表対日本代表の第1戦がゼビオアリーナ仙台(宮城県仙台市/来場者数1572人)で行われ、日本は63-79で敗れた。トム・ホーバス新ヘッドコーチにとっての初陣を飾ることはできなかった。

男子日本代表にとって東京オリンピック以来初めての実戦となったこの試合は、ホーバスHC就任後初めての代表チーム、初めての試合でもあった。東京五輪でバスケットボール女子日本代表を銀メダルに導いたホーバスHCが男子代表の指揮官に転身して臨んだ初の公式戦という注目の一戦だったが、強豪中国の前に黒星発進となった。

日本は富樫勇樹、比江島慎、張本天傑、シェーファーアヴィ幸樹の東京五輪出場メンバー4人にアキ・チェンバースを加えた5人が先発出場した。試合開始から8-0と中国に連続得点を許した日本は、第1クォーターの10分間で11-27と大差をつけられる。

第2Qは初代表の西田優大、代表復帰組の古川孝敏、チェンバースらの3ポイントショットが決まって18-18と互角のスコアに持ち込み、前半を29-45で折り返した。だが、後半に入って第3Qには再び11-19と中国に点差を広げられ、この時点で40-64と24点の大差をつけられる。

第4Qはようやく日本の良いディフェンスとオフェンスのリズムが生まれ、速い展開から23得点をあげる一方で中国を15点に抑えるなど反撃して見せたが、最後は16点差での敗戦となった。

大差で敗れたものの、代表デビュー戦となった齋藤拓実と西田のベンチからの活躍は大きな収穫だったと言えるだろう。西田は3P7本中3本を成功させてチームトップの11得点。齋藤は積極的なドライブからのキックアウトパスなどでオフェンスの流れを生み出し、10分54秒の出場で4得点、3アシストとインパクトを残した。

また、初代表で帰化選手のルーク・エヴァンスはシュートタッチこそ奮わなかったものの、中国の高さに懸命に対抗する姿勢を見せて10得点、8リバウンドを記録。東京五輪代表不選出から今回代表に復帰した最年長36歳の竹内公輔も、6得点、5リバウンドと奮闘した。

そのほか、先発PGを務めた富樫が7得点、5アシスト、チェンバースが7得点、2アシスト、1スティール、1ブロック、藤井祐眞が10分49秒の出場時間で5得点をマークした。日本はベンチ入りした12人が全員7分以上プレイし、全員が2得点以上を記録した。

ホーバスHCは試合後「中国のプレッシャーの影響でリズムを失い、試合序盤はあまりうまく行きませんでした」と語っている。

「第1Q終盤に落ち着きを取り戻すと、自分たちにできることが見えるようになりました。終わり方は良かったと思います。選手たちがハードにプレイしてくれたことはポジティブに捉えています」。

また、富樫は「最初の5分間が全てだと思います。相手がプレッシャーをかけてきて、シュートを決められませんでした。そこに尽きます」と、試合序盤の悪い流れを挽回しきれなかったことが敗因としている。

中国は、後半開始から4分が過ぎた場面で右足首をひねって負傷退場した212cmのセンター、ジョウ・チー(周琦)がそれまでの19分34秒の出場で24得点(前半18得点)、12リバウンド(7オフェンシブリバウンド)、3ブロックとインサイドを支配した。

ジョウがロッカールームに下がった後も、中国はアジア最高のポイントガードと称されるグォ・アイルン(郭艾倫)が巧みなテクニックを見せつけながら、試合合計で3P5本中4本成功を含む24得点とチームを引っ張り、優位を保ち続けた。

中国は第4Qに日本の反撃を許したものの、勝負の決まっていた残り15秒でわざわざタイムアウトを取って最後の攻撃に備えた。最後まで気を引き締めて戦い続ける様子は、このW杯アジア地区予選に懸ける彼らの意気込みを感じさせた。

ウィンドウ1の第2戦(日本対中国)は、明日28日に同会場で行われる。

ボックススコア

Photo courtesy by FIBA


日程・放送・配信予定

第2戦:日本代表 対 中国代表

11月28日(日)18:35試合開始予定
中継(放送・配信):BS朝日/DAZN

会場:ゼビオアリーナ仙台(宮城県仙台市)


FIBA W杯2023アジア地区予選 概要

FIBAバスケットボール ワールドカップ2023は、2023年9月にフィリピン、日本、インドネシアの3か国で共催されるバスケットボールの国別世界一決定戦(32チーム出場)。今週末開催されるアジア地区予選には、オーストラリア、バーレーン、中国、台湾(チャイニーズ・タイペイ)、インド、インドネシア、イラン、日本、ヨルダン、カザフスタン、韓国、レバノン、ニュージーランド、フィリピン、サウジアラビア、シリアの16チームが出場する。

2021年11月のウィンドウ1を皮切りに、2022年2~3月(ウィンドウ2)、6~7月(ウィンドウ3)の1次予選、2022年8月(ウィンドウ4)、11月(ウィンドウ5)、2023年2月(ウィンドウ6)の2次予選と6回の予選を経て2023年のワールドカップ出場枠を争う。

開催国枠としてワールドカップ出場権を保持しているフィリピンと日本に加えて、アジア地区からは6チームが出場権を得る(※インドネシアが2022年7月に予定されているアジアカップで準々決勝進出を果たせばワールドカップ出場権を開催国枠で獲得することになるため、その場合は残り5枠となる)。

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及川卓磨 Takuma Oikawa

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スポーティングニュース日本版編集長。千葉県生まれ、茨城県育ち。2000年日本大学卒。大学在学時を含めて丸14年間バスケットボール専門誌の編集者として企画立案・取材・執筆・編集・誌面制作・マルチメディア運営等に携わる。2013年秋にNBA日本公式ウェブサイト『NBA Japan』編集長就任。サイトやNBA日本公式ソーシャルメディアの新規開設に携わると同時にメディア運営を主導。2022年4月より現職。主な競技経験はバスケットボール、野球、サッカー。