アジアカップ・女子バスケ:日本代表の赤穂ひまわりが大会MVPに選出

大西玲央 Reo Onishi

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10月3日、ヨルダンにて開催されていたFIBA女子アジアカップ2021は、決勝戦で日本代表が78-73で中国代表を破り、大会史上初となる5連覇を達成する形で幕を閉じた。

大会MVPには日本の赤穂ひまわり(#88/デンソー・アイリス)が選出された。赤穂は大会を通して5試合で平均10.6得点、5.0リバウンド、1.6アシスト、2.2スティール、0.8ブロック、フィールドゴール成功率51.3%、3ポイント成功率53.8%、フリースロー成功率100%という数字を残した。

出場時間の平均29.5分はチームトップであり、攻守でチームに大きく貢献。日本の恩塚亨ヘッドコーチも、「彼女がコートにいるあいだはオフェンスでもディフェンスでも、(チームが)素晴らしいリズムでプレイできていたと思っています」と、決勝翌日に行なわれたメディア対応にて語った。

中国との決勝戦がまさにそれを物語っていた。赤穂はフィールドゴール試投数がわずか4本で、今大会で初めて無得点に終わったのだが、8リバウンドを獲得。そして出場時間はチームトップの33分51秒だったのだ。それだけ赤穂のコートでの存在感は大きかった。

本人はMVP受賞に関して「みんなに迷惑をかけて全然良いプレイができなかったのですが、チームバスケで取れたMVPなのでみんなに感謝しかないです」と周りを立てたが、赤穂のプレイが際立っていたことは誰もが認めるところ。それを証明するMVP受賞となった。

赤穂自身も大会に向けた合宿前の面談で「数字に残らないところでも活躍できる選手になりたい」と述べていたと恩塚HCは説明した。まさに有言実行だ。

恩塚HCは赤穂に対して「これだけ身体を張って、死力を尽くして、最後まともに立てなくなるぐらい頑張っていながら、得点が取れなかったことに謙虚に向き合える赤穂選手のチームへの想いには、心から尊敬する気持ちを持っています」と賞賛した。

そして赤穂は決して得点力がないわけではない。今大会は3ポイントショットを13本中7本と高確率で決め、中でも外でも得点を重ねることができるオールラウンダーとしての力も見せつけた。

恩塚HCも「決勝戦は得点を取る機会があまりなかったのですが、彼女はスコアラーとしても高い能力を持っているので、自分の力を信じて世界最高の選手になって欲しいと思っています」と期待を込めた。

東京オリンピック、そして今回のアジアカップで海外選手を相手に結果を出し、さらに選手として磨きのかかった赤穂が今後は代表のリーダーのひとりとして日本を牽引していく。


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大西玲央 Reo Onishi

大西玲央 Reo Onishi Photo

アメリカ・ニュージャージー州生まれ。国際基督教大学卒。NBA Japan / The Sporting Newsのシニアエディター。記事のライティング以外にもNBA解説、翻訳、通訳なども行なっている。訳書には『コービー・ブライアント 失う勇気』『レイ・アレン自伝』『デリック・ローズ自伝』「ケビン・ガーネット自伝』『ヤニス 無一文からNBAの頂点へ』。