トーマス・サトランスキー率いるチェコがカナダを撃破、東京五輪最終予選準決勝まとめ

大西玲央 Reo Onishi

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6月29日から7月4日まで、東京オリンピックに出場する最後の4か国を決めるオリンピック最終予選がセルビア、リトアニア、クロアチア、カナダで開催されている。大会4日目は準決勝8試合が行なわれた。

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セルビア大会

セルビア(グループA 1位)102-84 プエルトリコ(グループB 2位)

セルビアは5選手が二桁得点を記録するバランスの取れたオフェンスでプエルトリコに勝利し、決勝戦へと駒を進めた。第1クォーター終わりにマイアミ・ヒートのネマニャ・ビエリツァが決めた3ポイントショットでリードを奪ったセルビアは、その後リードを広げ続けた。チームトップはバシリイェ・ミチッチの21得点。プエルトリコはアイザイア・ピネイロがゲーム最多の23得点をマークした。

NBA選手の活躍
ビエリツァ(セルビア)が18得点、7リバウンド、ダラス・マーベリックスのボバン・マリヤノビッチ(セルビア)が5得点、4リバウンド、そして過去にロサンゼルス・クリッパーズでプレイしたミロシュ・テオドシッチが11得点、10アシストを記録した。

イタリア(グループB 1位)79-59 ドミニカ共和国(グループA 2位)

第3クォーターに連続17得点を獲得したイタリアが試合の主導権を奪い、そのまま振り返ることなく勝利を収めた。チーム最多は放った3Pショット3本を全て決めたシモーネ・フォンテッキオの17得点。ドミニカ共和国はブランドン・フランシスが12得点をマークした。

NBA選手の活躍
ゴールデンステイト・ウォリアーズのニコ・マニオン(イタリア)が8得点、ダラス・マーベリックスのニコロ・メッリ(イタリア)が5得点、5リバウンドを記録した。

決勝戦

セルビア対イタリア(日本時間7月5日午前3時半)


リトアニア大会

リトアニア(グループA 1位)88-69 ポーランド(グループB 2位)

第3クォーターにポーランドをわずか6得点に抑えたリトアニアがそれをきっかけに二桁リードを奪い、ホームに集まった観衆の前で決勝戦進出を決めた。リトアニアはチーム最多がインディアナ・ペイサーズのドマンタス・サボニスの17得点、ポーランドはAJ・スローターが19得点をマークした。

NBA選手の活躍
サボニスはフィールドゴール10本中7本成功の17得点、8リバウンド、メンフィス・グリズリーズのヨナス・バランチュナスは15得点、8リバウンドを記録した。

スロベニア(グループB 1位)98-70 ベネズエラ(グループA 2位)

第1クォーターに連続9得点を獲得したスロベニアが序盤からリードを作り、試合を優位に進めた。スロベニアはダラス・マーベリックスのルカ・ドンチッチとリーガACBのバレンシアで活躍するマイク・トービーが2人合わせて50得点と大活躍。ベネズエラはペドロ・チュリオとマイケル・カレーラがそれぞれ16得点をマークした。

NBA選手の活躍
ドンチッチ(スロベニア)が23得点、9リバウンド、13アシストとトリプルダブルに近い活躍を見せた。デンバー・ナゲッツのブラッコ・チャンチャー(スロベニア)は6得点、3リバウンドを記録した。さらにマイアミ・ヒートのゴラン・ドラギッチの弟であるゾラン・ドラギッチ(スロベニア)が12得点、5リバウンドと活躍した。

決勝戦

リトアニア対スロベニア(日本時間7月5日午前1時半)


クロアチア大会

ドイツ(グループA 1位)86-76 クロアチア(グループB 2位)

ドイツがボーヤン・ボグダノビッチ(クロアチア)の38得点という大活躍を退け、クロアチアへの勝利で最終予選決勝戦へと駒を進めた。第4クォーターに8点リードされながらも、ドイツはスモールボールラインナップへ切り替え、徐々にリードを削っていき逆転勝利へと繋げた。ドイツはマオド・ローが29得点、8アシストを記録した。

NBA選手の活躍
ユタ・ジャズのボグダノビッチ(クロアチア)がフィールドゴール19本中11本成功でオリンピック予選大会記録を塗り替える38得点の大活躍。これまでの記録はダーク・ノビツキー(ドイツ)の35得点だった。ドイツはオーランド・マジックのモリッツ・バグナーが6得点、ワシントン・ウィザーズのイザック・ボンガが2得点をマークした。

ブラジル(グループB 1位)102-74 メキシコ(グループA 2位)

前半終わりにブラジルのアレックス・ガルシアがハーフコートブザービーターを決めリードを二桁に広げると、その勢いを後半に持ち込み決勝戦進出を決めた。ブラジルはビトール・ベニテが22得点でチーム最多、メキシコはフランシスコ・クルースが18得点、6リバウンド、6アシストをマークした。

NBA選手の活躍
クリーブランド・キャバリアーズのアンダーソン・バレジャオ(ブラジル)が8得点、過去にメンフィス・グリズリーズやヒューストン・ロケッツでプレイしたブルーノ・カボクロ(ブラジル)が9得点、5リバウンドを記録した。

決勝戦

ドイツ対ブラジル(日本時間7月5日午前2時半)


カナダ大会

カナダ(グループA 1位)101-103 (OT) チェコ(グループB 2位)

第4クォーター残り22秒で6点ビハインドだったカナダは、アンドリュー・ウィギンズの3ポイントプレイと3ポイントショットで試合をオーバータイムへと突入させた。そのオーバータイム残り1.8秒、チェコのトーマス・サトランスキーが決勝ショットを決め、チェコがNBA選手を多数擁する強豪カナダに劇的な勝利を決めた。

NBA選手の活躍
チェコはシカゴ・ブルズのサトランスキーが18得点、7リバウンド、5アシストの活躍で母国を決勝戦へと導いた。Bリーグからは横浜ビー・コルセアーズのパトリック・アウダが16得点、群馬クレインサンダーズのオンドレイ・バルヴィンが14得点、19リバウンドを獲得した。

カナダはニューヨーク・ニックスのRJ・バレットが23得点、5リバウンド、6アシスト、ゴールデンステイト・ウォリアーズのアンドリュー・ウィギンズが22得点、8リバウンド、ニューオーリンズ・ペリカンズのニキール・アレクサンダー・ウォーカーが21得点、サンアントニオ・スパーズのトレイ・ライルズが10得点、11リバウンド、ダラス・マーベリックスのドワイト・パウエルとオクラホマシティ・サンダーのルーゲンツ・ドートがそれぞれ6得点、デトロイト・ピストンズのコーリー・ジョセフが3得点を記録した。ウォリアーズのマイケル・マルダーは出場したものの無得点に終わっている。

トルコ(グループB 1位)対 ギリシャ(グループA 2位)

第1クォーターを8-22とトルコに大きくリードされたものの、第2クォーターに立て直したギリシャが第3クォーターのこり7分4秒に37-34と逆転。第4クォーターは逆に30-16と相手を圧倒し、名将リック・ピティーノ・ヘッドコーチ率いるギリシャが決勝戦進出を決めた。ギリシャは過去にメンフィス・グリズリーズで活躍し、現在スペインのバルセロナでプレイするニック・カレイテスがチーム最多の18得点を記録した。

NBA選手の活躍
コスタス・アデトクンボ(ギリシャ)が2得点を記録した。過去にサクラメント・キングスでプレイしたヨルゴス・パパヤニス(ギリシャ)は14得点、13リバウンドと活躍した。

トルコはフィラデルフィア・76ersのフルカン・コルクマズがゲーム最多となる20得点、ユタ・ジャズのアーサン・イリヤソバが6得点、クリーブランド・キャバリアーズのジェディ・オスマンが4得点、7リバウンドを記録した。

決勝戦

チェコ対ギリシャ(日本時間7月5日午前8時)

大西玲央 Reo Onishi

大西玲央 Reo Onishi Photo

アメリカ・ニュージャージー州生まれ。国際基督教大学卒。NBA Japan / The Sporting Newsのシニアエディター。記事のライティング以外にもNBA解説、翻訳、通訳なども行なっている。訳書には『コービー・ブライアント 失う勇気』『レイ・アレン自伝』『デリック・ローズ自伝』「ケビン・ガーネット自伝』『ヤニス 無一文からNBAの頂点へ』。