11月11日深夜、14日(いずれも日本時間)、バスケットボール男子日本代表は「FIBAバスケットボールワールドカップ2023アジア地区2次予選ウィンドウ5(第5節)」のバーレーン戦、カザフスタン戦を戦う。
今節ポイントガードとして選出されたのは富樫勇樹(千葉ジェッツ)、テーブス海(滋賀レイクス)、河村勇輝(横浜ビー・コルセアーズ)の3人。21歳の河村は今年夏にフル代表デビューを果たしたばかりのチーム最年少ながら、突破力、アシスト力、ディフェンス力などで実力を発揮し、年長者たちを出し抜いて日本代表の司令塔に定着している。
今節は得点面での貢献が高い馬場雄大(NBA Gリーグ テキサス・レジェンズ)、西田優大(シーホース三河)、比江島慎(宇都宮ブレックス)らが不在。トム・ホーバス・ヘッドコーチは得点よりも失点を減らすことの重要性を強調したが、コートに立つ全員が得点意識を高めることも大切なファクターだろう。富樫は第5節に向けた直前合宿中の今月4日に行われたオンライン記者会見で「(ポイントガードである)僕や河村選手の得点機会が増えると思うし、得点を意識したい」と話している。
自分の役割はシューターやビッグマンを活かすこと
ただ、河村の考え方は富樫と少し異なるようだ。同じく4日の会見で「スコアラー不在の今節をどう戦いたいか?」というメディアからの問いに対して、河村は以下のように答えている。
「僕がスコアリングする状況は増えると思いますが、代表での自分の役割は、チーム全員で動きながらペイントアタックして、シューターやビッグマンを活かすことだと思っているので、そこはブレさせたくありません。ディフェンスでアグレッシブなプレッシャーをかけることも同様です。シュートはあくまで『自分がベストだと思うタイミングで打つ』という感覚でいます」
FIBAランキング38位の日本代表に対し、今節対戦するバーレーンとカザフスタンは格下の相手(バーレーンが86位、カザフスタンが65位)で、カザフスタンとは8月に行なわれた第4節で73-48と大勝している。イレギュラーな状況で戦う今節に必要以上にアジャストせず、あくまで今後の展開や自身の成長にフォーカスしていることがうかがえるコメントだ。
今はチャレンジすることが大切
とはいえ、得点の積極性は「ホーバスジャパン」としての河村にとって大きな課題。本人も「強みとしているドライブとアシストを最大限に活かすためにも、得点力は必須だと思う」とそれをしっかり認識しており、横浜BCでも流れを変えるようなシュートを躊躇なく打ち切るシーンが増えている。「代表の経験とトムさんのアドバイスで積極的にプレイできるようになってきました。次の壁の安定性を身につけるために、今はチャレンジすることが大切」というのが、現在の河村の考えだ。
先のカザフスタン戦では7得点7アシストと躍動し、ハイライト映えするプレイも見せた。来たるべき"本番"を見据えて冷静にステップアップをはかる河村が、今節でどのようなパフォーマンスを見せるかが楽しみだ。
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