ラプターズのチーム改造
トロント・ラプターズは、スター選手流出後にロースターを全面改造してすぐに調子を取り戻した数少ないチームのひとつだ。ボッシュを失った後の4年間でラプターズはチームのアイデンティティを再形成し、再びイースタンカンファレンス・ファイナルを目指すようになった。
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2009-10シーズン終了後、チーム歴代最高の得点数と出場時間 (両記録ともその後デマー・デローザンに破られた) に加え、リバウンドやブロックでもチーム1位だったボッシュがヒートに移籍した。その翌年、ラプターズはチーム史上ワースト3位の成績でシーズンを終えた。
しかし、ボッシュ退団後のラプターズには大きな出来事が3つ起こった。
まず、ボッシュが移籍する直前の2009年のドラフトでデローザンを獲得した。さらに、2011年に優勝したダラス・マーベリックスでディフェンス面を強化していたアシスタントコーチ、ドウェイン・ケイシーをHCに招聘した。
そして、2013年のドラフト指名権と引き換えにカイル・ロウリーをトレードで獲得した。
キャリアを通じて過小評価されてきたロウリーはラプターズでその才能を開花させ、チームは翌年プレーオフに復帰した。
シーズン ラプターズの成績
2009-10 40勝42敗
2010-11 22勝60敗
2011-12 23勝43敗
2012-13 34勝48敗
2013-14 48勝34敗*
2014-15 49勝33敗*
2015-16 56勝26敗**
2016-17 51勝31敗*
2017-18 59勝23敗*
* プレーオフ出場
** カンファレンスファイナル出場
泥沼にはまったチーム
過去10年の間にスター選手が流出し、まだ復活を遂げられていないチームが2つある。フェニックス・サンズとマジックだ。それぞれ違う道から絶望的な状況に追い込まれたが、両チームともポストシーズンになかなか出場できない泥沼にはまったまま無益な年月を過ごしている。
2012年にハワードを失ったマジックは、それ以来プレーオフ争いに加わっていない。
ドラフトでも運に恵まれなかったマジックはHCを次々に変え、過去6シーズンを平均すると1年あたり26勝しか挙げられていない。今年もチーム再建のシーズンとなり、7年連続でプレーオフ出場権を逃すことになるだろう。
2010年にまずスタウダマイヤーが退団し、それからナッシュが2011-12シーズン後にレイカーズに移籍したサンズは、かつての最高チームがこの20年間で時間をかけて解体されてきた。プレーオフ進出は逃したが48勝を挙げた2013-14シーズンに1年だけチーム状態が上向いたものの、それ以外はほぼ惨めな成績で昨年はわずか21勝に終わった。
現在2勝8敗のサンズは、このまま9年連続のポストシーズン不出場となるとチーム最低記録を更新することになる。
シーズン マジックの成績 サンズの成績
2011-12* 37勝29敗** 33勝33敗
2012-13 20勝62敗 25勝57敗
2013-14 23勝59敗 48勝34敗
2014-15 25勝57敗 39勝43敗
2015-16 35勝47敗 23勝59敗
2016-17 29勝53敗 24勝58敗*
2017-18 25勝57敗 21勝61敗
* ハワード(マジック)と、ナッシュ(サンズ)の最終在籍年
** プレーオフ出場
ものすごい幸運
スター選手が流出したチームが勢いを落とさず持ちこたえるには、本拠地のロケーションが鍵になるかもしれない。チームの本拠地がスター選手の出身地であれば、地元に戻ってきて優勝への道筋を導き出してくれるからだ。
この選択枝は多くのチームが持ちうるものではないが、キャバリアーズは2010年にヒートに移籍したジェームズを2014年にFAで再獲得してみせた。
ジェームズ不在時のチームの出来は(とても)ひどかった。しかしオハイオ州北東部に対する義務感に駆られて、今年の夏にロサンゼルスに向かうまでの間ジェームズは地元に戻ってきた。その4年間でキャブズはNBAファイナルに4年連続で出場し、2016年にはゴールデンステイト・ウォリアーズを下して優勝した。
もちろんそれは堅実な再建プランではなかったが、ジェームズの復帰によってキャバリアーズは一気に再浮上した。その落差たるや、スター選手を放出したどのチームも同じような幸運を願ったことだろう。
シーズン キャバリアーズの成績
2009-10* 61勝21敗
2010-11 19勝63敗
2011-12 21勝45敗
2012-13 24勝58敗
2013-14 33勝49敗
2014-15** 53勝29敗
* ジェームズの最終在籍年
** ジェームズ再入団
(完)
原文:What happens when NBA stars leave? Road back to relevance isn't easy
翻訳:Kaito Kato
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