ウェスト地区第1シードのゴンザガ大学、八村塁を軸に悲願の初優勝を目指す!

Akira Uchida

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3年生フォワード八村塁が所属するゴンザガ大学は現地時間3月21日、フェアレイ・ディキンソン大学とNCAAトーナメント(通称マーチ・マッドネス)の第1ラウンドを戦う。 

ゴンザガ大が戦う西地区は、昨年のトーナメントで敗れたフロリダ州立大学、今年のドラフト3位指名との呼び名が高いジャ・モラント率いるマレー州立大学、2018年NCAAトーナメント準優勝のミシガン大学と強豪がひしめく地区だ。

ここでは、ゴンザガ大の初優勝へのカギを握る3つのポイントを紹介する。

スタメン5人中4人が二桁得点。全米1位を誇る得点力

ゴンザガ大の強みは、どこからでもポイントが狙える得点力だ。その中心にいるのが、ネイスミス賞(大学最優秀選手賞)のファイナリストに入った3年生フォワードの八村塁。今季は開幕戦でキャリアハイの33点を皮切りにチーム最多の1試合平均20.1点を記録し、FG成功率も脅威の60%を超えるなどエースとしてチームを支えた。

全米1位の1試合平均88.8点を誇るオフェンスは、八村以外にもインサイドを支配するFブランドン・クラークや、点取り屋Gザック・ノーベル、試合運びがうまいPGジョシュ・パーキンズなど、スタメン5人中4人が二桁得点を記録している。

更に昨年はスタメンで二桁得点を記録していた、フランス人シューターのFキリアン・ティリーが足のケガから復帰したことにより、選手層は一層厚くなった。ウェスト・コースト・カンファレンス(WCC)決勝の時のようにスローペースな試合展開に持ち込まれると苦しくなるが、ターンオーバーを抑え、八村、クラークのビッグマンコンビを軸にペイント内やミッドレンジの得意なスポットから攻撃を展開したい。

八村塁とともに攻撃陣を牽引するブランドン・クラーク

八村も全幅の信頼を寄せる「チームの心臓」ジョシュ・パーキンズ

リーグナンバーワンの得点力を操るのが、司令塔のパーキンズだ。八村が「入学して一番お世話になった」と語るパーキンズは今季、PGとして最高の名誉に当たるボブ・クージー賞のファイナリストに残るなど、安定したシーズンを送った。ホーム最終戦でも、ひときわ大きな歓声を浴びるなどファンからの人気も高く、コート上では絶対的な存在感を発揮する。彼がうまく試合をコントロールできれば、悲願の初優勝も見えてくるだろう。

ゴンザガ大ブルドッグスの「心臓」、ジョシュ・パーキンス

ゴンザガのエースとなった八村。努力で勝ち取ったチームからの信頼 

八村が一気に注目を集めたのはハワイで行われたマウイ・インビテーショナルでの活躍だろう。3試合で平均22.3点を記録し、当時、全米最強と呼ばれたデューク大学を破った原動力となってMVPを獲得。しかし、 ここまでの道のりは決して平坦ではなかった

この3年間、近くで見守っていたマーク・フューHC(ヘッドコーチ)は、「ここまでは彼にとっても大変な道のりだったと思う」とホーム最終戦後に述べた。さらに、「彼は英語での授業や練習時間、そして私からの叱責に一生懸命耐えた。だからここまで成長した姿を見れたのは本当に嬉しい」と、しみじみ語った。

PGパーキンスも八村のポテンシャルを信じていた一人だ。「彼が来てから毎日、お前がコート上ではナンバーワンプレーヤーだと3年間言い続けたよ」と嬉しそうに話した。「シュートも打てるし、ドリブルもうまい。本当にモンスターだよ」。

エースとしての信頼を勝ち取った八村は、ブルドッグスを率いてトーナメントに乗り込む。

マウイ・インビテーショナルでMVPに輝いた八村塁

ウェスト・コースト・カンファレンス(WCC)の決勝でまさかの敗戦を喫し、ぎりぎりでウェスト地区の第1シードに入ったゴンザガ大。だが、過去のトーナメントでは4年連続でスイート16(ベスト16)に進出するなど、抜群の安定感を誇る。唯一の懸念点は今季TOP25の大学との対戦は1勝2敗、さらにWCCはゴンザガの“1強”だったため、強豪との対戦経験が少ない。順当にいけば、エリート8(ベスト8)でテキサス工科大学か昨年のトーナメント準優勝のミシガン大学と対戦する可能性が高く、ここが山場となるだろう。

米スポーツ界で最も盛り上がる一大イベント『マーチ・マッドネス』。ゴンザガ大悲願の初優勝へ向けて、エース八村の戦いが始まる。

▼ゴンザガ大学の第1シードが発表された瞬間の選手たち

Akira Uchida