WBC2023・1次ラウンド予想丨ドミニカ共和国、ベネズエラ等プールDのオッズ・海外の評価・勢力図は?

Sporting News Japan Staff

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野球世界一決定戦「2023 World Baseball Classic(WBC)」が3月8日に開幕。20チームが出場する1次ラウンドは、5チームずつ4つのプールに分かれて行われる。プールDはドミニカ共和国代表、ベネズエラ代表とプエルトリコ代表も同居し、準々決勝ラウンドへの2枚の切符を懸け、三つ巴の様相となっている。

プールDはアメリカ合衆国フロリダ州マイアミのローンデポ・パークで開催。MLBマイアミ・マーリンズのホームスタジアムでもある同会場は、今大会の準々決勝から決勝でも使用される。ここではプールDを展望する。

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■1次ラウンド予想・プールDオッズ一覧

※3月8日時点

1次リーグ突破チームのオッズ(上位2チーム)

ドミニカ共和国:1.05
ベネズエラ:1.50
プエルトリコ:2.00
イスラエル:12.00
ニカラグア:41.00

首位チームのオッズ

ドミニカ共和国:1.40
ベネズエラ:5.00
プエルトリコ:5.50
イスラエル:51.00
ニカラグア:101.00

■ドミニカ共和国代表の予想・評価

プールDで本命視されているのが、東京オリンピック銅メダルのドミニカ共和国代表だ。WBSC(世界野球ソフトボール連盟)世界ランキングは9位だが、8日時点での優勝オッズは2.87でトップ。ドミニカ共和国は第3回大会のWBCを制しており、今大会も優勝候補に挙げられている。その第3回大会でMVPに輝いたロビンソン・カノ(ニューヨーク・メッツ)がキャプテンを務め、精神的支柱を担う。

ドミニカ共和国の武器は重量打線。MLB各チームで主軸を担う選手がズラリと並ぶ。だが、その打線から大物選手の状態に不安を抱える。まずは5日に、2021年アメリカン・リーグ本塁打王のブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)が右膝の違和感によりWBCを欠場することが決定。さらにフアン・ソト(サンディエゴ・パドレス)もふくらはぎの張りを訴え、状態面が懸念されている。ソトまで欠くことになると、破壊力はやや落ちるだろう。

それでも昨季32本塁打のマニー・マチャド(同)、アメリカン・リーグ新人王のフリオ・ロドリゲス(シアトル・マリナーズ)らを擁する。特にロドリゲスは昨季メジャーデビューし、打率.284、28本塁打、75打点、25盗塁。さらに強肩を活かした外野の守備と、走攻守三拍子そろった22歳だ。

投手陣も強力だ。サンディ・アルカンタラ(マイアミ・マーリンズ)は、昨季のサイ・ヤング賞投手。慣れ親しんだローンデポ・パークのマウンドでの好投が期待される。

■ベネズエラ代表の予想・評価

世界ランキング6位のベネズエラ代表も、このプールで注目のチームだ。第2回大会のベスト4がWBCでの最高成績となるが、今回は初優勝を狙う。

ベネズエラも強力な打線が持ち味。扇の要を務めるサルバドール・ペレス(カンザスシティ・ロイヤルズ)は、現役屈指のキャッチャーだ。正確なキャッチングや強肩に加え、2021年にはアメリカン・リーグの本塁打、打点の二冠王に輝くなど長打力も兼ね備える。

ほかにも首位打者3回のホセ・アルトゥーベ(ヒューストン・アストロズ)、ロナルド・アクーニャ(アトランタ・ブレーブス)らを擁する。また、ベネズエラも39歳の大ベテラン、ミゲル・カブレラ(デトロイト・タイガース)を招集。首位打者4回、本塁打王2回、打点王2回のスラッガーは、第1回大会から5大会連続での出場となる。

■プエルトリコ代表の予想・評価

世界ランキング13位のプエルトリコ代表は、2大会連続でWBC準優勝。3度目の正直に燃える。チームを率いるのはヤディアー・モリーナ監督。現役時代は強肩を武器に、最高の捕手の1人と称された。WBCにも4回出場し、2回の準優勝に貢献。今回は監督としてこの舞台に戻ってきた。母国を悲願に導くことはできるか。

前回大会はアメリカ代表としてチームの優勝に貢献したマーカス・ストローマン(シカゴ・カブス)が、ベネズエラ代表としてメンバー入り。最速165kmの守護神、エドウィン・ディアス(ニューヨーク・メッツ)にも注目だ。

野手陣も層が厚い。シルバースラッガー賞2度など現役屈指のショートストップでもあるフランシスコ・リンドーア(同)、2018年打点王のハビアー・バエズ(デトロイト・タイガース)らが名を連ねる。横浜DeNAベイスターズのネフタリ・ソトもメンバーに選ばれた。

■イスラエル代表の予想・評価

ドミニカ共和国、ベネズエラ、プエルトリコの前に苦戦が予想されるイスラエル代表。世界ランキングは20位となっている。

野球の強豪国のイメージは薄いものの、ユダヤ系アメリカ人を中心に構成したチームで、前回のWBCでは1次ラウンドを首位通過。韓国代表を追いやったほか、2次ラウンドでは日本代表とも対戦した。前評判は高くないものの、怖さを秘めたチームと言えそうだ。

打線の軸は、メジャー通算171本塁打のジョク・ピーダーソン(サンフランシスコ・ジャイアンツ)だ。

■ニカラグア代表の予想・評価

ニカラグア代表の世界ランキングは17位。

今回がWBC初出場で、選手層は薄い。ブルペン陣でジョナタン・ロアイシガ(ニューヨーク・ヤンキース)、エラスモ・ラミレス(ワシントン・ナショナルズ)が目立つ程度。国内リーグ所属選手が主で、苦戦が強いられそうだ。

■プールD勢力図まとめ

各プール上位2チームが準々決勝ラウンドに通過する1次リーグ。プールDはドミニカ共和国、ベネズエラ、プエルトリコの三つ巴で「死の組」と言えるグループだ。

この3チームはいずれもMLB所属選手を抱えるタレント集団。中でもドミニカ共和国がやや抜けているが、不安材料もあり2位以上が安泰とは言えない。優勝候補がまさかの1次ラウンド敗退という結末もあり得る。

実力伯仲の3チームにとっては直接対決が重要となり、投手起用などに注目だ。一方でイスラエル、ニカラグアとの対戦を落とすわけにはいかず、確実に勝ち星を手にしたい。

中南米の優勝候補が顔を揃えたプールD。いずれも攻撃力が持ち味のチームであり、面白い試合が展開されそうだ。


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日本を拠点に国内外の様々なスポーツの最新ニュースや役に立つ情報を発信しているスポーティングニュース日本版のスタッフアカウント。本家であるスポーティングニュース米国版の姉妹版のひとつとして2017年8月に創刊された日本版の編集部員が取材・執筆しています。