MLB2019シーズン本土開幕となる3月29日に迫ってきた。今季も混戦模様になりそうな【ナショナル・リーグ】の地区ごとの優勝チームと個人タイトルの行方を、米スポーティングニュースが予想する。
【ナ・リーグ 2019年シーズン予想】
ナショナル・リーグは、ここ10年の傾向と同様、今シーズンも各チームの戦力が均衡している。
中地区は激戦区になるだろう。東地区は昨年より全体的に良くなり、逆に西地区は決定材料に乏しい。地区ごとの優勝チームと個人タイトルの行方を予想してみよう。
中地区優勝 - シカゴ・カブス
昨季カブスは95勝を挙げたが、期待外れのチーム成績だったと言わざるを得ない。だが、今年のカブスは期待できる。クリス・ブライアント内野手とダルビッシュ有投手が昨年より体調が良く、2年目のジンクスに苦しんだイアン・ハップ内野手や、ウィルソン・コントレラス捕手などの多くの選手も調子を取り戻してくるだろう。
やや過小評価されている先発ローテーションだが、地区内でのカブス優位は揺るぎない。ミルウォーキー・ブリュワーズは昨季よりやや順位を後退するだろうし、セントルイス・カージナルズはブリュワーズに分が悪い。シンシナティ・レッズは昨季よりましだろうが、最下位の位置は変わらないだろう。カブス優位はいうまでもない。
東地区優勝 - ワシントン・ナショナルズ
ブライス・ハーパー外野手が抜けた穴は大きいが、他のチームはそれでもナショナルズにはかなわない。馬鹿げているが、そう言わざるを得ない。ナショナルズはパトリック・コービン投手を加え、マックス・シャーザー投手とステファン・ストラスバーグ投手の2枚看板からなる先発投手陣がさらに強力になった。打線もトップから下位打線まで穴が少ない。
昨季のナショナルズの不振はイレギュラーだったとも言える。今年はそれを証明するだろう。
西地区優勝 - コロラド・ロッキーズ
意外に聞こえるかもしれないが、ロッキーズの先発投手陣がチームを地区優勝に導くだろう。カイル・フリーランド投手、ヘルマン・マルケス投手、アントニオ・センザテラ投手らは皆若く、ロッキーズはシーズンを通して安定した先発ローテーションを手に入れると思われる。
さらに、野球界最高の三塁手であるノーラン・アレナドがいるし、ダニエル・マーフィー内野手とデビッド・ダール外野手が打線の中軸を担い、トレバー・ストーリー内野手、チャーリー・ブラックモン外野手、そしてイアン・デズモンド内野手ら才能ある選手が打線を埋める。今季のロッキーズの戦力は、昨季1勝の差でロサンゼルス・ドジャーズにさらわれた地区優勝の座を奪うには充分過ぎるほどだ。
ワイルドカード - ロサンゼルス・ドジャーズ、セントルイス・カージナルズ
ここは予想が難しい。ブリュワーズ、カージナルズ、パイレーツ、メッツ、ヒィリーズ、ブレーブス、ダイヤモンドバックス、そしてドジャーズの全チームに可能性があり、そこから2チームしかワイルドカード枠を選ばなくてはいけないからだ。
だが、ここは単純に考えたい。ドジャーズは最も弱い地区に所属しているし、カージナルズにはポール・ゴールドシュミット内野手が加わっている。カージナルズは昨季、惜しくもプレイオフを逃しているが、トレード期限までに投手を補強すれば、トップに近づく確率は高くなるだろう。
リーグ優勝決定シリーズ - カージナルズ対ロッキーズ>優勝はロッキーズ
ロッキーズは昨季の反省を生かし、今季のプレイオフでは打線が上向くだろう。対して、カージナルズはジャック・フラハーティ投手が活躍するだろう。その2つの要素が両チームもリーグ優勝決定シリーズへと導き、その戦いの末、ロッキーズが2007年以来のワールドシリーズ進出を果たすと予想する。
MVP - ポール・ゴールドシュミット(セントルイス・カージナルズ)
ゴールドシュミットは、過去6年のうち5回も候補に挙げられながらMVP逃し続けてきた。ダイヤモンドバックスという注目度の低いチームにいたことがその大きな理由である。それにダイヤモンドバックスの本拠地であるチェース・フィールドは打者の成績を水増ししたと多くの人に思われていることも大きい。
カージナルズに移籍したことで、ゴールドシュミットにはもはやその心配はない。カージナルズは常に全国的な注目を集めるチームであるし、その本拠地は打者に有利な球場ではない。そこで活躍を見せることによって、ゴールドシュミットが挙げた打率とホームラン数の真価が誰の目にも明らかになる。
個人成績はもちろんのこと、カージナルズがプレイオフに進出することがあれば、そのときこそゴールドシュミットが初のMVPを受賞するだろう。
サイヤング賞 - マックス・シャーザー(ワシントン・ナショナルズ)
昨季、ジェイコブ・デグロムが素晴らしすぎたとはいえ、シャーザーがこの賞を受賞しても不思議ではなかった。シャーザーが今年もナショナルリーグ最高の先発ローテーションを牽引し、過去4年で3度目、通算4度目となるサイヤング賞投手になると予想する。
新人賞 - ニック・センゼル内野手(シンシナティ・レッズ)
ナ・リーグ新人賞に予想するニック・センゼルについては、3つの点を挙げたい。
1:センゼルは間違いなく才能に溢れた選手だ。
2:レッズはヤシエル・プイグ、マット・ケンプなどの強打者を打線に加えているので、センゼルが昇格した時にはカバーは万全だ。
3:レッズの本拠地であるグレート・アメリカン・パークは打者にきわめて有利な球場だ。
唯一の問題はセンゼルのメジャー昇格がどのタイミングになるかということだ。もしシーズン開幕直後からセンゼルがプレイしたら、打率.290, ホームラン20本、打点80は固いところだろう。昨季のミゲル・アンドゥハー内野手(ニューヨーク・ヤンキース)は、それに似た成績ア・リーグ新人王の有力候補だった(受賞者は大谷翔平)。センゼルがそれに近い成績を残せば、新人王受賞は間違いないだろう。
最優秀監督賞 - トーリ・ロブロ(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)
ダイヤモンドバックスは、今季苦しい戦いを強いられると見られている。ゴールドシュミットとA.J.ポロック外野手の2人の主力を失っているからだ。つまり、ダイヤモンドバックスが好成績を挙げれば、それは期待以上の成功とみなされ、監督の手腕は最優秀監督賞に相応しいと評価されるに違いない。
実のところ、ダイヤモンドバックスの戦力はさほど悪くない。ザック・グレインキー投手は良いし、ロビー・レイ投手とザック・ゴドリー投手もそうだ。もしダイヤモンドバックスが86勝か87勝を挙げ、ワイルドカード枠を争うようであれば、ロブロを最優秀監督賞に推す声が上がるだろう。
原文:MLB 2019 preview: Predicting the NL's division champs, pennant winner, award getters
翻訳:角谷剛、編集:SNJ編集部
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