1勝4600万円も… プロ野球・年俸と成績単価

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1勝あたり4600万円―。こんな投手がいた。2020年のプロ野球タイトルホルダーたちの年俸と成績の話である。とくとご覧あれ。

 

史上最高値の1勝4643万円

投打の各ビッグ3を選んでみた。

投手はまず日本シリーズで存在感を見せつけたことでNo.1に のし上がった千賀滉大(こうだい)。速球と大野フォークボールで最多勝、防御率、奪三振の“三冠王”である。セのMVP菅野智之(ともゆき)は最多勝。開幕から13連勝で前半の話題をさらった。大野雄大(ゆうだい)は力投で後半のヒーローに。10完投に6完封、そして最多三振と圧巻の投球を見せた。

下記の比較表は、年俸は20年シーズン、カッコ内は項目の1に対する単価で単位は万円。

 

投手 年俸 登板数 投球回 勝利 奪三振
菅野 6億5000万 20(3250) 137.1(471) 14(4643) 131(496)
千賀 3億 18(1667) 121.0(248) 11(2727) 149(201)
大野 1億3000万 20(650) 148.2(87) 11(1182) 148(88)

 

驚くのは菅野。おそらく日本球界で史上最高の単価だろう。入場料1人4500円とした場合、1万人のファン分となり、満員の4分の1が菅野の1勝に観戦料を払った計算となる。

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柳田は本塁打1本2036万円

打者はソフトバンクの柳田悠岐(ゆうき)、巨人の岡本和真(かずま)、楽天の浅村栄斗(ひでと)。「規格外」と例えられる柳田は本領を発揮。タイトルは最多安打だが、打率2位、本塁打3位などをマークし、パのMVPに。岡本は本塁打と打点の二冠でリーグをセの4番打者に成長した。本塁打王の浅村は打点も2位で強打のパを背負う一人となった。

 

打者 年俸 試合数 打数 安打 本塁打 打点
柳田 5億7000万 119(479) 342(167) 146(390) 28(2036) 86(663)
浅村 5億 120(417) 432(116) 121(413) 32(1563) 104(481)
岡本 1億4000万 118(119) 440(32) 121(116) 31(452) 97(144)

 

柳田と岡本を比べると、大きな差がある。積み重ねた成績の違いなのだが、岡本は追い越すことができるか、今後の注目である。

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価値ある新人王の値打ち

対照的に“安月給取り”を紹介しておく。

セの首位打者を獲得したDeNAの佐野恵太(けいた)は2400万円で132安打(3割2分8厘)だから1安打18万円ぽっきり。本塁打は20本なので1本120万円。日ごとに名を売ったのがソフトバンクの周東佑京(しゅうとう・うきょう)。50盗塁で初タイトルの単価は年俸2000万円だったから1盗塁40万円。もっともお安かったのはパの新人王に選ばれた西武の平良海馬(たいら・かいま)で、1200万円の34ホールドポイントだから単価35万円。セの新人王の広島の森下暢仁(まさと)は1600万円の10勝で1勝160万円。菅野のおよそ30分の1。

 

その他の主な選手

  • パ最多勝利=11 楽天・涌井秀章(ひであき)1億2500万(1136)、ソフトバンク石川柊太(しゅうた)4800万(436)
  • パ最多奪三振=149 オリックス山本由伸(よしのぶ)9000万(60)
  • セ最多セーブ=25 阪神ロベルト・スアレス8000万(320)、パ=33西武・増田達至(たつし)1億9000万(576)
  • パ首位打者=3割5分・143安打、オリックス吉田正尚(まさたか)2億(140)
  • パ打点=108 日本ハム中田翔(しょう)2億9000万(269)
  • セ最多安打=146 中日・大島洋平(ようへい)2億5000万(171)
  • セ盗塁=31 阪神・近本光司(こうじ)4500万(145)

 


略歴

菅谷 齊(すがや・ひとし)1943年、東京・港区生まれ、法大卒。共同通信で巨人、阪神、大リーグなどを担当。1984年ロサンゼルス五輪特派員。スポーツデータ部長、編集委員。野球殿堂選考代表幹事を務め三井ゴールデングラブ賞設立に尽力。大沢啓二理事長時代の社団・法人野球振興会(プロ野球OBクラブ)事務局長。ビジネススクールのマスコミ講師などを歴任。法政二高が甲子園夏春連覇した時の野球部員。同期に元巨人の柴田勲、後輩に日本人初の大リーガー村上雅則ら。現在は共同通信社友、日本記者クラブ会員、東京プロ野球記者OBクラブ会長。

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日本を拠点に国内外の様々なスポーツの最新ニュースや役に立つ情報を発信しているスポーティングニュース日本版のスタッフアカウント。本家であるスポーティングニュース米国版の姉妹版のひとつとして2017年8月に創刊された日本版の編集部員が取材・執筆しています。