韓国球界で覚醒したナックル左腕(前編)

Sung Min Kim

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ライアン・フィアベンド。その名前だけは聞いたことがあるかもしれない。シアトル・マリナーズ(2006~2008年)とテキサス・レンジャーズ(2014年)に所属し、メジャーリーグで投手としてプレーしていた選手だ。けれど、球団の主要投手ではなかった。

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メジャーの舞台で最も登板が多かったのは2008年だった。その年の彼の成績は、49.1回を投げ、防御率は8.03で1勝6敗だった。メジャー通算記録は113.1回を投げ、防御率は7.15だ。彼はトリプルAで7シーズン、そして独立リーグでも短期間だがプレーしている。

一般的には、マイナーリーグや独立リーグで多くの報酬を得ることはできない。彼のような選手たちにとっては、アジアでのプレーが現実的な選択肢となる。アジアのチームはより高い報酬額を提示し、多くの試合出場数を保障するからだ。

そして、2014年シーズンを終えた後、フィアベンドはアジアへの道を選択した。左投手である彼は、韓国野球委員会(KBO)のネクソン・ヒーローズと契約、契約金は38万ドルと報じられた。外国人選手を先発ローテーションの要とし、即戦力になることを期待するKBOにおいて、フィアベンドは最初の2シーズンでまずまずの活躍を見せた。

2015年、彼は先発30試合で防御率4.67、13勝11敗というリーグ平均レベルの成績に留まった。2016年には、ネクソンともう1年契約を延長したが、シーズン途中で契約を打ち切られ、その後すぐにKTウィズに拾われることとなる。そのシーズンに彼は7勝13敗、防御率4.45を記録。ウィズは彼との契約延長を決め、2017年の年俸として68万ドルを提示した。フィアベンドの年俸は韓国で活躍する一流外国人選手とはかけ離れたものだった。

ハンファ・イーグルスは右投手カルロス・ビヤヌエバと契約し、1500万ドルを提示した。斗山ベアーズはダスティン・ニッパートとの複数年契約を締結し、2100万ドルを支払っている。これらと比べると、フィアベンドに対する期待が高いものではないことがわかるだろう。

しかし2017年、31歳になったフィアベンドは進化を遂げた。6月13日の時点で、彼は11試合に先発し、7勝3敗、75.2回を投げ、KBO首位となる防御率1.67をマークした。60安打、9四球、64奪三振という記録だ。2017年シーズンにはストライクゾーンの変更(これについては後程述べたい)があったにもかかわらず、驚くべき記録だろう。

フェアベンドの大躍進は、KBOにおいて昨シーズン最も注目を集めることとなった。中でも話題を呼んだのは、新たに彼の球種に加わった、ナックルボールだ。

フィアベンドはKBO史上初の、ナックルボールを武器に持つ投手になったのだ。右投手のチェ・ビョンヨン(SKワイバーンズ所属)や同じく右投げのクリス・オクスプリング(全LGツインズ、ロッテ・ジャイアンツ、KTウィズ所属)といった他のピッチャーも数回ナックルボールを放っているが、持ち球までには至っていない。

(後編へ続く)

Sung Min Kim