3月9日に東京ドーム（東京都文京区）で行われた第5回ワールド・ベースボール・クラシック（2023 World Baseball Classic™｜以下WBC）の1次ラウンド、日本代表・侍ジャパンの初戦となった中国代表との試合で、大谷翔平（ロサンゼルス・エンゼルス）は先発投手兼指名打者として出場し、日本の勝利に大きく貢献した。
本誌『スポーティングニュース』のジェイソン・フォスター記者は、大谷を「完璧な野球兵器」と形容し、日本が生んだ二刀流選手を褒めちぎっている。
WBC初戦から実力を証明した大谷翔平
大谷翔平はただ地球上で最高の野球選手というだけではない。完璧な野球兵器でもあるのだ。我々がそのことを再び思い知るには、2023年のワールド・ベースボール・クラシックのたった1試合だけで十分だった。
普通の投手なら、4回無失点、被安打1本、5奪三振は大喜びするべき結果だろう。
普通の打者なら、時速177kmでフェンスを直撃した2点ツーベースを含む2安打4出塁はかなり良い1日だったと振り返るだろう。
しかし、我々が幸運にも大谷が球場に現れるたびに目にすることができるように、3月9日のWBC1次ラウンド初戦で日本代表・侍ジャパンが中国を8-1で下した試合において、またしても大谷は普通の投手でも普通の打者でもなかった。野球のすべての面においてエリート級の才能を欠かすことなく兼ね備えた、かつて存在したことがない唯一無二の怪物であることを示したのだ。
大谷が投手と打者を両方こなす『二刀流』選手だからといって、ベーブルースと比較することはもうやめるべきだ。大谷の数字をよく見ていくと、時速160km超の速球、えげつない変化球、打球速度、走塁スピードなどなど、もはや比較にならないレベルだ。大谷は2人目のベーブルースではない。ルースが大谷のプロトタイプ（原型）だったのだ。
野球界が3月9日にまたしても目撃したように、大谷はありとあらゆる局面で圧倒的なパフォーマンスを披露することができる、見逃せないエンターテイナーなのだ。この超人的な野球選手はWBCのようなイベントに最も相応しい。彼の存在は、世界中から新しいファンを引き寄せることだろう。WBCを豪華なエキシビションから真の大舞台へと変貌させることができる存在である。
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普通のものが何もない大谷翔平
大谷についてはすでに多くが語られてきた。私がたった今それをしたように、だ。しかし、どれだけ言葉を尽くしても十分ではない。普通のものが何もないのだ。
大谷がこれまでのキャリアで成し遂げたことが――それには3月9日のWBCも含まれるわけだが――最高レベルのプロ野球で行われるのは異常なのである。そして、そのようなパフォーマンスが大谷に限っては普通になっていく。しかし、それを当たり前のように考えることも、慣れてしまうことも、けっしてあってはならない。
世界はまた大谷ショーを満喫した。そしてWBCはまだまだ続く。さらに言えば、2023年のMLBシーズンはまだ始まってさえもいない。大谷がまたしても彼にしかできないことを我々に見せてくれることに疑いの余地はない。
大谷が唯一無二の存在であり続ける限り、野球ファンは大谷の一挙一動に注目するしかない。そして我々に与えられたすべてのそれを目撃するチャンスに感謝しようではないか。
原文： In first WBC start, Shohei Ohtani reminds us again that he’s the perfect baseball weapon
翻訳：角谷剛
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