3月に開催される野球の国別世界一決定戦「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」に向け、着々と準備を進めている侍ジャパン。2月17日からは宮崎県・ひなたサンマリンスタジアム宮崎で事前合宿「侍ジャパン宮崎キャンプ2023」がスタートした。その見学に必要な入場整理券は開始前の13日時点で予定枚数配布が終了するなど、その注目度、2009年大会以来3大会ぶり3回目の世界一に向けた期待は高まるばかりだ。なお現時点で、MLBからはダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)のみが参加。ほかのMLBメンバーは早くとも合宿後半からの合流になる見込みだ。
栗山英樹監督率いる侍ジャパンの2023年初戦、「カーネクスト侍ジャパンシリーズ2023 宮崎」が25日と26日の両日、ひなたサンマリンスタジアム宮崎で行われる。もちろん有観客で、マスクを着用している状態ならば応援歌を歌うことや選手に声援を送ることなど、声を出しての応援が可能。外野席は立ち上がって応援できるため、大いに盛り上がること間違いなしだ。ここでは「カーネクスト侍ジャパンシリーズ2023 宮崎」の展望を記す。
試合相手・福岡ソフトバンクホークスの実力
まずは対戦相手の福岡ソフトバンクホークスについて紹介する。直近9シーズンで6回の日本一を誇るソフトバンクだが、2021年は4位でパシフィック・リーグ クライマックスシリーズ進出を逃すと、5度の日本一に導いた工藤公康監督が退任。2022年からはチームの三軍監督、二軍監督を歴任した藤本博史氏が監督に就任する。2022年のソフトバンクは最終戦まで首位に立っていたものの、最終順位は2位。クライマックスシリーズでもオリックス・バファローズに敗れ、日本シリーズ進出を逃す悔しい結果となった。
そのソフトバンクからは、北海道日本ハムファイターズから移籍したばかりの近藤健介を含め、甲斐拓也、周東佑京の3名が選ばれている。この3人は侍ジャパンとして出場するため、ソフトバンク側からすると“欠場”になる。また、主な選手では千賀滉大(→ニューヨーク・メッツ)、“熱男”松田宣浩(→読売ジャイアンツ)が退団していることを付け加えておく。
ソフトバンクとしては侍ジャパン選出3人の穴を埋める存在、特に、甲斐をおびやかす正捕手候補の台頭が望まれる。“甲斐キャノン”と称される強肩が売りの甲斐だが、2022年度の打率は.180。打てる捕手の登場が期待されている。三軍、二軍を率いてきた藤本監督だけに、侍ジャパンとの対戦では思い切った若手の起用がありそうだ。もちろんネクストプレーヤーだけでなく、今回侍ジャパンに選出されなかった超大物の1人・柳田悠岐ほか、今宮健太ら強打者、ノーヒットノーラン達成の東浜巨、テキサス・レンジャーズから加入の有原航平といった好投手がそろう。
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侍ジャパン、世界一奪還を目指すチーム作り
一方、侍ジャパンだが、外野手5人のうちMLB所属の3人、ラーズ・ヌートバー(セントルイス・カージナルス)、吉田正尚(ボストン・レッドソックス)、鈴木誠也(シカゴ・カブス)が合流できていないため、3名のサポートメンバーを招集している。
43 重信 慎之介(読売ジャイアンツ)
52 西川 愛也(埼玉西武ライオンズ)
59 松原 聖弥(読売ジャイアンツ)
重信慎之介と松原聖弥は「侍ジャパン宮崎キャンプ2023」および「侍ジャパンシリーズ2023宮崎」に参加。西川愛也は「侍ジャパンシリーズ2023宮崎」のみの出場となる。その役割は、主力メンバーに何かあった場合の“バックアップ”ではなく、あくまでも“サポート”。むしろ外野のメンバーがそろっていないことで、普段はサードを守る岡本和真(読売ジャイアンツ)がレフトの守備練習に参加するなど、オプションを試す機会が増えたと、ポジティブに捉えることも可能だ。
侍ジャパンにとってソフトバンクとの2試合は結果よりも内容、勝敗にこだわる必要が全くなく、投手・打撃の仕上がり具合、守備連携の確認といった側面が強くなる。岡本のレフトだけでなく、牧秀悟(横浜DeNAベイスターズ)のファースト起用など、限られたメンバーで行う短期決戦を見据えた、さまざまなテストの場となるだろう。
また投手起用についても、おぼろげだった形が明確になってくると予想される。吉井理人投手コーチは先発について、ダルビッシュ、大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)、山本由伸(オリックス・バファローズ)、佐々木朗希(千葉ロッテマリーンズ)の4人と明言。4本柱に対して絶大な信頼を示す一方で、第2先発など、中継ぎ投手が重要になるとも語っている。第1先発と第2先発の組み合わせ、どのようなシチュエーションで誰を起用するのか。ソフトバンク戦は選手たちの仕上がり具合を確認しつつ、投手リレーの形を固める場として考えているはずだ。
世界一奪還を目指す2023年の侍ジャパンとは、どういうチームなのか。チームが完成する過程の場として「カーネクスト侍ジャパンシリーズ2023 宮崎」が注目される。
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