野球世界一を決める国際大会、第5回ワールド・ベースボール・クラシック(2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™|以下WBC)において、野球日本代表「侍ジャパン」は1次ラウンドプールBを4戦全勝で1位通過、準々決勝も勝利して5大会連続のベスト4に進出。3月21日(火)にローンデポ・パーク(アメリカ合衆国フロリダ州マイアミ)で、メキシコ代表と激突する。
プールCを1位で通過し、準々決勝ではプエルトリコ代表との熱戦を制して初のベスト4進出を果たしたメキシコ代表とはどんなチームなのか。監督、選手、所属するメジャーリーガー、準々決勝までの戦績などについて分析する。
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監督は東京五輪でベスト8に進出したベンジー・ヒル
メキシコを率いるのはベンジー・ヒル監督だ。現役時代は内野のユーティリティとしてテキサス・レンジャーズ、ロサンゼルス・エンゼルスでプレーし、2002年にはエンゼルスでワールドシリーズ制覇に貢献した。
2021年に行われた東京五輪では監督を務め、ベスト8に進出。2022年には大谷翔平が所属するエンゼルスでコーチを務めた。
また、2006年の第1回WBCには選手として出場。2次ラウンドで日本代表と対戦して敗れたが、アメリカ代表を撃破し、日本の準決勝進出をアシストした。
プールC MVPのアロサレナを筆頭にメジャーリーガー多数
野手陣ではミルウォーキー・ブリュワーズで昨シーズン35本塁打を放ったロウディ・テレスや、元オリックス・バファローズで昨シーズンにワシントン・ナショナルズでメジャーデビュー、56試合で13本塁打を放ったホエイ・メネセス、ボストン・レッドソックスで2年連続二桁本塁打を放っているアレックス・ベルドゥーゴら、多くのメジャーリーガーを要するメキシコ。
中でも注目はキューバ出身ながら亡命先のメキシコ代表として出場しているランディ・アロサレナだ。2019年にセントルイス・カージナルスでメジャーデビューし、2021年には141試合に出場して新人王を獲得。さらにポストシーズンで10本塁打を放ちア・リーグ・チャンピオンシップ・シリーズではMVPに輝いた。
今大会では全5試合に「1番・左翼」でスタメン出場し、打率.471(17打数8安打)、1本塁打、9打点の成績をマーク。アメリカ戦では3安打2打点3得点、カナダ戦では2安打5打点と、リードオフマンとしてもポイントゲッターとしても働きを見せ、1次ラウンドプールCのMVPに輝いた。
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日本戦の先発予定は大谷翔平の同僚サンドバル
野手陣に負けず、投手陣も強力だ。特に先発投手はロサンゼルス・ドジャースでエース格へと成長したフリオ・ウリアス、昨シーズン12勝を挙げてフィラデルフィア・フィリーズと大型契約を結んだタイワン・ウォーカー、ヒューストン・アストロズで同13勝を挙げたホセ・ウルキディ、ロサンゼルス・エンゼルスで大谷翔平と同僚のパトリック・サンドバルと、MLBでもローテーションを務める投手たちが集まった。
エースのウリアスは3月18日の準々決勝に先発、60球を投げたため日本戦での登板はないが、他の投手たちは制限はない状態。先発が予定されているサンドバルは、アメリカ戦で3回2安打1失点2奪三振の力投で勝利に貢献しており、勢いそのままに臨んでくるだろう。
中継ぎ投手もセントルイス・カージナルスのジョバニー・ガジェゴスや、シンシナティ・レッズのルイス・セッサら、MLBで実績のある投手たちがいる。
メキシコ代表のここまでの戦い
メキシコ代表は1次ラウンドプールCで初戦のコロンビア戦を接戦の末に落としたものの、その後はアメリカ、イギリス、カナダを撃破し1位で準々決勝ラウンドに進出。準々決勝ではプールDを2位で通過したプエルトリコとの死闘を制し、初のベスト4進出を果たした。
メキシコ代表のここまでの試合を見ると、どちらかと言うと打ち勝ってきた印象が強い。イギリス戦こそ2-1のロースコアで勝ったものの、その他の4試合は4点以上、2試合で二桁得点をマークしている。失点を見ても3失点以下はイギリス、カナダ戦のみだった。ある程度の失点は覚悟しつつ、それ以上の得点を打線に期待する形となるだろう。
打線ではやはり注目のアロサレナ、テレス、メネセスが好調だ。さらに5番を打つアイザック・パレデスも5試合で打率.300、1本塁打、5打点と当たっている。ここまで全試合で2番に入っているベルドゥーゴが打率1割台と苦しんでいるが、準決勝では打順の組み換えはあるのか注目したい。
投手はここまで全試合で5~6投手の継投で勝ち上がってきており、日本戦でも小刻みな継投が予想される。中継ぎ投手ではガジェゴス、ジェーク・サンチェス、ジョジョ・ロメロの中継ぎ陣が3試合に登板し、ガジェゴスとサンチェスは防御率0.00、ロメロも同3.00と好投している。
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メキシコ代表の戦績
1次ラウンドの戦績:3勝1敗、プールC1位
試合日 | ラウンド | 先攻 | スコア | 後攻 |
3/12 | 1次ラウンド | コロンビア | 5-4 | メキシコ |
3/13 | 1次ラウンド | メキシコ | 11-5 | アメリカ |
3/15 | 1次ラウンド | イギリス | 1-2 | メキシコ |
3/16 | 1次ラウンド | メキシコ | 10-3 | カナダ |
3/18 | 準々決勝 | プエルトリコ | 4-5 | メキシコ |
メキシコ代表メンバー一覧
位置 | 選手 |
---|---|
投手 | エルビエル・アルメンタ |
投手 | ハビエル・アサド |
投手 | ルイス・セッサ |
投手 | ヘスス・クルス |
投手 | ジョバニー・ガジェゴス |
投手 | アドリアン・マルティネス |
投手 | ヘラルド・レイエス |
投手 | マニー・バルエダ |
投手 | ジョジョ・ロメロ |
投手 | ジェーク・サンチェス |
投手 | パトリック・サンドバル |
投手 | フリオ・ウリアス |
投手 | ホセ・ウルキディ |
投手 | セサル・バルガス |
投手 | タイワン・ウォーカー |
投手 | サムエル・サスエタ |
捕手 | オースティン・バーンズ |
捕手 | アレクシス・ウィルソン |
内野手 | ジョナタン・アランダ |
内野手 | ホエイ・メネセス |
内野手 | アイザック・パレデス |
内野手 | ロウディ・テレス |
内野手 | アラン・トレホ |
内野手 | ルイス・ウリアス |
内野手 | ロベルト・バレンスエラ |
外野手 | ランディ・アロサレナ |
外野手 | ホセ・カルドナ |
外野手 | ジャレン・デュラン |
外野手 | アレックス・トーマス |
外野手 | アレックス・ベルドゥーゴ |
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