箱根駅伝2024の見どころ・コース解説:王者駒澤大の対抗馬は? 最大の難所は?|第100回東京箱根間往復大学駅伝競走

及川卓磨 Takuma Oikawa

石山修二 Shuji Ishiyama

箱根駅伝2024の見どころ・コース解説:王者駒澤大の対抗馬は? 最大の難所は?|第100回東京箱根間往復大学駅伝競走 image

100回目を迎える東京箱根間往復大学駅伝競走、通称「箱根駅伝」が2024年の正月に開催される。大手町から箱根・芦ノ湖までの往復10区間(217.1Km)をリレー形式で競う大学陸上長距離界最大のレースを制するのはどの大学になるのか。

ここでは、第100回大会の見どころ、コース解説、出場校リストなどをまとめる。

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最大の注目は2年連続三冠を狙う駒澤大学

大河ドラマのモデルにもなった「マラソンの父」金栗四三らの「世界に通用するランナーを育成したい」との思いから1917年に開催した、日本で初めての駅伝「東京奠都五十年奉祝・東海道駅伝徒歩競走」がその前身。この成功を礎に、早大、慶大、明大、東京高師(現筑波大)の四校で行われた「四大校駅伝競走」(1920年)が第1回の箱根駅伝となった。

以来、103年の月日を経て迎える第100回大会、最大の注目の的は、史上初となる2年連続学生駅伝三冠に王手を賭けている前回大会の王者・駒澤大学だ。出雲駅伝、全日本大学駅伝でも一度として先頭を譲らずに完勝したチームは、出雲、全日本ともに2区区間賞に輝いたエース佐藤圭汰(2年)、主将の鈴木芽吹(4年)を中心に盤石のラインアップで臨む。

王者・駒澤を止めるのは? レースの対抗馬はどの大学か?

対抗馬と目されるのが、前回大会2位の中央大学。「スピードを磨いてきた」というチームには、その言葉通りスピードのある選手が揃っている。昨年も「花の2区」で吉居大和(4年)、3区で中野翔太が連続区間賞を取ったように、期待される4年生たちがレース前半に流れをつくれるか、注目されるところだ。

前回大会3位、今年の全日本大学駅伝では2位に入った青山学院大学も目が離せない。去年は山の5区、6区で苦戦し後退したが、前々回大会の5区で快走を見せた「若の神」若林宏樹(3年)は復調の兆しを見せている。実力のある選手が揃っているだけに王座奪還に期待がかかる。

その他にも、今年の全日本駅伝で実力者の揃う7区の区間賞に輝いた平林清澄(3年)を擁する國學院大、前回大会の5区で4人抜きの区間賞を獲得した「山の妖精」山本唯翔(4年)を擁する城西大学といった注目選手、注目校が新春の箱根路でどんな走りを見せてくれるか、見どころは多い。

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箱根駅伝のコース解説:最大の難所は往路5区の山上り

箱根駅伝のコースは、往路5区間(107.5km)、復路5区間(109.6km)の合計10区間(217.1km)。各校がエースランナーを送り込む往路2区は通称「花の2区」、権太坂を含む2つの上り坂がある厳しい区間では例年「ごぼう抜き」の大きな順位変動も起こりうる前半の注目区間となっている。また、箱根駅伝の象徴とも言えるのが往路5区。天下の険と言われた箱根の山上りを制することが、箱根駅伝を制することにもつながる。今年も新たな「山の神」が現れるのか、期待される。

翌日の復路は、このコースを東京へ向けて戻る形になり、山上りの往路5区の走路を逆に走る形となる復路6区は、標高差800m近くを一気に駆け下りる「山下り」の難コースに姿を変える。さらに順位争いが熾烈さを増す最終盤の復路最長区間9区、そして優勝、シード権の懸かった様々な戦いが繰り広げられる最終復路10区23kmの争いも目が離せない。

往路

  • 1区 大手町・読売新聞社前~鶴見(21.3km)
  • 2区 鶴見~戸塚(23.1km)
  • 3区 戸塚~平塚(21.4km)
  • 4区 平塚~小田原(20.9km)
  • 5区 小田原~芦ノ湖駐車場入り口(20.8km)

復路

  • 6区 芦ノ湖駐車場入り口~小田原(20.8km)
  • 7区 小田原~平塚(21.3km)
  • 8区 平塚~戸塚(21.4km)
  • 9区 戸塚~鶴見(23.1km)
  • 10区 鶴見~大手町・読売新聞社前(23.0km)

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箱根駅伝2024の出場チーム

シード権獲得校(10チーム)

  • 前回1位:駒沢大学(58年連続58回目)/総合優勝8回
  • 前回2位:中央大学(7年連続97回目)/総合優勝14回
  • 前回3位:青山学院大学(16年連続29回目)/総合優勝6回
  • 前回4位:國學院大学(8年連続17回目)/最高順位3位
  • 前回5位:順天堂大学(13年連続65回目)/総合優勝11回
  • 前回6位:早稲田大学(48年連続93回目)/総合優勝13回
  • 前回7位:法政大学(9年連続84回目)/最高順位3位
  • 前回8位:創価大学(5年連続7回目)/最高順位2位
  • 前回9位:城西大学(2年連続18回目)/最高順位6位
  • 前回10位:東洋大学(22年連続82回目)/総合優勝4回

予選会通過校(13チーム)

  • 予選会1位:大東文化大学(2年連続52回目)/総合優勝4回
  • 予選会2位:明治大学(6年連続65回目)/総合優勝7回
  • 予選会3位:帝京大学(17年連続25回目)/最高順位4位
  • 予選会4位:日本体育大学(76年連続76回目)/総合優勝10回
  • 予選会5位:日本大学(4年ぶり90回目)/総合優勝12回
  • 予選会6位:立教大学(2年連続29回目)/最高順位3位
  • 予選会7位:神奈川大学(2年ぶり54回目)/総合優勝2回
  • 予選会8位:国士舘大学(8年連続52回目)/最高順位3位
  • 予選会9位:中央学院大学(2年ぶり23回目)/最高順位3位
  • 予選会10位:東海大学(11年連続51回目)/総合優勝1回
  • 予選会11位:東京農業大学(10年ぶり70回目)/最高順位2位
  • 予選会12位:駿河台大学(2年ぶり2回目)/最高順位19位
  • 予選会13位:山梨学院大学(4年連続37回目)/総合優勝3回

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及川卓磨 Takuma Oikawa

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スポーティングニュース日本版編集長。千葉県生まれ、茨城県育ち。2000年日本大学卒。大学在学時を含めて丸14年間バスケットボール専門誌の編集者として企画立案・取材・執筆・編集・誌面制作・マルチメディア運営等に携わる。2013年秋にNBA日本公式ウェブサイト『NBA Japan』編集長就任。サイトやNBA日本公式ソーシャルメディアの新規開設に携わると同時にメディア運営を主導。2022年4月より現職。主な競技経験はバスケットボール、野球、サッカー。

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スポーティングニュース日本版アシスタントエディター