米国のスター陸上ランナーであるシェルビー・ホウリハンは東京オリンピックに出場することができなくなった。それだけには留まらず、今後4年間はずっと競技ができなくなる。ドーピング検査の結果、アナボリック・ステロイドの1つであるナンドロロンが陽性と診断されたからだ。
だがホウリハンは自らが潔白であり、検査で陽性になったのは別の原因があると主張している。その犯人とはホウリハンの自宅があるオレゴン州ビーバートンの正統派メキシコ料理のフードトラックで食べたブリトーだと言うのだ。
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ホウリハンがインスタグラムで説明したところによれば、世界アンチ・ドーピング機関(WADA)は豚肉を食べると検査でナンドロロンが偽陽性になる可能性があると認めている。なぜなら、ある種の豚は多くの量のナンドロロンを体内に自然生成するからである。そのため、ホウリハンはブリトーが偽陽性結果をもたらしたと信じている。
私には5歳のときに走り始めてからずっと持ち続けてきた夢がありました。プロのランナーになり、新記録を作り、オリンピックの金メダルを勝ち取って、世界でも最高のランナーの仲間入りをすることです。私は自分にはその夢を叶えることができるだけの力が備わっていると固く信じてきました。
成長するにつれて、私はもっと長くの時間と距離を走るようになり、より多くの努力を払うとともに、陸上競技を心から愛するようになりました。陸上競技は私にもっとも大きな喜びをもたらしてくれました。私が本当の私自身でいられる場所でもありました。私はいつも正しい方法を守ってきました。長年に渡って、ただひたすら努力を続けて、よい良いランナーになろうとしてきたのです。私はいつも忍耐強くあろうとして、努力を持続することがいつかは報われると信じてきました。
私は今も5歳のときに抱いたすべての夢を持っています。とても幸運なことに、私はそのうちのいくつかを実現することもできましたし、一方で実現できておらず、追いかけている夢もあります。しかし、私を本当に動かすものは、このスポーツへの愛であり、走ることの楽しさです。私は自分が持っている可能性を知りたいのです。
2021年1月14日、私はスポーツ公正機関(AIU)からeメールを受け取りました。そこには私が2020年12月15日にドーピング検査のために提出したサンプルからナンドロロンと呼ばれるアナボリック・ステロイドが検出されたこと、私が即時に臨時出場停止処分の対象になることが書かれていました。私はこのeメールを何度も読み返し、私が陽性と診断されたものが何なのかを検索して調べなくてはいけませんでした。私はそれまでナンドロロンという単語を聞いたことすらなかったのです。
私はそれから世界アンチ・ドーピング機関(WADA)は豚肉を食べると検査でナンドロロンが偽陽性になる可能性があるとずっと以前から認めていることを知りました。なぜなら、ある種の豚は多くの量のナンドロロンを体内に自然生成するからです。豚の内臓はナンドロロンをもっとも多く含んでいます。
通知を受けてからの5日間、私は検査があった12月15日の週に私が摂取したすべての食べ物の記録を作成しました。私たちはドーピング検査のおよそ10時間前に私が購入し摂取したブリトーが原因であるとする説明がもっとも合理的だという結論に至りました。私の自宅近くにあるオレゴン州ビーバートンのこの正統派メキシコ料理のフードトラックは豚の内臓を使っているのです。私はこれが原因であると信じていることをAIUに通知しました。
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それにもかかわらず、AIUはホウリハンの出場停止処分を解いてはいない。ホウリハンはその対応に不満を持っている。
私から検出されたナンドロロンのレベルは、いくつかの研究で証明された豚肉を食べて10時間後になるレベルと同等ですし、WADAのガイドラインでもナンドロロン検査の際にはそのことを考慮することを求めています。それにもかかわらず、検査を行った研究所はその可能性を否定しています。彼らはこれを非定型の発見として報告し、さらに再検査をすることも可能だったはずなのです。私が尋ねたアンチ・ドーピングの専門家たちもそれに同意しています。
私は自分が無実であることを証明するためにできることはすべてやりました。ウソ発見器のテストにも合格しました。世界最先端の毒物学者に私の髪の毛を調べてもらいました。
WADAは私の体内からナンドロロンが蓄積されていなかったことを認めています。もし私が定期的にナンドロロンを摂取していたら蓄積されていたはずなのです。それでも検査を行った研究室は最初の誤りを認めようとはしません。その代わりに、彼らは私が不正を行ったと決めつけています。私はステロイドを口から摂取し、しかしそれは定期的ではなかったと言うのです。私は自分の主張にはるかに説得力があると信じています。なぜならそれこそが真実だからです。そして、その主張は適正な手続きなしに却下されたことも革新しています。
ホウリハンはさらにその心情を述べ、パフォーマンス増強禁止薬物を使用したことは一度もないと繰り返している。
私は徹底的に打ちのめされたと感じ、すべてを失い、壊れ、怒り、そして混乱しています。私が愛し、すべてを捧げてきたスポーツに裏切られたとも感じています。
私は断言します。私はパフォーマンス増強禁止薬物を使用したことは一度もありません。それには私が弾劾されている薬物も含みます。
ホウリハンにとっては非常に不運な状況である。自身2度目のオリンピック出場を直前に控え、またメダル獲得のチャンスも大いにあったのだから。ホウリハンは2018年に5000メートル走で米国記録の14:34.45を記録し、その後2020年には自らの記録を更新する14:23.92というタイムを叩き出した。
さらにホウリハンは1500メートル走の米国記録(3:54.99)保持者でもある。
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