NFL2021プレーオフ展望:シーズン15週目終了時点でのAFC, NFC順位


Vinnie Iyer

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2021年のNFLシーズンが終盤に差し掛かっている。今年から17試合制に拡大されたレギュラーシーズンの終了が近づいてきた。第15週目を終え、もう一度現在の順位とプレーオフの展望を確認しよう。

プレーオフ出場枠は昨年のポストシーズンと同じく、AFC, NFCそれぞれのカンファレンスから7チームに与えられる。NFL全体32チームのうち、14チーム(43.8%)である。その中で、カンファレンス1位のチームのみ、ワイルドカード・シリーズの不戦勝と本拠地アドバンテージを獲得する。

どのチームがプレーオフ進出を確実にしているのか、どのチームにまだ望みがあるのか、そしてどのチームが来シーズンのことを考えるべきなのか? 現在の全体図は以下の通りだ。

 

NFL シーズン15週目終了時点の順位

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AFC プレーオフ展望

プレーオフ進出に近いチームは?

1. カンザスシティ・チーフス (10勝4敗)、AFC西地区1位: チーフスは第15週目の試合でロサンゼルス・チャージャーズを延長戦で破り、トップシードの座に返り咲いた。土曜夜にニューイングランド・ペイトリオッツがインディアナポリス・コルツに敗れ、また第7週目にチーフスを破ったテネシー・タイタンズが日曜午後の試合でピッツバーグ・スティーラーズに敗れたため、チーフスのトップシードの座は第16週目まで安泰となった。第16週目にはスティーラーズを本拠地で迎え、その座の防衛に挑む。 残りの対戦相手: ピッツバーグ・スティーラーズ(本拠地)、シンシナティ・ベンガルズ(アウェー)、デンバー・ブロンコス(アウェー)

2. ニューイングランド・ペイトリオッツ (9勝5敗)、AFC東地区1位: ペイトリオッツは日曜夜に敵地でインディアナポリス・コルツに敗れ、連勝が7で途絶えた。勝利したチーフスに順位で抜かれたが、テネシー・タイタンズには第12週目に勝っているため、依然としてその上位にある。地区内首位の座は日曜日にカロライナ・パンサーズを破ったバッファロー・ビルズが1ゲーム差で迫り、第16週目はそのビルズとの再戦が控えている。地区外では、ペイトリオッツはAFCカンファレンス内で7勝2敗という有利な位置にある。

3. テネシー・タイタンズ (9勝5敗)、AFC南地区1位: タイタンズはトップシードの座を奪うチャンスをものにできなかった。勝利したビルスの、そして敗北したペイトリオッツよりも、下位に甘んじることになった。地区内首位の座は勝利したインディアナポリス・コルツが1ゲーム差で迫っているが、そのコルツにはシーズン前半で連勝しているため、依然として有利な位置にある。 残りの対戦相手: サンフランシスコ・49ers(本拠地)、マイアミ・ドルフィンズ(本拠地)、ヒューストン・テキサンズ(アウェー)

4. シンシナティ・ベンガルズ(8勝6敗)、AFC北地区1位: ベンガルズはプレーオフ争い圏外の位置からここまでに大きく順位を上げた。第15週目でデンバー・ブロンコスを破り、そしてボルティモア・レイブンズがグリーンベイ・パッカーズに敗れたためだ。レイブンズとは勝敗では並んでいるが、ベンガルズがレイブンズに第7週目で勝利しているため、タイブレークで上位に立った。もしクリーブランド・ブラウンズが月曜夜の試合に勝てば(訳注:ラスベガス・レイダースに敗れた)、地区内で3チームが勝率で並ぶ可能性もあったが、ベンガルズは地区内で3勝1敗であるため、依然としてタイブレークでは優位に立っている。 残りの対戦相手: ボルティモア・レイブンズ(本拠地)、カンザスシティ・チーフス(本拠地)、クリーブランド・ブラウンズ(アウェー)

5. インディアナポリス・コルツ (8勝6敗)、AFC南地区2位: コルツは第14週目はバイ・ウィークで試合がなかった。第15週目では土曜夜の試合でペイトリオッツから貴重な勝利を挙げた。ワイルドカード枠争いでは1つ順位を上げた。カンファレンス内での勝率(7勝3敗)がロサンゼルス・チャージャーズ(5勝4敗)を上回っているためである。地区で上位にあるタイタンズは故障者が多く、コルツはさらにプレッシャーをかけている。だが次戦の相手は容易ではない。土曜日のクリスマスに敵地でアリゾナ・カーディナルスと対戦するのだ。 残りの対戦相手: アリゾナ・カーディナルス(アウェー)、ラスベガス・レイダース(本拠地)、ジャクソンビル・ジャガーズ(アウェー)

6. ロサンゼルス・チャージャーズ (8勝6敗)、AFC西地区2位: チャージャーズは第15週目の最初の試合を本拠地で迎えたが、チーフスに敗れたため、地区内首位に立つチャンスをものにできなかった。8勝6敗で並ぶ集団のなかでは、タイブレークで有利な位置にある。最低ではNo.7シードになるかもしれないが、プレーオフに進出するチャンスは依然として大きい。チャージャーズはカンファレンス内で5勝4敗であり、また地区外ではクリーブランド・ブラウンズとベンガルズに勝利している。 残りの対戦相手: ヒューストン・テキサンズ(アウェー)、デンバー・ブロンコス(本拠地)、ラスベガス・レイダース(アウェー)

7. バッファロー・ビルズ (8勝6敗)、AFC東地区2位: ビルズはカロライナ・パンサーズを破り、同じく勝利したコルツと敗北したチャージャーズと同勝率で並んだ。コルツには第11週目に本拠地で敗れている。カンファレンス内での勝率ではコルツとチャージャーズに劣るため、この位置に留まっている。だが、タイブレーク争いではわずかにレイブンズを上回っている。 残りの対戦相手: ニューイングランド・ペイトリオッツ(アウェー)、アトランタ・ファルコンズ(本拠地)、ニューヨーク・ジェッツ(本拠地)

まだプレーオフ進出の可能性があるチームは?

8. ボルティモア・レイブンズ (8勝6敗)

9. ピッツバーグ・スティーラーズ(7勝6敗1分け)

12. クリーブランド・ブラウンズ(7勝7敗)

レイブンズはNo. 4から大きく順位を下げ、地区内首位の座も失った。勝敗で並ぶコルツ、チャージャーズ、そしてビルズの下位にある。混戦のAFC北地区からは、スティーラーズはタイタンズから貴重な勝利を挙げ、この位置に留まっている。同じくAFC北地区のブラウンズは7勝7敗で並ぶ他のチームより上位にあるが、プレーオフ進出はかなり困難になってきた。

プレーオフ争い圏外にあるチームは?

10. ラスベガス・レイダース(7勝7敗)

11. マイアミ・ドルフィンズ (7勝7敗)

13. デンバー・ブロンコス(7勝7敗)

14. ニューヨーク・ジェッツ(3勝11敗、敗退決定)

15. ヒューストン・テキサンズ(3勝11敗、敗退決定)

16. ジャクソンビル・ジャガーズ(2勝12敗、敗退決定)

ドルフィンズは現在6連勝中と好調を維持しているが、特に上位にチームがひしめいている現状では、シーズン開幕直後1勝7敗のスタートを挽回するには至っていない。ドルフィンズとは逆に、開幕直後は3連勝したブロンコスも同じ状況にある。レイダースはここのところ大きく調子を落としている。テキサンズは日曜日にジャガーズを破り、負けたジェッツと同率で並んだ。

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NFC プレーオフ展望

プレーオフ進出に近いチームは?

1. グリーンベイ・パッカーズ (11勝3敗)、NFC北地区1位: パッカーズは第14週目には日曜夜の試合でシカゴ・ベアーズを破り、再び前年度スーパーボウル覇者のタンパベイ・バッカニアーズを追い抜いた。それだけではなく、NFCカンファレンス内の戦績は驚異的な8勝2敗までに伸ばした。アリゾナ・カーディナルスからも勝利を挙げており、第14週目の最終戦でカーディナルスが敗れたことが、パッカーズをNo.1シードの位置に押し上げた。第15週目にはボルティモア・レイブンズ(アウェー)も破り、カーディナルスとの差をさらに広げた。バッカニアーズにも1ゲーム差をつけ、第16週目にはクリスマスの土曜日に試合がある。 残りの対戦相手: クリーブランド・ブラウンズ(本拠地)、ミネソタ・バイキングス(本拠地)、デトロイト・ライオンズ(アウェー)

2. ダラス・カウボーイズ (10勝4敗)、NFC東地区1位: カウボーイズはニューヨーク・ジャイアンツから勝利を挙げた。カーディナルスがデトロイト・ライオンズに、そしてバッカニアーズがニューオーリンズ・セインツに敗れたため、カンファレンス内勝率が8勝1敗のカウボーイズがここまで順位を上げる結果になった。カーディナルスとは第17週目に本拠地での対戦を控えており、その試合はタイブレークで優位に立つためには重要な大一番になる。バッカニアーズにはシーズン開幕戦で敗れており、この順位に留まることは容易ではない。火曜日の試合でワシントン・フットボール・チームがフィラデルフィア・イーグルスに敗れたため、カウボーイズは地区優勝を手中にした。 残りの対戦相手: ワシントン・フットボール・チーム(本拠地)、アリゾナ・カーディナルス(本拠地)、フィラデルフィア・イーグルス(アウェー)

3. タンパベイ・バッカニアーズ (10勝4敗)、NFC南地区1位: バッカニアーズはニューオーリンズ・セインツから再び衝撃的な敗北を喫した。本拠地での敗戦は今シーズン初めてであり、NFCカンファレンスのトップシード争いでもパッカーズに1ゲーム差をつけられてしまった。カウボーイズには勝っているが、この敗戦によって、カーディナルスを含めて3チームが同率で並ぶことになった。さらに言えば、セインツを引き離すことができず、地区優勝の決定もお預けとなった。あと3試合が残っているが、対戦相手には恵まれているので、地区優勝はほぼ間違いないだろう。パッカーズを追い抜くには大きな番狂わせを必要としている。 残りの対戦相手: カロライナ・パンサーズ(アウェー)、ニューヨーク・ジェッツ(アウェー)、カロライナ・パンサーズ(本拠地)

4. アリゾナ・カーディナルス (10勝4敗)、NFC西地区1位: カーディナルスは2連敗を喫した。開幕後7勝0敗からの戦績は3勝4敗であり、ここまで順位を落としてしまった。デトロイト・ライオンズに喫した敗北のせいで、地区優勝争いも厳しくなった。第15週目の最終戦でロサンゼルス・ラムズがシアトル・シーホークスを破り、カーディナルスと同率で並ぶことになったのだ。ラムズとは1勝1敗であるが、地区内勝率タイブレークで僅かに上回り、第16週目を前にして地区首位の座をかろうじて保っている。 残りの対戦相手: インディアナポリス・コルツ(本拠地)、ダラス・カウボーイズ(アウェー)、シアトル・シーホークス(本拠地)

5. ロサンゼルス・ラムズ (10勝4敗)、NFC西地区2位: ラムズは第14週目の試合でカーディナルスを破り、対戦成績を5分に戻し、地区優勝の可能性も取り戻すことに成功した。第15週目ではシアトル・シーホークスを破り、地区首位の座にカーディナルスと同率で並んだ。サンフランシスコ・49ersとの差も広げた。残りの3週間は、ラムズとカーディナルスの2強争いになった。両チームとも厳しい対戦相手が控えている 残りの対戦相手: ミネソタ・バイキングス(アウェー)、ボルティモア・レイブンズ(アウェー)、サンフランシスコ・49ers(本拠地)

6. サンフランシスコ・49ers(8勝6敗)、NFC西地区3位: 49ersは第14週目に敵地でシンシナティ・ベンガルズを破り、勝率5割を越えた。続く第15週目も好調を維持し、アトランタ・ファルコンズを本拠地で破った。 残り3試合で地区首位の座をカーディナルスとラムズから奪うのは難しいが、ワイルドカード枠争いのチャンスは大きい。残りの対戦相手: テネシー・タイタンズ(アウェー)、ヒューストン・テキサンズ(本拠地)、ロサンゼルス・ラムズ(アウェー)

7. ミネソタ・バイキングス(7勝7敗)、NFC北地区2位:バイキングスは月曜夜の試合でシカゴ・ベアーズを破り、勝率を5割にすると同時にワイルドカード争いでも浮上した。同じく勝率5割のニューオーリンズ・セインツとはカンファレンス内勝率(バイキングス5勝4敗、セインツ5勝5敗)で優位に立っている。フィラデルフィア・イーグルスには同じ対戦相手との勝率で上回っている。残りの対戦相手: ロサンゼルス・ラムズ(本拠地)、グリーンベイ・パッカーズ(アウェー)、シカゴ・ベアーズ(本拠地)

まだプレーオフ進出の可能性があるチームは?

8. フィラデルフィア・イーグルス(7勝7敗)

9. ニューオーリンズ・セインツ(7勝7敗)

10. ワシントン・フットボール・チーム(6勝8敗)

11. アトランタ・ファルコンズ(6勝8敗)

12. カロライナ・パンサーズ(5勝9敗)

13. シアトル・シーホークス(5勝9敗)

セインツは日曜夜に勝利したが、月曜夜にバイキングスが勝利したため、順位がここまで下がってしまった。イーグルスはワシントンを破って、順位を上げた。ファルコンズとパンサーズはともに敗れ、プレーオフ進出のチャンスは小さくなった。シーホークスは最後の望みをかけたラムズ戦に敗北した。

プレーオフ争い圏外にあるチームは?

14. ニューヨーク・ジャイアンツ(4勝10敗)

15. シカゴ・ベアーズ(4勝10敗、敗退決定)

16. デトロイト・ライオンズ(2勝11敗1分け、敗退決定)

ジャイアンツは故障者が相次ぎ、NFC東地区最下位から抜け出せない。ベアーズも月曜夜にバイキングスに敗れ、ジャイアンツと同率に沈んだ。ライオンズは第15週目にカーディナルスを破る番狂わせを見せ、シーズン2勝目を挙げた。2022年シーズンに向けて課題は多いが、再建中の今シーズン終盤を力強く終えることができそうである。

(翻訳:角谷剛)

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Vinnie Iyer


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Vinnie Iyer, has been with TSN since 1999, not long after graduating from Northwestern University’s Medill School of Journalism. He has produced NFL content for more than 20 years, turning his attention to full-time writing in 2007. A native of St. Louis, Mo. but now a long-time resident of Charlotte, N.C. Vinnie’s top two professional sports teams are Cardinals and Blues, but he also carries purple pride for all things Northwestern Wildcats. He covers every aspect of the NFL for TSN including player evaluations, gambling and fantasy football, where he is a key contributor. Vinnie represents TSN as host of the “Locked On Fantasy Football” podcast on the Locked On network. Over his many years at TSN, he’s also written about MLB, NBA, NASCAR, college football, tennis, horse racing, film and television. His can’t-miss program remains “Jeopardy!”, where he was once a three-day champion and he is still avid about crossword puzzles and trivia games. When not watching sports or his favorite game show, Vinnie is probably watching a DC, Marvel or Star Wars-related TV or movie.