NFL2021プレーオフ展望:シーズン13週目終了時点でのAFC, NFC順位から予想


Vinnie Iyer

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2021年のNFLレギュラーシーズンも2ケタ目の週に入り、今年から17試合制に拡大されたシーズンの終了が近づいてきた。全試合終了済みの第13週目(12月3日、6日、7日)終了時点の順位とプレーオフの展望を確認しよう。

プレーオフ出場枠は昨年のポストシーズンと同じく、AFC, NFCそれぞれのカンファレンスから7チームに与えられる。NFL全体32チームのうち、14チーム(43.8%)である。その中で、カンファレンス1位のチームのみ、ワイルドカード・シリーズの不戦勝と本拠地アドバンテージを獲得する。

どのチームがプレーオフ進出を確実にしているのか、どのチームにまだ望みがあるのか、そしてどのチームが来シーズンのことを考えるべきなのか? 現在の全体図は以下の通りだ。

 

シーズン13週目終了時点の順位

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AFC プレーオフ展望

プレーオフ進出に近いチームは?

1. ニューイングランド・ペイトリオッツ (9勝4敗)、AFC東地区1位: 第13週目の最終戦、月曜夜のバッファロー・ビルズ戦を前に、ペイトリオッツはその時すでにトップシードを手中にしていた。その前にボルティモア・レイブンズが敗れていたからである。ビルズ戦に勝利したことで、タイブレークにもならず、半ゲーム差をつけることになった。ペイトリオッツはAFC内で7勝1敗という好成績の勢いを保ったまま、シーズン終盤のバイ・ウィークを迎える。残りの対戦相手: インディアナポリス・コルツ(アウェー)、バッファロー・ビルズ(本拠地)、ジャクソンビル・ジャガーズ(本拠地)、マイアミ・ドルフィンズ(アウェー)

2. テネシー・タイタンズ (8勝4敗)、AFC南地区1位: タイタンズも第13週目にバイ・ウィークで試合がない間に順位が移動した。ボルティモア・レイブンズがピッツバーグ・スティーラーズに敗れたからだ。タイタンズはカンファレンス内で5勝3敗であり、レイブンズは同5勝4敗に落ち込んだ。インディアナポリス・コルツが勝利したため、地区内のタイトル争いはやや厳しくなった。だが、タイタンズはそのコルツに連勝していることを忘れてはならない。残りの対戦相手: ジャクソンビル・ジャガーズ(本拠地)、ピッツバーグ・スティーラーズ(アウェー)、サンフランシスコ・49ers(本拠地)、マイアミ・ドルフィンズ(本拠地)、ヒューストン・テキサンズ(アウェー)

3. ボルティモア・レイブンズ (8勝4敗)、AFC北地区1位: レイブンズは僅差でカンファレンス1位から転落したが、それでも地区内1位の座は守っている。シンシナティ・ベンガルズが敗れ、クリーブランド・ブラウンズに試合がなかったためだ。ピッツバーグ・スティーラーズはどうしても勝たなくてはならなかった第13週目の試合をものにした。しかし、レイブンズはすぐに立ち直り、残りの地区内での3試合と強敵が相手の2試合に備えなくてはならない。残りの対戦相手: クリーブランド・ブラウンズ(アウェー)、グリーンベイ・パッカーズ(本拠地)、シンシナティ・ベンガルズ(アウェー)、ロサンゼルス・ラムズ(本拠地)、ピッツバーグ・スティーラーズ(本拠地)

4. カンザスシティ・チーフス (8勝4敗)、AFC西地区1位: 第13週目の日曜夜の試合でデンバー・ブロンコスと対戦する前、チーフスはカンファレンス内での戦績が3勝4敗と苦しんでいた。テネシー・タイタンズ、ボルティモア・レイブンズ、バッファロー・ビルズ、そしてロサンゼルス・チャージャーズに敗れていたのだ。だが、ブロンコス戦に勝利したことで、地区内の順位でチャージャーズの上に立った。その後にはラスベガス・レイダースとブロンコスが同率で並んでいる。残りの対戦相手: ラスベガス・レイダース(本拠地)、ロサンゼルス・チャージャーズ(アウェー)、ピッツバーグ・スティーラーズ(本拠地)、シンシナティ・ベンガルズ(アウェー)、デンバー・ブロンコス(アウェー)

5. ロサンゼルス・チャージャーズ (7勝5敗)、AFC西地区2位: チャージャーズは上位にいたシンシナティ・ベンガルズを敵地で破り、順位を上げた。ジャスティン・ハーバート(クォーターバック)とブランドン・ステイリー(ヘッドコーチ)が率いるこのチームはカンファレンス内の重要な数試合に勝利し、ワイルドカード枠争いの有力候補となった。 残りの対戦相手: ニューヨーク・ジャイアンツ(本拠地)、カンザスシティ・チーフス(本拠地)、ヒューストン・テキサンズ(アウェー)、デンバー・ブロンコス(本拠地)、ラスベガス・レイダース(アウェー)

6. シンシナティ・ベンガルズ (7勝5敗)、AFC北地区2位: ベンガルズはやや失速している。バイ・ウィークの後でラスベガス・レイダースとピッツバーグ・スティーラーズを連破したが、ロサンゼルス・チャージャーズ戦では相手の必死な守備陣に対してジョー・バロウ(クォーターバック)、ジョー・ミクソン(ランニングバック)らの攻撃陣が雑になり、多くのミスを冒した。ワイルドカード枠争いには楽な試合は残っていないが、特に第15週目のデンバー・ブロンコス戦は大一番になるだろう。残りの対戦相手: サンフランシスコ・49ers(本拠地)、デンバー・ブロンコス(アウェー)、ボルティモア・レイブンズ(本拠地)、カンザスシティ・チーフス(本拠地)、クリーブランド・ブラウンズ(アウェー)

7. バッファロー・ビルズ (7勝5敗)、AFC東地区2位: ビルズは本拠地で行われた月曜夜の試合でAFC東地区の1位になるチャンスがあったが、ニューイングランド・ペイトリオッツに敗れてしまった。ペイトリオッツが同地区1位を守ったが、ビルズはワイルドカード枠争いでも2つ順位を落とした。ロサンゼルス・チャージャーズとシンシナティ・ベンガルズに比べて、カンファレンス内の戦績(5勝5敗)が低いためだ。ビルズはこのまま休みもなく、トム・ブレイディが待ち受けるタンパベイ・バッカニアーズとの敵地で対戦することになる。残りの対戦相手: タンパベイ・バッカニアーズ(アウェー)、カロライナ・パンサーズ(本拠地)、ニューイングランド・ペイトリオッツ(アウェー)、アトランタ・ファルコンズ(本拠地)、ニューヨーク・ジェッツ(本拠地)

まだプレーオフ進出の可能性があるチームは?

9. ピッツバーグ・スティーラーズ(6勝5敗1分け)

10. インディアナポリス・コルツ(7勝6敗)

11. ラスベガス・レイダース(6勝6敗)

11. クリーブランド・ブラウンズ(6勝6敗)

12. デンバー・ブロンコス(6勝6敗)

スティーラーズはレイブンズから貴重な勝利を収めて、AFCで「プレーオフ進出の可能性があるチーム」のトップに順位を上げた。コルツはヒューストン・テキサンズを撃破し、敗れたレイダースとブロンコス、そして試合がなかったブラウンズの上に立った。ブロンコスは勝率5割チームの中で最下位になった。シーズン前半にレイダースとブラウンズに敗れたためである。

既に敗退が決まっているチームは?

13. マイアミ・ドルフィンズ (6勝7敗)

14. ニューヨーク・ジェッツ(3勝9敗)

15. ヒューストン・テキサンズ(2勝10敗)

16. ジャクソンビル・ジャガーズ(2勝10敗)

ドルフィンズはシーズン開幕後1勝7敗から現在は5連勝中ではあるが、プレーオフ争いに絡むには遅すぎた。ジェッツはテキサンズに勝っているので、下位2チームより上にいるうえ、まだジャガーズとの対戦を控えている。

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NFC プレーオフ展望

プレーオフ進出に近いチームは?

1. アリゾナ・カーディナルス (10勝2敗)、NFC西地区1位: カーディナルスはバイ・ウィーク明けにシカゴ・ベアーズを撃破した。カイラー・マーレイ(クォーターバック)が得意のランとパスを駆使して、攻撃陣を引っ張った。守備陣もパスラッシュとテイクアウェイを連発し、ベアーズにつけいる隙を見せなかった。2ゲーム差を保ちながら、本拠地でロサンゼルス・ラムズとの重要な再戦を迎える。残りの対戦相手: ロサンゼルス・ラムズ(本拠地)、デトロイト・ライオンズ(アウェー)、インディアナポリス・コルツ(本拠地)、ダラス・カウボーイズ(アウェー)、シアトル・シーホークス(本拠地)

2. グリーンベイ・パッカーズ (9勝3敗)、NFC北地区1位: パッカーズは第12週目にロサンゼルス・ラムズを問題なく下し、試合がなかったカーディナルスに半ゲーム差に詰め寄った。カーディナルスには直接対決で勝ってもいる。それと同時に、NFC西地区内でカーディナルスがゲーム差を広げるための手助けをする結果にもなった。パッカーズは第13週目はバイ・ウィークで試合がなく、カーディナルスとは依然として1ゲーム差しか離れていない。NFCカンファレンス内の戦績で優るため、タンパベイ・バッカニアーズより上位にある。残りの対戦相手: シカゴ・ベアーズ(本拠地)、ボルティモア・レイブンズ(アウェー)、クリーブランド・ブラウンズ(本拠地)、ミネソタ・バイキングス(本拠地)、デトロイト・ライオンズ(アウェー)

3. タンパベイ・バッカニアーズ (9勝3敗)、NFC南地区1位: バッカニアーズは敵地でアトランタ・ファルコンズにやや苦戦したものの、それでもパッカーズと勝率で並び、カーディナルスとも1ゲーム差を守った。トム・ブレイディ(クォーターバック)はいつものようにプレーオフ前に調子を上げてきている。 残りの対戦相手: バッファロー・ビルズ(本拠地)、ニューオーリンズ・セインツ(本拠地)、カロライナ・パンサーズ(アウェー)、ニューヨーク・ジェッツ(アウェー)、カロライナ・パンサーズ(本拠地)

4. ダラス・カウボーイズ (8勝4敗)、NFC東地区1位: カウボーイズは依然として開幕戦で敗れたバッカニアーズを1ゲーム差で追っている。第13週目の木曜夜の試合ではニューオーリンズ・セインツを下した。同地区内には好調のワシントン・フットボール・チームと復調しつつあるフィラデルフィア・イーグルスがいるため、楽観は許されない。 残りの対戦相手: ワシントン・フットボール・チーム(アウェー)、ニューヨーク・ジャイアンツ(アウェー)、ワシントン・フットボール・チーム(本拠地)、アリゾナ・カーディナルス(本拠地)、フィラデルフィア・イーグルス(アウェー)

5. ロサンゼルス・ラムズ (8勝4敗)、NFC西地区2位: ラムズは3連敗と後がない状況で第13週目を迎えた。直近の試合では不調にあえぐマシュー・スタッフォード(クォーターバック)が期待を裏切り続けていた。だが本拠地でジャクソンビル・ジャガーズに勝利し、カーディナルスとは2ゲーム差で留まった。カーディナルスには本拠地で敗れている。ラムズはまた同地区内でサンフランシスコ・49ersにも敗れているが、こちらには逆に2ゲーム差をつけている。 残りの対戦相手: アリゾナ・カーディナルス(アウェー)、シアトル・シーホークス(本拠地)、ミネソタ・バイキングス(アウェー)、ボルティモア・レイブンズ(アウェー)、サンフランシスコ・49ers(本拠地)

6. ワシントン・フットボール・チーム(6勝6敗)、NFC東地区2位: ワシントンはAFCワイルドカード枠を狙うラスベガス・レイダースと敵地で戦い、貴重な勝利を収めた。そのことによって、1日でサンフランシスコ・49ersとフィラデルフィア・イーグルスの上位に立った。ロン・リベラ(ヘッドコーチ)とテイラー・ハイニッケに率いられ、現在4連勝中である。課題であった守備陣の立て直しに成功し、攻撃陣は十分な力を持っている。運命のいたずらと言うべきか、残りの対戦相手はすべて同地区内のチームである。 残りの対戦相手: ダラス・カウボーイズ(本拠地)、フィラデルフィア・イーグルス(アウェー)、ダラス・カウボーイズ(アウェー)、フィラデルフィア・イーグルス(本拠地)、ニューヨーク・ジャイアンツ(本拠地)

7. サンフランシスコ・49ers(6勝6敗)、NFC西地区3位: 49ersはシアトル・シーホークスに不覚を取り、勝率5割に落ち込んだ。なんとかワシントンと勝率で並んで、プレーオフ枠争いに留まっているが、カンファレンス内での戦績が非常に悪い。フィラデルフィア・イーグルス、シーホークス、そしてデトロイト・ライオンズという下位チーム以外に負けてしまっている。 残りの対戦相手: シンシナティ・ベンガルズ(アウェー)、アトランタ・ファルコンズ(本拠地)、テネシー・タイタンズ(アウェー)、ヒューストン・テキサンズ(本拠地)、ロサンゼルス・ラムズ(アウェー)

まだプレーオフ進出の可能性があるチームは?

8. フィラデルフィア・イーグルス(6勝7敗)

9. ニューオーリンズ・セインツ(5勝7敗)

10. ミネソタ・バイキングス(5勝7敗)

11. カロライナ・パンサーズ(5勝7敗)

12. アトランタ・ファルコンズ(5勝7敗)

13. ニューヨーク・ジャイアンツ(4勝8敗)

14. シカゴ・ベアーズ(4勝8敗)

15. シアトル・シーホークス(4勝8敗)

イーグルスは第14週目がバイ・ウィークで試合がないが、ジェッツに勝利していることで、この集団のトップに留まり、ワシントンと不調の49ersを追いかけている。シーズン前半で49ersに敗れてしまっている。それ以外では、バイキングスがまたも失速していることと、NFC南地区で下位3チームが不名誉な同勝率で並んでいることが目につくくらいだ。

既に敗退が決まっているチームは?

16. デトロイト・ライオンズ(1勝10敗1分け)

ライオンズはスティーラーズ、ブラウンズ、そしてベアーズ戦と僅差の試合を続けた後、バイキングスを相手に劇的な初勝利を挙げた。それと同じことを他のいくつかのチームを相手にできるはずだ。

(翻訳:角谷剛)

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Vinnie Iyer


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Vinnie Iyer, has been with TSN since 1999, not long after graduating from Northwestern University’s Medill School of Journalism. He has produced NFL content for more than 20 years, turning his attention to full-time writing in 2007. A native of St. Louis, Mo. but now a long-time resident of Charlotte, N.C. Vinnie’s top two professional sports teams are Cardinals and Blues, but he also carries purple pride for all things Northwestern Wildcats. He covers every aspect of the NFL for TSN including player evaluations, gambling and fantasy football, where he is a key contributor. Vinnie represents TSN as host of the “Locked On Fantasy Football” podcast on the Locked On network. Over his many years at TSN, he’s also written about MLB, NBA, NASCAR, college football, tennis, horse racing, film and television. His can’t-miss program remains “Jeopardy!”, where he was once a three-day champion and he is still avid about crossword puzzles and trivia games. When not watching sports or his favorite game show, Vinnie is probably watching a DC, Marvel or Star Wars-related TV or movie.