NFL2021プレーオフ展望:シーズン17週目終了時点でのAFC、NFC順位


Vinnie Iyer

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2021年のNFLシーズンが終盤に差し掛かっている。今年から17試合制に拡大されたレギュラーシーズンの終了が近づいてきた。各チームには1試合しか残されていない。第17週目を終え、もう一度現在の順位とプレーオフの展望を確認しよう。;

プレーオフ出場枠は昨年のポストシーズンと同じく、AFC(アメリカンフットボールカンファレンス)とNFC(ナショナルフットボールカンファレンス)、それぞれのカンファレンスから7チームに与えられる。NFL全体32チームのうち、14チーム(43.8%)である。その中で、カンファレンス1位のチームのみ、ワイルドカード・シリーズの不戦勝と本拠地アドバンテージを獲得する。

どのチームがプレーオフ進出を確実にしているのか、どのチームにまだ望みがあるのか、そしてどのチームが来シーズンのことを考えるべきなのか。現在の全体図は以下の通りだ。

 

NFL シーズン17週目終了時点の順位

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AFC プレーオフ展望

プレーオフ進出に近いチームは?

1. テネシー・タイタンズ (11勝5敗)、AFC南地区優勝:タイタンズは第17週目の本拠地戦でマイアミ・ドルフィンズに勝利した。2位のインディアナポリス・コルツがラスベガス・レイダースに敗れたため、タイタンズの地区優勝が決定した。さらにカンザスシティ・チーフスが敗れたことにより、No.1 シードとAFCプレーオフでの本拠地アドバンテージの位置に返り咲いた。第7週目に敵地でチーフスを破っているため、タイブレークで優位に立ったのだ。ワイルドカード不戦勝を勝ち取るためには第18週目でヒューストン・テキサンズに勝利することだけが必要になる。

  • 残りの対戦相手:ヒューストン・テキサンズ(アウェー)
     

2. カンザスシティ・チーフス (11勝5敗)、AFC西地区優勝:チーフスは第17週目の試合でシンシナティ・ベンガルズに敗れ、AFCプレーオフでトップシードの位置を失った。No.2 シードの位置も安泰と言うわけではない。No.1 シードに返り咲くには、第18週目にタイタンズが敗れることと、自らが敵地でデンバー・ブロンコスに勝利して、アウェーロードを締めくくることが条件になる。もしチーフスがブロンコスに敗れると、No.4 シードにまで転落する可能性がある。すぐ下位にあるシンシナティ・ベンガルズとバッファロー・ビルズに直接対決でやぶれているためだ。

  • 残りの対戦相手:デンバー・ブロンコス(アウェー)
     

3. シンシナティ・ベンガルズ(10勝6敗)、AFC北地区優勝:ベンガルズは第17週目の試合でカンザスシティ・チーフスに勝利した。ボルティモア・レイブンズが本拠地でロサンゼルス・ラムズに敗れたため、ベンガルズの地区優勝が決定した。同じく勝利したバッファロー・ビルズにもタイブレークで優位に立った。直接対決はないが、AFCカンファレンス内勝率で優っているためだ(ベンガルズ8勝3敗、ビルズ6勝5敗)。第18週目の試合で勝利すると、この位置をキープするか、あるいはチーフスを抜いてNo.2 シードに浮上する可能性もある。敗れた場合は、ビルズに抜かれ、No.4 シードに下がる可能性が出てくる。

  • 残りの対戦相手:クリーブランド・ブラウンズ(アウェー)
     

4. バッファロー・ビルズ (10勝6敗)、AFC東地区1位:ビルズは第17週目に本拠地で行われたNFCアトランタ・ファルコンズ戦で後半ハーフからの逆転勝利を収めた。この勝利によってタイタンズとベンガルズとペースを合わせ、チーフスには1ゲーム分だけ近づいた。さらに同勝率のニューイングランド・ペイトリオッツには地区内勝率で優るため(ビルズ4勝1敗、ペイトリオッツ3勝2敗)、シード順で上位に立った。第18週目でニューヨーク・ジェッツに勝利すると、ビルズの地区優勝と最低でもNo.4 シード以上が確定する。チーフスとベンガルズの結果によっては、No.2 シードまで浮上する可能性もある。しかし、タイタンズを抜いてNo.1 シードに上がることはできない。タイタンズがビルズとチーフスの両方に勝利しているからである。

  • 残りの対戦相手:ニューヨーク・ジェッツ(本拠地)
     

5. ニューイングランド・ペイトリオッツ (10勝6敗)、AFC東地区2位:ペイトリオッツは第17週目で予想通りジャクソンビル・ジャガーズから勝利を収め、連敗を2で止めた。ビルズを同じペースで追いかけ、地区優勝争いも最終週にまでもつれさせた。ペイトリオッツが勝ち、ビルズが敗れると、AFC東地区のタイトルはペイトリオッツのものになる。さらにその勝利は第15週目で敗れたインディアナポリス・コルツからも1ゲーム差をつけることになる。 

  • 残りの対戦相手:マイアミ・ドルフィンズ(アウェー)
     

6. インディアナポリス・コルツ (9勝7敗)、AFC南地区2位:コルツは第17週目の本拠地戦でラスベガス・レイダースに敗れ、勝ったタイタンズに差をつけられ、ワイルドカード枠を確定することができなかった。この敗戦によって、ペイトリオッツにNo.5 シードの位置も明け渡すことになった。だが、コルツがプレーオフに進出する可能性は依然として高い。第18週目に敵地でジャクソンビル・ジャガーズから勝利するか、あるいはボルティモア・レイブンズがピッツバーグ・スティーラーズに敗れることが、ワイルドカード枠を獲得するための条件となる。

  • 残りの対戦相手:ジャクソンビル・ジャガーズ(アウェー)
     

7. ロサンゼルス・チャージャーズ (9勝7敗)、AFC西地区2位:チャージャーズは本拠地でデンバー・ブロンコスに勝利し、ヒューストン・テキサンズから喫した手痛い番狂わせ敗戦を挽回して、再びプレーオフ進出を狙える位置に戻ってきた。最終スポットを争うラスベガス・レイダースには第4週目に本拠地で勝利しているため、現在では優位に立っている。両チームの再戦となる第18週目の試合で勝利した方が、10勝7敗でプレーオフに進出することになる。 

  • 残りの対戦相手:ラスベガス・レイダース(アウェー)
     

まだプレーオフ進出の可能性があるチームは?

8. ラスベガス・レイダース(9勝7敗)
9. ピッツバーグ・スティーラーズ(8勝7敗1分け)
10. ボルティモア・レイブンズ (8勝8敗)

チャージャーズがブロンコスに勝利したため、直接対決で勝利しているレイダースを追い抜いたが、第18週目に再戦する。スティーラーズはクリーブランド・ブラウンズに勝利して、望みをつないだ。第18週目には同じ状況のレイブンズと対戦する。
 

プレーオフ争い圏外にあるチームは?

11. マイアミ・ドルフィンズ (8勝8敗、敗退決定)
12. クリーブランド・ブラウンズ(7勝9敗、敗退決定)
13. デンバー・ブロンコス(7勝9敗、敗退決定)
14. ニューヨーク・ジェッツ(4勝12敗、敗退決定)
15. ヒューストン・テキサンズ(4勝12敗、敗退決定)
16. ジャクソンビル・ジャガーズ(2勝14敗、敗退決定)

チャージャーズがブロンコスに勝利したことで、ブラウンズ、ブロンコス、そしてドルフィンズの敗退が決定した。

 

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NFC プレーオフ展望

プレーオフ進出に近いチームは?

1. グリーンベイ・パッカーズ (13勝3敗)、NFC北地区優勝:パッカーズは第17週目の試合でミネソタ・バイキングスを破り、No. 1シード、不戦勝、そしてNFCプレーオフにおけるランボー・フィールドでの本拠地アドバンテージを獲得した。アーロン・ロジャース(クォーターバック)とマット・ラフルアー(ヘッドコーチ)の元、直近2シーズンと同じ勝敗になった。新たなシーズン17試合制ではあと1試合が残っている。 

  • 残りの対戦相手:デトロイト・ライオンズ(アウェー)
     

2. ロサンゼルス・ラムズ (12勝4敗)、NFC西地区1位:ラムズは第17週目の試合開始前から既にプレーオフ進出は決めていたが、敵地でのボルティモア・レイブンズ戦では見事な逆転勝利を収めた。アリゾナ・カーディナルスがダラス・カウボーイズに勝利したため、ラムズの地区優勝決定はお預けとなった。それでもラムズはカウボーイズを抜き、No. 2シードに上り、NFC西地区1位の位置を守った。本拠地でサンフランシスコ・49ersを迎え撃つ第18週目では、シーズンを良い形で締めくくりたいところだ。タンパベイ・バッカニアーズにはタイブレークで上位に立っている。

  • 残りの対戦相手:サンフランシスコ・49ers(本拠地)
     

3. タンパベイ・バッカニアーズ (12勝4敗)、NFC南地区優勝:バッカニアーズは第17週目の試合でニューヨーク・ジェッツに思わぬ苦戦を強いられたが、辛うじて逆転勝利を収めた。これによって、ラムズを同じ勝率で追いかけ、負けたカウボーイズを追い抜いた。もし第18週目の試合でカロライナ・パンサーズに勝利し、さらに第3週目で敗れているラムズがもしカーディナルスにもし敗れると、バッカニアーズがNo. 2 シードに浮上する。

  • 残りの対戦相手: カロライナ・パンサーズ(本拠地)
     

4. ダラス・カウボーイズ (11勝5敗)、NFC東地区優勝:カウボーイズはカーディナルス戦で試合後半の猛追もむなしく、惜しくも敗れた。それにより、同週に勝利したラムズとバッカニアーズの下位につくことになった。地区優勝は第16週目で決定済みであるが、No. 1シードの座はパッカーズに奪われてしまった。カウボーイズがこのままNo. 4シードに留まり、本拠地となるワイルドカード試合でカーディナルスと再戦する可能性が濃厚である。

  • 残りの対戦相手:フィラデルフィア・イーグルス(アウェー)
     

5. アリゾナ・カーディナルス (11勝5敗)、NFC西地区2位:カーディナルスはカウボーイズを破り、少なくともワイルドカード枠のトップを確保した。同じく勝利したラムズを追いかけ、NFC西地区タイトル争いにも望みを残している。もし第18週目の本拠地試合でシアトル・シーホークスに勝利し、かつラムズが本拠地で49ersに敗れた場合、カーディナルスが地区優勝を勝ち取ることになる。地区内勝率タイブレークで優っているためだ(カーディナルス5勝1敗、ラムズ3勝3敗)。

  • 残りの対戦相手:シアトル・シーホークス(本拠地)
     

6. サンフランシスコ・49ers(9勝7敗)、NFC西地区3位:49ersは第17週目の本拠地試合でヒューストン・テキサンズを破り、ワイルドカード枠争いで一歩前進した。しかしまだ第18週目にラムズ戦が控えている。同勝率のフィラデルフィア・イーグルスには第2週目に敵地での直接対決で勝利しているため、タイブレークで上位に立っている。 

  • 残りの対戦相手:ロサンゼルス・ラムズ(アウェー)
     

7. フィラデルフィア・イーグルス(9勝7敗)、NFC東地区2位:イーグルスは第17週目の試合でワシントン・フットボール・チームに勝利した。ミネソタ・バイキングスがパッカーズに敗れたことを受けて、イーグルスがワイルドカードと地区内順位でカウボーイズのすぐ下についた。

  • 残りの対戦相手:ダラス・カウボーイズ(本拠地)
     

まだプレーオフ進出の可能性があるチームは?

8. ニューオーリンズ・セインツ(8勝8敗)

セインツは第17週目の試合でカロライナ・パンサーズに勝利し、同じく勝利した49ersにプレッシャーをかけ続けた。アトランタ・ファルコンズに勝利し、かつ49ersがラムズに敗れると、セインツのプレーオフ進出が決まる。どちらも実現する可能性はかなり高い。
 

プレーオフ争い圏外にあるチームは?

9. ミネソタ・バイキングス(7勝9敗、敗退決定)
10. アトランタ・ファルコンズ(7勝9敗、敗退決定)
11. ワシントン・フットボール・チーム(6勝10敗、敗退決定)
12. シカゴ・ベアーズ(6勝10敗、敗退決定)
13. シアトル・シーホークス(6勝10敗、敗退決定)
14. カロライナ・パンサーズ(5勝11敗、敗退決定)
15. ニューヨーク・ジャイアンツ(4勝12敗、敗退決定)
16. デトロイト・ライオンズ(2勝13敗1分け、敗退決定)

バイキングス、ファルコンズ、そしてワシントンが第17週目の試合に敗れ、敗退決定グループ入りした最新のチームとなった。

(翻訳:角谷剛)

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Vinnie Iyer


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Vinnie Iyer, has been with TSN since 1999, not long after graduating from Northwestern University’s Medill School of Journalism. He has produced NFL content for more than 20 years, turning his attention to full-time writing in 2007. A native of St. Louis, Mo. but now a long-time resident of Charlotte, N.C. Vinnie’s top two professional sports teams are Cardinals and Blues, but he also carries purple pride for all things Northwestern Wildcats. He covers every aspect of the NFL for TSN including player evaluations, gambling and fantasy football, where he is a key contributor. Vinnie represents TSN as host of the “Locked On Fantasy Football” podcast on the Locked On network. Over his many years at TSN, he’s also written about MLB, NBA, NASCAR, college football, tennis, horse racing, film and television. His can’t-miss program remains “Jeopardy!”, where he was once a three-day champion and he is still avid about crossword puzzles and trivia games. When not watching sports or his favorite game show, Vinnie is probably watching a DC, Marvel or Star Wars-related TV or movie.