NFLが本格的なオフシーズンに突入した。各チームは2019-20年シーズンに向けて補強に乗り出し、引退や移籍が囁かれている選手たちがそれぞれに決断を下す。
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MLBとNFLの“二刀流”選手として大注目のカイラー・マレーは、果たしてどちらを選ぶのか? ピッツバーグ・スティーラーズとの契約交渉がまとまらないままシーズンを終えてしまったリビオン・ベルはどこに行くのか? など、オフシーズン中、注目すべき7のポイントを以下にまとめた。
■リビオン・ベルはどこに落ち着くのか?
画像:リビオン・ベル(Getty Images)
2年連続のフランチャイズタグ指定を受けた後、所属チームであるスティーラーズとの契約交渉がまとまらず、1試合も出場しないまま2018年シーズンを棒に振ったRB(ランニングバック)リビオン・ベル。3月にはFA(フリーエージェント)となることが決まっているが、果たしてどこのチームに落ち着くのだろうか?
最後にプレーした2017年に、ベルはキャリアハイの321キャリーで1291ヤード獲得、そしてこちらもキャリアベストとなる9タッチダウンを記録した。しかし昨季スティーラーズと揉めた経緯は印象の良いものではなく、過去の故障歴(通算11試合欠場)、飲酒運転や大麻保持、薬物違反での出場停止歴などフィールド外での問題も懸念事項となりうる。
『ピッツバーグ・ポスト・ガゼット』による最近の報道では、スティーラーズがベルをトレード要員とするため、再びタグ指定をする可能性も出てきているようだが、GMのケビン・コルバートとマイク・トムリンHC(ヘッドコーチ)はこれ以上ベルに振り回されることに拒否反応を示しているという。
各チームは2月19日から3月5日までの期間中にタグ指定を行う。スティラーズがどのような動きに出るのか、そしてもしベルがこのままFAとなればどこのチームと契約するのか、今オフ注目すべきポイントの一つだ。
■アントニオ・ブラウンはスティーラーズに残る?
画像:アントニオ・ブラウン(Getty Images)
スティーラーズはもう一つ問題を抱えている。WR(ワイドレシーバー)、アントニオ・ブラウンだ。
その9年のキャリアをすべてスティーラーズで過ごし、7度のプロボウル、4度のオールプロに選出されているベテランのブラウンは昨季、練習やミーティングの欠席などを重ね、レギュラーシーズン最終週のシンシナティ・ベンガルズ戦は、QB(クォーターバック)ベン・ロスリスバーガーを含むチームメイトとの衝突が原因で欠場した。
その後、ブラウン本人が自身のツイッターアカウントのプロフィールから“スティーラーズ”の表記を削除したり、サンフランシスコ・49ersへのトレード希望を匂わせたりと、チームから離脱する姿勢を見せていた。
チームは2017年に5年契約を結んだブラウンをトレードするか、はたまた残留させるのか。今オフどのような決断を下すのか、大きな注目が集まっている。
■ロブ・グロンコウスキーは引退するのか?
画像:ロブ・グロンコウスキー(Getty Images)
第53回スーパーボウルを制した常勝軍団ニューイングランド・ペイトリオッツのスターTE(タイトエンド)で、QBトム・ブレイディお気に入りのターゲットの一人であるロブ・グロンコウスキーの引退が囁かれている。
今年30歳になるグロンコウスキーは、9年のキャリアで度々の故障を経験し、2017年シーズンから引退をちらつかせていた。2月3日のスーパーボウルではその日唯一のタッチダウンにつながるプレーで大きく貢献したものの、昨季レギュラーシーズンは47キャッチで682ヤード獲得、3タッチダウンと振るわず、引退説に信憑性をもたせていた。
本人は自身の引退についてはいまだ明確な回答をしておらず、『ESPN』には「しばらく休んでから考える」と語ったという。
■ニック・フォールズの去就やいかに?
画像:ニック・フォールズ(Getty Images)
第52回スーパーボウルでペイトリオッツを破り、フィラデルフィア・イーグルスを初のタイトル獲得へと導いたQBニックフォールズ。“史上最高のバックアップQB”として、2018年もシーズン終盤に故障離脱した先発QBカーソン・ウェンツの代わりに出場した5試合で4連勝し、チームをプレーオフへと導いた。
そのフォールズが、ついに先発を希望し、チームを去ることを決断。イーグルスが提示していた2000万ドル(約20億円)のオプションを拒否し、契約ボーナスの200万ドルを払い戻してFAとなることを選択したのだ。
イーグルスは引き続き、フォールズにフランチャイズタグを指定してチームに残すかトレード要員とすることも可能だが、果たしてどのような展開を迎えるのか、大いに注目される。
■“二刀流”カイラー・マレーは、野球とアメフトどっちを選ぶ?
画像:カイラー・マレー(Getty Images)
MLBオークランド・アスレチックスが2018年のドラフト全体9位で指名し、契約に合意したカイラー・マレーは、アスレチックスの許可を得ながら昨季はカレッジフットボールのQBとして活躍、年間最優秀選手賞であるハイズマン賞も受賞した。
野球とアメフトのどちらでもプロとしてプレーすることを望んでいるマレーは、2019年NFLドラフトへの参戦を表明。今月8日には、ドラフト候補生にとって参加必須のスカウティングコンバインへ参加することが明らかとなったが、その11日前にはアスレチックスのスプリングトレーニングも始まる。
『NBCベイエリア』によると、どうしてもマレーを手放したくないアスレチックスにはいくつかの選択肢があり、まずはマレーをアスレチックスのスプリングトレーニングに参加させ、NFLのスカウトコンバインが終わり次第ふたたび合流させるか、もしくはスプリングトレーニングではなく3月から始まるマイナーリーグのキャンプから参加させるなどしてつなぎとめておくことができるという。
過去、ラッセル・ウィルソンやボー・ジャクソンのようにMLBとNFLの二足のわらじを履いた選手はいたが、果たしてマレーはどのような結論を下すのか。今オフ最大の話題の一つから目が離せない。
ちなみにもしNFLを選択すれば、マレーはアスレチックスとの契約金466万ドル(約5億円)を返還することとなる。
■2018年リーグ最下位カーディナルスはドラフトで誰を指名するのか?
画像:2018年カーディナルスのドラフト風景(Getty Images)
ドラフトにウェーバー制を採用しているNFL。今季ドラフトは、昨季3勝13敗でリーグ最下位に落ち込んだアリゾナ・カーディナルスが1巡目全体1位を指名する権利を有しているが、果たしてカーディナルスは誰を指名するのだろうか。
多くの有識者がオハイオ州立大のDE(ディフェンシブエンド)ニック・ボッサを挙げているが、アラバマ大のDT(ディフェンシブタックル)クイネン・ウィリアムズ、ケンタッキー大のLB(ラインバッカー)ジョシュ・アレン、LSUのCB(コーナーバック)グリーディ・ウィリアムズも有力だ。
なお2018年は、クリーブランド・ブラウンズがQBベイカー・メイフィールドをピックした。
今季ドラフト20位までの指名順はこちら。
■NFLはビデオ判定のあり方を見直すのか?
画像:ロジャー・グッデル(Getty Images)
昨季のプレーオフ最大の話題となった、NFCチャンピオンシップゲームでの誤審(ノーコール)騒動。ニューオーリンズ・セインツとロサンゼルス・ラムズがスーパーボウル出場をかけて戦った重要な試合で、本来反則となるべきプレーが見逃されるという誤審があり、敗北したセインツや多くのファン、メディアなどからNFLに対する強い抗議が相次いだ。
これを受け、NFLコミッショナーのロジャー・グッデルは1月30日の会見で、インスタントリプレイ(ビデオ判定)のあり方について今後検討していくと語った。
NFLは3月24-27日にリーグミーティングを開催する。例年、ルール改正など大きな話題が扱われるこの会議でどのような話し合いがなされるのか。果たしてセインツも納得できる答えが出るのだろうか。大いに気になるところだ。
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