自身の苦悩きっかけに、子供達の未来を照らす活動にシフト
ニューイングランド・ペイトリオッツのワイドレシーバー、マルコム・ミッチェルが25歳で引退を表明した。
名前を聞いてもピンとこない人が多いだろう。
ミッチェルは2016年のNFLドラフト、4巡目112位でペイトリオッツから指名された。ルーキーイヤーで迎えた翌年の第51回スーパーボウルで、チームは延長戦の末アトランタ・ファルコンズに大逆転。ミッチェルは最後の第4クォーターだけで5回のキャッチに70ヤードを獲得し、勝利に大きく貢献した。
この年、ミッチェルはシーズンを通してキャッチ39回で476ヤード獲得、4タッチダウンをマーク。そしてこれが、彼のNFLにおける全キャリアの成績となった。ヒザを故障し、17年シーズン以降一度も試合に出場しないまま、18年8月にペイトリオッツからリリースされたのだ。
10度の手術を経て、今年1月の段階ではまだ現役復帰を諦めていなかった。『ESPN』には、「まだモチベーションは高いし、自信もある。ケガもだんだん良くなってきているんだ」「僕の心には、まだペイトリオッツがある。きっとこれからもずっとそうだよ」と語っていた。
今月22日、ミッチェルは母校ジョージア大学で開催された“TED”の講演会に登壇。ここで初めて、引退の決意を明らかにした。『ザ・レッド&ブラック』によると、この日ミッチェルは、故障でフィールドに出ることができない日々が続く中、母に繰り返し聞かされたある話を紹介したという。
卵は初め割れやすいが、熱湯の中で我慢を続けるうちに固くなる。人参は初め固いが、ゆでると次第に柔らかくなる。コーヒー豆は状態を変化させ、お湯に次第に溶け込んで新しい環境に馴染むようになる……。
ミッチェルは観衆に向かって、これから先の新たな人生を、コーヒー豆のように生きていきたいと語った。
ミッチェルにとっての“新たな人生”、それは作家として生きる道だ。
遡ることジョージア大に通っていた学生時代、ミッチェルは自身の文字判別力や読解力に問題があることに気づき、周囲に追いつこうと努力を重ねた。『ザ・アンディフィーテッド』の特集記事によると、まずは小学生レベルの本を読めるようになることからスタートしたという。
その過程で“読む力”の大切さを知ったミッチェルは、自身と同様、満足な教育を受けられない子供達に“読む力”を育ませる活動を開始。そして15年に自身初の児童書『マジシャンの帽子』を執筆し、児童書部門でジョージア州作家協会の最優秀賞を受賞している。
子供達が憧れるヒーローとして戦った期間は短かったが、これからは新たなフィールドで、多くの子供たちの道を照らしていくはずだ。
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